◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/01/19(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は随分と荒い展開だった。連休明けとなる火曜日には日経平均11000円に迫
る勢いも見せたが、木曜日には10500円割れ10400円付近まで売られる場面も見られた。」

M「ああ。かと思えば、昨日は爆上げし再び日経平均11000円射程圏まで戻してきて
高値更新している。」

T「こりゃ振り回されやすい動きだな。単純に押し目買いに徹していれば問題ない
動きと言えるかも知れないが、如何せん動きが速すぎる。」

M「そうだな。日経平均ザラバ高値から500円以上も一時下げ、それを簡単に戻し
てしまう。これが僅か4日間だ。」

T「まあ結果的には良い押し目となったんだが、日柄経っていないだけに、まだ調
整不足と言わざるを得ない。」

M「ただ依然として商いは活況だし、まだまだブル相場は続いていると言えるだろ
う。問題は更に上値追えるかどうかだが、それはやはり為替にかかっていると言え
そうだ。」

T「だろうな。今週の動きから押し目買い意欲は更に強まりそうだが、それは上値
を買っていくという動きとは違うからな。」

M「今週見られたようにヘッジファンドなど一部の投機筋は手仕舞いに動いて来た
向きもいると思われる。それだけに、上値では更に手仕舞い売りも強まるという恐
れはあるだろう。」

T「しかし重要人物が色々としゃべり過ぎじゃないのか。完全に投機的な材料にさ
れてしまっている感がある。」

M「そうだな。まあ、そういった事が無くとも下値では押し目買いを狙っている向
きはいるんだろうけど、短期的には投機筋の動きに支配されている様子が伺える。
そんな状況だけに要人は安易に発言はしない方が無難なんだけどな。」

T「ああ。火曜日に甘利経済再生担当相が過度な円安は懸念だと発言し、翌日には
石破自民党幹事長がやはり過度な円安を懸念する発言をした。」

M「それにより円売りポジションの買い戻しの動きが強まり、やや円高へと戻す展
開となった。」

T「円売りしていた投機筋の利食いのきっかけになった様子だ。」

M「それに伴い日本株にも手仕舞い売りが見られ、水曜日には日経平均280円近くの
大幅安となった。この下げ幅は約1年5ヶ月ぶりの大きさだ。」

T「翌日の木曜日にも引き続き売り込まれ一時日経平均は160円超の下落となる場面
も見られたが、大引け前に甘利経済再生担当相が円は依然として行き過ぎた円高
正局面にあると発言した。」

M「ああ。それにより円が再び売り込まれ、日経平均大引けにかけ急速に下げ幅
縮小し、終わってみれば小幅にプラ転し引けたからな。」

T「甘利さんは、火曜日に自分の発言をきっかけに円高株安に繋がったことで焦っ
たのか、言い訳的な発言してきたとも取れる。」

M「そもそも火曜日の甘利経済再生担当相の発言が海外勢に誤解されて受け止めら
れたという面もある。それを解りやすく正したと言うことだろう。」

T「そういうことがあるだけに、基本的に要人は安易にしゃべるモンじゃない。特
に具体的な数字なんて出すモンではないだろう。」

M「そうだな。まあそれが期待を強めている面もあるだけに、一概には言えないん
だが・・・。基本的には具体的な数字は出すべきじゃないだろう。」

T「計算ずくだとしても、ちょっと調子に乗りすぎかもな。」

M「昨日は安倍首相のブレーンである浜田教授が更に円安に誘導するような発言し
ている。まあ昨日大きく円安進行したのは、日銀が追加金融緩和に踏み切ることを
固め、政府との共同文書の内容報じられたことが主な要因だが・・・。」

T「そうだな。ただこれで来週の日銀金融政策決定会合の内容がほぼ報じられた格
好となっている。それだけに更に目新しいことが果たして出てくるのか疑問だな。」

M「まあ海外勢、特に中長期的な資金にしてみれば、やはり報道ベースでは動きに
くいが、実際に日銀がそういう行動を見せてくれば、日本株買いに動くという向き
だって結構いるからな。」

T「今回の日銀会合は、中長期的には非常に重要なポイントとなるイベントだから
な。噂で買って事実で売るという事には当てはまらない可能性もある。」

M「まあ投機筋にはそういう向き多いだろうけど、やはり中長期投資家にしてみれ
ば、日銀が本当にデフレ脱却へ向け実行してくるかどうかは非常に重要だ。それに
より日本の行方が大きく変わってくると言っても過言ではないからな。」

T「ああ。それだけに報道ベースでは動けないが、実際に日銀がアクション起こし
てくれば、デフレ脱却への期待が高まるため日本株は中長期的に投資価値が出てく
ると言うことだもんな。」

M「ただ為替に関して言えば、ヘッジファンドなどの投機筋の動向が大きく影響を
与えるだけに、果たして日銀会合をうけ更に円安へと進行できるかが重要だろう。」

T「そうだな。未だに石破幹事長は1ドル85~90円が適正だと言っているし、三大経
済団体の一つである、日本商工会議所会頭も、1ドル85~90円が企業にとって望まし
いと言っている。」

M「更にここに来て外部的な圧力が出てきている。ユーログループのユンケル議長
が現状のユーロ高に懸念を示しているし、韓国中央銀行総裁も現状の円安ウォン高
にけん制的な発言をしている。」

T「米国でも急ピッチな円安へ懸念を示す声が上がっているようだし、確かに外部
的な圧力が今後一段と強まる恐れはありそうだ。」

M「米国の要人から具体的に円安けん制発言が出てくるようだと警戒も必要かもな
。それが円売っている投機筋の手仕舞い要因となる恐れはあるだろう。」

T「そうだな。ドル円は90円まで円安進み、日経平均は11000円付近まで上昇した。
ある意味、節目に達しているといえ、日銀金融政策決定会合がある来週の動向が注
目だな。」

M「ああ。それらの節目は中長期的には、単なる通過点だとは思うが、如何せん日
柄調整ほとんど無く、急ピッチにここまで来たからな。短期的には一服となる局面
になっても何ら不思議はないだろう。」

T「そうだな。逆回転の動きになるとは思えないが、この辺でもたつく事はあって
も不思議はなさそうだ。」

M「とにかく来週、どういう展開を見せるのか注目しておきたい。為替も株価もボ
ラティリティかなり大きくなっているだけに、引き続き乱高下を見せるかも知れな
い。」

T「とりあえず日銀会合だな。そこで市場の期待裏切らない行動を示せるかどうか
・・。まずはそれからだ。」

M「ああ。期待したいモンだ。」