◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/05/18(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も強い1週間となった。先週までの急ピッチな上昇警戒感も強かったんだが
、そんなんまるで無視といった感じだ。」

M「そうだな。今週は日経平均節目の15000円も突破してきており、それで達成感と
いう感じも見せずに底堅い動きとなっている。」

T「ああ。為替も円安基調続けており、1ドル102円台に今週は乗せてきた。」

M「結構利食い売りも出ているようだが、為替がしっかりとしていた事から売り込
む動きも限定的で、株価の下支え要因になっている面もあるだろう。」

T「そうだな。米国の悪い経済指標うけても円高進行は限定的だったし、昨日や
一昨日なども日経平均15000円割れ水準まで下落しても、やはり円高進行は限定的だ
った。」

M「ああ。円高進行せずしっかりとしていたことから、日本株押し目買いも入り
やすく下げ渋るという展開だ。」

T「このドルの底堅さ、やはり国内機関投資家が外債購入に本格的に動いてきてい
る可能性もあるのかもな。」

M「どうだろうな。確かに先週までの対外証券投資状況みると、国内勢は外国の中
長期債を3週続けて買い越している。ただ買い越し規模も小さく、本格的に外債購入
に動いているとは言えないだろう。」

T「だよな。」

M「ただ思惑でドル買い円売り圧力が強まっていると言うことは当然ある。日本の
機関投資家が外債購入増やしてくるとの思惑だ。それによりドル売りにくさに繋が
っている。」

T「確かにそれはあるだろうな。」

M「それに海外勢による円キャリー取引が強まってきているという可能性もあるだ
ろう。低金利の円を調達し、それを高金利通貨で運用する。そういった動きが強ま
っている可能性はありそうだ。」

T「なるほど。」

M「投機筋の円先物売りポジションは再び増加してきている。節目の100円突破して
きたことから、新たに円売りポジション作ってきている投機筋も多い様子だ。」

T「昨晩にはドル円は103円台まで円安が進行した。ミシガン大学消費者信頼感指数
が市場予測を大幅に上回ったことが円安要因となっている。」

M「そうだな。ただ今週は米経済指標にもえらい悪いものも複数出ていた。円高
因だが、円高進行はあまり見られていないからな。ただ良い経済指標には見事に反
応する。」

T「結局、いいとこ取りという事なんだろうな。米国株も同様だろう。もっと派手
に売られても不思議ないような日もあったが、小幅安にとどまっていたり・・・。」

M「ああ。今週発表された米経済指標でNY連銀、フィラデルフィア連銀製造業景気
指数はいずれも悪い数字だったし、鉱工業生産も悪かった。それに住宅着工や新規
失業保険申請件数も良くない数字が出されている。」

T「小売売上高とか、昨日の消費者信頼感指数は良かったものの、トータル的に言
えば悪いモノもが多く、米株は大きく売られても不思議はない状況だった。」

M「ああ。そもそも今月に入って米株が息を吹き返し強くなってきたきっかけとし
て、雇用統計が良かったことと新規失業保険申請件数の低下が好感されたといえる
んだが、今週の新規失業保険申請件数は大きく増加し、もっと失望されても不思議
はない。」

T「でも失望はされていない。」

M「しかも今週は量的緩和縮小懸念もちらほら浮上していた。」

T「それでも下げない米国株って・・・。」

M「既に過剰流動性相場が本格化してきていると言うことだろう。世界的な金融緩
和の流れで金余り状態が強まっているんだろうな。」

T「確かにそんな感じだ。日本株の強さもそういった事が大きく影響しているんだ
ろうな。」

M「ああ。行き場を探している余剰資金が世界中に溢れている感じで、流動性の高
い日本市場や米国市場には特にそういった資金が集まりやすくなっている。」

T「ちょっとやそっとじゃ大きくは崩れにくくなっている状況なんだろうな。」

M「まあ今週は流動性乏しい新興市場などは随分と派手に崩れたけどな。これらは
個人投資家中心の相場であり、日経平均とか主力株以上に過熱感強まっている新興
銘柄も多かった。」

T「マザーズ市場の投資主体別みると、海外勢が手仕舞いしてきている様子が伺え
る。逆に個人投資家が大きく買い越してきており、更に下げていかなければ良いの
だが・・・。」

M「そうだな。来週も新興市場は良くも悪くも激しく動くことになるだろう。ただ
再び上値追いの展開になるとは期待しない方が良さそうだけどな。」

T「確かに・・・。派手なリバウンドはあっても、更に下げていく可能性も結構高
い。」

M「まあ今週の動きからも新興市場が更に崩れたとしても、東証1部の主力株などへ
の影響は限定的だろうな。」

T「そうだな。新興市場更に崩れると個人投資家の心理は悪化しそうだが、主力系
株には海外勢の買いが継続する期待もあり、それが下値を支えるって感じか。」

M「ただ新興市場崩れても言うほど個人投資家の心理悪化しないかもな。基本的に
、これほど異常に買われた新興市場は短期資金が中心ともいえるだろう。それだけ
に逃げ足も速いし、言うほどシコリも残らない可能性もある。」

T「確かに今年に入ってから、信用取引規制緩和によりネット証券のデイトレ
比率がかなり高まっているようだからな。」

M「ああ。中長期資金は新興株などは買わずに主力株を買うだろうからな。とは言
っても個人投資家はまだ売り越し基調続けている状態だけどな。」

T「そうだな。先週は個人投資家の現金取引は5570億円の売り越しだった。逆に言
えば、個人投資家の買い余力はどんどん膨らんでいる状況だ。」

M「ああ。それを考えれば、そう簡単には個人投資家の心理悪化にはならないだろ
う。」

T「とにかく来週はどういう展開になるのか注目だな。」

M「そうだな。引き続きしっかりとした展開に期待したいモンだ。」