◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/06/01(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週もまた荒い展開だった。日経平均TOPIXは週間ベースで続落となり注目さ
れていた月間ベースもマイナスで終えた。」

M「ああ。4月まで9ヶ月連続で日経平均は上昇していた。1980年代のバブル相場の
時や、2005年からの郵政解散相場時でも、10ヶ月連続上昇なんて無かっただけに、
今回のアベノミクス相場で10ヶ月連続上昇になるかが注目された。」

T「10ヶ月連続上昇となれば、それこそ異次元相場で1980年代のバブル相場や2005
年から郵政解散相場よりも、大相場になっていくという期待が出るからな。」

M「でも結構ギリギリだったよな。昨日の終盤には、日経平均が再び13900円台まで
上昇してきただけに、10ヶ月連続上昇濃厚だっていう状況になったんだが・・・。」

T「ああ。でも大引けにかけて売られてしまい、結局4月末の終値13860円を下回っ
て引けた。しかも5月初日の終値13799円も割り込んで引けており、月足は陰線とな
ってしまった。」

M「月足陰線も10ヶ月ぶりで、アベノミクス相場始まって以来の事だ。」

T「動き見る限り、今週もまだ海外勢の手仕舞い売り続いていたようだ。まあ押し
目買いも入ってきてはいるものの、商いが急増しているわけでもなく、底打ち感は
まだみられていない。」

M「そうだな。今週も先物主導で乱高下する展開が続いており、静観している向き
も多い様子だ。これだけ荒く動いていると、押し目買いの手も出しにくいという
印象持っている投資家も多いんだろう。」

T「確かに落ちてくるナイフもこれだけ急だと、さすがに拾いにくいだろうからな
。やはりある程度、相場が落ち着いてこないことには積極的な買い手も出てこない
かも知れない。」

M「比較的にしっかりとしていた米国市場も昨日は大きく下落してしまった。せめ
て米国市場が堅調続けられれば、日本株の落ち着きも早まるという期待もあったん
だが・・・。」

T「そうだな。遅れて米国市場でもヘッジファンド手仕舞い売り出てきた感じだ
。」

M「昨日は個人消費支出が悪かったものの、シカゴPMIがえらい強い数字となった。
特に自動車や鉄鋼関連の景況感が反映されやすい経済指標だが、市場予測を大きく
上回り、一時は好感されたんだけどな。」

T「ああ。ダウなど指数はプラスに転じる場面もみられたからな。10分後に発表さ
れたミシガン大学消費者信頼感指数確報値も予測を上回ったし・・・。」

M「ただ現状の懸念はやはり米国の量的緩和縮小懸念だけに、強い経済指標はその
懸念を強めることに繋がる。それだけに買い一巡後は手仕舞い売りもみられ、引け
にかけては売りが一段と強まった。」

T「終わってみればダウもS&P500指数も大幅安で安値引けだ。」

M「昨晩の日経先物はナイトセッションで米株上昇局面では13700円台まで戻したん
だが・・・。シカゴ日経先物は13500円割れで返ってきている。」

T「このままシカゴ日経先物にサヤ寄せして始まるなら、週明けの日経平均はいき
なり300円安スタートかよ・・。」

M「寄り後、下げ渋れるか注目されるが、改めて売り込む動きが出てくるのではと
いう疑心暗鬼も強いからな。引き続き手控えるという向きも多いかも知れない。」

T「まして来週は米国で重要な経済指標が相次いで発表される。来週末には雇用統
計という大物が待ち構えている。それまでは様子見決め込む向きも多いかもな。」

M「そうだな。買いを狙ってくるとしても打診買いにとどめておくという向きも多
いだろう。」

T「米国株が本格的に調整入りしてくる恐れがあるならば、日本株もまだ売り込ま
れるという懸念もあるからな。」

M「ただ日本株は先行して売られてきた分、売りも米国より先に止まるという可能
性は当然あるだろう。」

T「来週には成長戦略第3弾も発表されるし、それが支えになってくれれば良いのだ
が・・・。」

M「そうだな。ただ成長戦略第3弾への市場の期待は乏しいよな。市場の流れを大き
く変えるほどのインパクトある戦略は出されないとの見方が多い。」

T「となると逆に失望で売り材料にされるなんて事もあるのか・・。」

M「そもそも期待されて買われている訳でもないし、特段失望もされないだろう。」

T「とにかく来週はしっかりと下げ止まれるか注目だな。」

M「下げも急ピッチだけに、派手に反発する局面も出てくるだろうけど、リバ狙い
の短期資金中心の動きになりやすい。それだけに派手に戻しても翌日にはあっさり
下げる何て展開も想定される。」

T「まあそういう展開繰り返して、徐々に底が決まって固まっていくわけだし、ま
ずは落ち着きどころが何処になるのかだな。」

M「地合的にはそうだが、個別株には地合なんて無視して買われる銘柄も出てくる
事は期待される。今週だって新興市場は比較的にしっかりだったし、東証1部でも
中小型株の一角には派手に買われている銘柄も幾つか見られている。」

T「そうだな。こういう動きを見ても物色意欲はまだ衰えていないといえる。まあ
短期資金が中心ともいえるんだが・・・。」

M「ある意味、まだ投資家心理は冷え込んでいないともいえ、このまま地合が落ち
着けば、立ち直りも早いかもな。つまりある程度まで結構戻せる期待もあると言う
わけだ。」

T「でも逆に言えば、総悲観にはまだなっておらず、セリングクライマックスも来
ていないって事だろ。」

M「ああ。ただ調整局面は、必ず総悲観になってセリングクライマックスが来ない
と終わらないと言うわけでもないからな。」

T「確かにそうだな。とにかく、このまま投資家心理悪化せずに相場が落ち着いて
欲しいモンだ。」

M「来週から名実共に6月相場入りとなる。6月はしっかりと上昇して終えたいモン
だな。三日新甫ってのが気になるが・・・。」

T「二日新甫、三日新甫は荒れるって言うからな。ただ2005年の郵政解散相場の時
は、日経平均が10ヶ月ぶりに月間で下落した翌日には再び上昇していき、高値も抜
いている。今回もそのようになれば良いのだが・・。」

M「まあ、流石に来月に高値越えるって言うのは、高値が高いだけに無理があるが
・・。」

T「まずは来週、相場が落ち着き、今回の調整局面の底を打つことに期待したいモ
ンだ。」