◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/06/15(土)発行

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「今週も波乱的な相場になった。先週末と比べれば日経平均TOPIXも対して下げ
てはいないんだが、今週も相変わらずハイボラティリティ相場となっていたな。」

M「ああ。日経平均で言えば上値は13500円超、下値は12500円割れだからな。」

T「1週間で日経平均1000円以上も動いたという訳か・・・。」

M「いや、行って来いの動きだけに、2000円以上も動いたと言えるかもな。」

T「全然、落ち着いてきていないよな。」

M「ああ。日経平均ボラティリティの大きさを示す、日経平均ボラティリティ
インデックスは今週木曜日に、先月23日の43.74を大きく越えて46.19を記録した。
週間平均では、今回の下落始まってから今週がもっとも大きい。」

T「つまり、ボラティリティは収まるどころか、逆に大きくなってきていると言う
ことか。」

M「まあ、今週はイベントが結構多かったからな。先週末の米雇用統計を受けて週
明け月曜日は今年最大の上昇を見せたし、かと思えば、日銀金融政策決定会合でゼ
ロ回答になったことを理由に先物売り仕掛けられたりとか、更に週末のメジャーSQ
絡みでの先物売り仕掛けも見られている。」

T「今週の日経平均は636円高、196円安、28円安、843円安、241円高と凄い動きだ
。1日平均389円も動いたことになる。」

M「ああ。毎日、日経平均が400円近く変動する相場ってどうなのよ。こりゃ手控え
たくなる投資家増えるのも仕方ない。」

T「手控える向き増えれば、それだけ薄商いとなり短期資金中心の動きとなりやす
い。ある意味、仕掛け的な売買もしやすくなる。」

M「ああ。これほど日経平均ボラティリティインデックスが高水準維持し続けてい
るのはリーマンショック後以来のことだろう。2011年3月の震災直後でも、これほど
高水準が長く続いていない。」

T「そうだな。あの時は原発事故もあり、震災後直後の1週間はボラティリティ
インデックスも跳ね上がったものの、その翌週には収まって40越える日なんて出て
こなかった。」

M「ああ。しかも1ヶ月もしないうちに、ボラティリティインデックスは20台まで戻
している。しかし今回は今週も先週も1日平均40を上回っている状態だ。」

T「暴落前の水準だった20台まで戻すのは、いつになる事やら・・・。」

M「ただ、基本的にはこれから徐々に低下していく事にはなるんじゃないのか。ま
あ鬼門は来週のFOMCだけどな。それを無事通過できれば落ち着いてくるさ。」

T「問題は無事通過できるかどうかだろう。FRBは当然ながら、市場で量的緩和縮小
懸念強まっていることは承知している。それだけに今回、市場の動揺をしっかり抑
えられるかが鍵となるんだろ。」

M「そうだな。つまり裏を返せば量的緩和縮小問題に言及すると言うわけだ。市場
の懸念を後退させるような言及をするだろうけど、それが上手く市場に伝わるかど
うかが鍵となる。」

T「まあ、確かにわざわざ市場の懸念を強めるような言及はしないだろうからな。」

M「ただFRBだって嘘は言えない。量的緩和縮小は当面しませんとは言い切れない。
それを言うとしても、米景気改善が継続的に確認出来なければという前提を入れる
だろう。そうなると市場はその前提が覆った場合は、量的緩和縮小するんだという
感じで受け止める恐れもある。」

T「結局、何言っても懸念強まるんじゃないのか?」

M「確かに今、市場は弱気モードになってきている。特に金融政策に関しては悪い
よう悪いように受け止めやすくなっていると言えるだろう。」

T「それだけ金融緩和縮小後の悪影響を懸念している向きが多いと言うことなんだ
ろうな。」

M「ああ。これだけ大胆な緩和をし続けてきたんだ。それを止めるとなれば、どう
いった影響が出てくるのか読みにくいと言うことも、手仕舞い理由になっているだ
ろう。」

T「まあ、過去QE1、QE2終了後も米国市場は調整期間入りとなっているからな。そ
ういった経験則もあって、今回のQE3終了前から警戒感高めていると言うこともある
んだろう。」

M「昨晩の米国市場はあっさりと反落した。引き続き量的緩和縮小懸念が重しとな
っている。」

T「経済指標が弱かったことも昨日は嫌気された。」

M「またIMFが米経済成長率見通しを引き下げたことや、量的緩和政策の出口論に言
及したことも、市場の警戒を高めたと言えるだろう。」

T「でもIMFは米量的緩和縮小は来年からという見解を示したんだろ。今年いっぱい
は続けると・・・。」

M「ああ。ただ出口計画は慎重にするべきだと、釘を刺してきた。慎重にしないと
金融市場に混乱を招くと・・。」

T「それで改めて市場は、金融緩和縮小後の悪影響が意識させられたというわけか
。」

M「為替も大きく動いてしまった。再び1ドル94円付近まで円高が進行している。」

T「今週、為替市場も大反乱だったな。先週末の米雇用統計をうけ、大きく円安へ
戻したと思えば、日銀金融政策決定会合をうけ円高へと戻ってきた。節目のドルは
95円もあっさりと割り込んでしまった。」

M「ああ。今週は1ドル99円台から94円割れまであったからな。為替市場も異常な
ハイボラティリティ相場だといえる。」

T「でも米量的緩和縮小懸念が重しになっているなら、普通ドル買い円売りだろう
。それで何で逆に動くんだ。」

M「結局は投資家、まあ主に投機筋だが、そのポジションクローズの動きと言うこ
とだ。量的緩和縮小へ向かっているならば、とりあえずポジション落として様子見
したいという向きも多いからな。」

T「まあ、投機筋は円売りポジションを随分と積み上げていたからな。その巻き戻
しが主な円高要因か・・。」

M「ああ。CFTCが14日発表したデータによれば投機筋の円売り越しポジションは今
週11日時点で、1週間前より大きく減らしていることが解った。ただ、まだ大きな
売り越し状態であり、今後投機筋が何処までポジション整理してくるかが鍵となる
。」

T「円売り越しポジションを全て解消してくるならば、まだ円高に行く恐れはある
と言えるかもな。」

M「ただ中長期的にはまだまだ円安という見方は依然として強いことから、投機筋
も円売りポジションを全てクローズしてくるとは考えにくい。」

T「確かにそうだな。となれば、そろそろポジションクローズの動きも止まる期待
はある訳か・・・。」

M「まあ、11日以降も円高へ進行している事から、投機筋の円売りポジション解消
は結構進んでいるだろうからな。来週である程度、整理も一巡する期待はある。」

T「ただ、現状の水準より更に円高へ行くなら、輸出企業の平均想定レートより円
高になる恐れもある。多くの企業が90円か95円に設定しているからな。」

M「ああ。既に想定より円高になっている輸出企業も出てきている状況だ。ある意
味、期待されていた円安による上方修正期待が剥落してしまっている。」

T「となると、上方修正期待の買いは入りにくくなっている訳か・・。」

M「いずれにしろ、現状のハイボラティリティ状態が収まらないことには、積極的
に買いにくいという向きも多いからな。来週、FOMC通過後に収まっていくかが非常
に注目される。」

T「ああ。期待したいモンだ。」