◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/09/14(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週はしっかりと上昇し堅調な1週間となった。」

M「ああ。注目されたオリンピックが見事決まり、ご祝儀的な相場になったと言え
るだろう。」

T「そうだな。オリンピック招致が成功すれば日経平均は500円程度は上げるとの見
方もあったが、実際はそれ以上に上昇した。」

M「ただ今週は米国市場もしっかりだった。外部要因が落ち着いたことも追い風と
なっている。」

T「ああ。懸念されたシリア問題もロシアが間に入り何とか懸念後退したし、中国
市場も堅調だった。」

M「まあ、シリア問題は依然として不透明な面もあり安心は出来ないが、ひとまず
落ち着いたのは良かったといえる。」

T「日本市場はオリンピック関連株が総じて派手に買われる動きとなっており、中
小型株の関連株に関しては週末まで物色続いていた銘柄も少なくない。」

M「短期資金にすれば、格好のネタになったと言えるからな。」

T「ああ。外部要因落ち着いてきたといっても、世界中が注目している9月の米FOMC
を控えているだけに、実需の向きはまだ動きにくい。それだけに主力株を積極的に
買い向かいにくいという面もある。」

M「そんな中、オリンピックという格好の材料が出てきたんだ。そりゃ関連株に資
金も集まるよな。」

T「どう考えても買われすぎだろっていう関連株も目立っているが、短期資金にし
てみれば、そんな事はどうでも良く、値動きあれば買い向かってくる向き多い。」

M「ああ。それだけに逃げ遅れには注意すべきだが、派手に上げてくると空売り
多く入ってきて、それがまた物色材料となって更に買われるという動きも見られて
いる。」

T「好循環的に物色が続いていくという感じだな。」

M「ただ最後には必ず捕まって逃げ遅れる個人投資家も出てくるからな。そういう
事にならぬよう気をつけるべきだろう。」

T「短期資金中心で続いている相場へ参加するなら、同じように短期トレードで狙
っていくべきだからな。下手に中長期的になんて考えて参加すると、短期資金の受
け皿にされてしまう。」

M「その通りだ。まあ、週明けもFOMC前ということもあり関連株の循環物色はまだ
続きそうだけどな。」

T「いよいよ来週はFOMCだ。ある意味、歴史的なFOMCになると言う可能性もあるだ
けに、世界中が注目している。」

M「ああ。リーマンショック後から続けてきた、超金融緩和政策の転換点となる可
能性があるからな。」

T「既に市場では量的緩和縮小を決めるという見方が強まっている。」

M「ああ。金融政策の大きな方向転換といえるだろう。とは言っても、緩和状況は
続ける訳なんだが、規模縮小に動き出すということは、ある意味金融引き締め方向
に向かい始めたと言えるからな。」

T「規模や期限が決められていたQE1やQE2が終わるのとは訳が違う。Q3は無期限、
つまりオープンエンドで始められた緩和策だ。」

M「ああ。それだけにQE3が終わりに向かい始めるということは、長く続いた金融緩
和政策への終焉に繋がる事だといえるだろう。」

T「それだけにFRBも慎重なんだろうな。もう何ヶ月も前から、市場に織り込ますよ
うに、量的緩和縮小の可能性を何度も示唆してきた。」

M「最近発表されている経済指標には弱いモノも目立ってきているが、何ヶ月も前
から織り込ませてきただけに、このタイミングは逃したくないだろう。FRBとしては
・・・。」

T「だよな。それだけに来週のFOMCでは、量的緩和縮小に踏み切るとの見方が多い
。ただ縮小規模を小さくすると見られているけどな。」

M「それでアク抜けとなれば良いけどな。ただ、やはり弱い経済指標は懸念だけど
な。」

T「そうだよな。昨日発表された米小売売上高やミシガン大学消費者信頼感指数も
弱い数字となっている。」

M「ああ。それを嫌気し朝方米株売られる場面もあったんだが、下値も限定的で結
局戻す動きとなり、主要指数はいずれもプラスで引けている。」

T「弱い経済指標をうけ、量的緩和縮小規模が小さくなるとの見方に繋がったよう
だが・・・。」

M「そうだな。ただいつまでも、そんなことは買い材料にならないからな。やはり
米国株が力強く上げて行くには、米国経済の強さも必要となる。」

T「だよな。今後の金融政策を占う上で注目されているFRB議長人事問題だが、昨日
日経新聞がサマーズ氏で最終調整なんて報じた。」

M「早ければ来週後半にも発表する見通しだとの報道だが、米ホワイトハウスはこ
の報道を真っ向から否定した。」

T「ああ。それが昨晩の米国市場で言うほど懸念されなかった要因でもある。」

M「基本的にサマーズ氏になるようだと、マーケットは嫌気すると見られている。
量的緩和縮小ペースが速まるとか、終了時期が早まるなんて見方が多いからな。」

T「サマーズ氏は量的緩和政策の効果に関して疑問的な見方を示しているだけに、
タカ派として市場では認知されている面がある。」

M「ああ。マーケットが望んでいるのは現在FRB副議長のイエレンさんだ。彼女なら
バーナンキFRB議長の政策方針をそのまま受け継ぐと見られているため、ハト派とし
て市場で位置づけられている。」

T「でもオバマ大統領はサマーズ氏がお気に入りのようだからな。日経新聞が報じ
たことにより、FRB議長人事問題も本格的に意識されてくるようになるかもな。」

M「まあ、もともと9月中もしくは10月頭には次期FRB議長候補をオバマ大統領が指
名すると見られていた。それだけに目新しいことでもないが、日経新聞が報じたこ
とを気に、本格的に意識されてくる可能性は確かにある。」

T「次期FRB議長がサマーズ氏になるということは、まだ市場に織り込まれていない
と見る向きも多いようだ。それだけに、実際に誰が大統領から指名されるのか非常
に注目だ。」

M「そうだな。FOMCが通過した後は、市場の関心はFRB議長人事問題に移っていきそ
うだ。」

T「それが重しとならなければ良いけどな。」

M「とにかく、まずはFOMCだな。バーナンキFRB議長は量的緩和縮小を決めるのかど
うか、また決めるとすればどの程度縮小するのか・・・。」

T「ああ。その後のマーケットの反応も注目される。良い方向に向かえば良いけど
な。期待したいモンだ。」