◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/09/21(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も日本市場はしっかりと上昇した。」

M「ああ。先週はオリンピック招致成功をうけ大きく上昇しており、今週もポジテ
ィブ材料が出て値を伸ばした。」

T「そうだな。今週は複数の好材料が相場を押し上げた。一つは懸念となっていた
シリア問題だ。」

M「米国のシリアへの軍事介入懸念があったが、ロシアと米国がシリア化学兵器
棄に関して合意した。」

T「それにより米軍事介入への懸念が大きく後退したからな。それに次期FRB議長人
事問題だ。」

M「ああ。有力とされていたサマーズ元財務長官が候補から外すようオバマ大統領
に要請し、それをオバマ大統領が受け入れた。」

T「サマーズ氏はタカ派と市場からは見られているだけに、次期FRB議長になるよう
だと、量的緩和縮小が加速すると言う懸念があったからな。」

M「そうだな。サマーズ氏が辞退したことにより、次期FRB議長は現在の副議長であ
るイエレンさんが最有力候補になった。イエレンさんになれば、バーナンキFRB議長
と同じ政策をとっていくと見られている。」

T「ああ。市場では金融緩和に積極的なハト派と見られているからな。金融緩和状
態が長期化するという期待に繋がる。」

M「量的緩和縮小しても、縮小ペースはかなり緩やかなモノになると見られている
。」

T「まあ、実際に誰になるかは、まだ不透明だと言えるものの、とりあえずタカ派
として警戒されていたサマーズ氏が辞退した事は、マーケットには好感された。」

M「そして何と言っても今週のビックサプライズになったのがFOMCだ。」

T「ああ。今回のFOMCでは、量的緩和縮小が決定されるとの見方が大半だったから
な。」

M「縮小されても縮小規模はかなり小さくなるとの見方で、市場では既にそれを織
り込んでいた状況だ。」

T「ところがFOMCでは、量的緩和縮小が見送られた。米国経済の回復に自信が持て
ないと言うことが理由だが・・・。」

M「確かに最近発表された米経済指標には弱いモノが目立っていた。特にFRBが注目
している雇用統計が弱かったことが決め手になっているといえるだろう。」

T「9/6に発表された8月雇用統計は市場予測を下回る数字だったからな。しかも7月
分、6月分がそれぞれ下方修正されていた。」

M「失業率は低下したものの、労働参加率が1978年8月以来の低水準となっているこ
とからも、とても雇用が強く回復しているような状況ではなかった。」

T「そう考えれば、今回のFOMC量的緩和縮小が見送られるのも、うなずけるんだ
が・・・。」

M「ああ。ところがこの弱い雇用統計をうけても、市場の見解に大きな変化が現れ
なかった。量的緩和縮小は行われると言う見方が大半を占め、その代わり縮小規模
は小さくなるという見方をするエコノミストなど専門家が多かった。」

T「専門家なども今更、見通しを変えられないという事なのか、量的緩和縮小をど
うして、させたかったのか知らないが・・。。」

M「まあ恐らく市場は、既に量的緩和縮小をある程度織り込んでしまっていただけ
に、それを大きく変えるのには抵抗があった面もあるんだろう。」

T「確かに量的緩和縮小というシナリオでポジション組んでしまっているヘッジフ
ァンドや機関投資家も多いだろうからな。」

M「その通りだ。それに市場は既に量的緩和縮小を織り込んでいるだけに、FRBも量
的緩和縮小に踏み切るなら今しかないと言う見方もあったからな。」

T「まあ、市場が織り込んでいるならば、悪いことでも波乱要因にはなりにくい。」

M「ああ。市場がイヤがる量的緩和縮小をせっかく織り込んでいるんだ。やるなら
今でしょという感じで、FRBも決断するのではと言う見方も確かに多かった。」

T「そういったことなどが、エコノミストなど専門家が弱い雇用統計をうけても、
それほど見通しを変えなかった理由なのかもな。」

M「ところがFRBはそんな事、知ったこっちゃ無いと言わんばかりに、量的緩和縮小
にノーを突きつけた。」

T「金融政策は俺らが決めるんだ。市場が決めるんじゃない。といった感じで、ま
さに市場に振り回されない判断を下したと言うことか・・。」

M「まあそう言うことだろうな。バーナンキFRB議長はマーケットとの対話を大切に
するが、重要な決定にはマーケットには振り回されないという事だろう。」

T「とにかく量的緩和縮小見送りがサプライズとなり、米ダウやS&P500指数は史上
最高値を更新した。」

M「ところが、好感する動きも続いていない。翌日には買い止まったし、昨日なん
て大きく下げてしまった。」

T「量的緩和縮小見送りをうけ上昇した分を、殆ど吐き出してしまった格好だな。」

M「ああ。ダウなんてFOMC結果発表前の水準よりも下げてしまっている。」

T「量的緩和縮小見送りは好感されたものの、それにより今後のFRBの動向が不透明
になったという面が嫌気しているのか?」

M「それもあるんだろうけど、昨晩はセントルイス連銀総裁のブラード氏が、経済
動向次第では次回のFOMCでの量的緩和縮小もあり得るような事を発言した。それが
嫌気された面もあるようだ。」

T「まあ、市場にしてみれば確かに今回の量的緩和縮小見送りはポジティブサプラ
イズとなったんだが、それにより、いつ量的緩和縮小開始するんだという新たな不
透明感が浮上したことになるからな。」

M「確かにそうだな。ただそれは、縮小開始したとしても同じだろ。次回はいつ?
という不透明感が付きまとう事になる。」

T「まあな。」

M「昨日の米国市場の派手な下落は、そう言った不透明感から売られたという面も
あるんだろうけど、それ以外にも要因あるだろう。昨日の米国市場は日本でいうメ
ジャーSQだった。」

T「クアドルプル・ウィッチングって奴だな。株価指数先物、オプション、個別株
オプション、ストックオプションの4つの精算日だな。」

M「ああ。日本のSQのように全てが寄り付きで精算値が決まるという訳じゃないだ
けに、終日影響を受けることもある。」

T「なるほど。その影響も昨日はあった可能性もあるのか。」

M「多少だろうけどな。それにもう一つの懸念として、米国の債務上限問題が上げ
られる。」

T「来月にも米債務は上限に達し、それ以上の借り入れが出来なくなり、最悪米国
債はデフォルトになる恐れがあるってやつか・・・。」

M「ああ。それが昨日の米国市場では改めて意識された可能性もある。」

T「なるほど。とにかく米国市場がこのまま下落基調になっていくのか、それとも
単なる一服なのか週明けの動向が注目されるな。」

M「そうだな。幸いにも日本市場は月曜日は祝日だからな。しっかりと反発できれ
ば良いのだが・・・。」

T「ああ。期待したいモンだ。」