◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/10/05(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は派手に下落する展開となった。」

M「ああ。日経平均は今週だけで735円も下落してしまった。先月こつこつと上げて
きたんだが、下げるときはあっという間だな。」

T「そうだな。今週の波乱要因は何と言っても米国の政局不安だろう。」

M「ああ。依然として予算案が与野党まとまらず、ついに一部の政府機関が閉鎖さ
れてしまった。」

T「17年ぶりのことだそうだ。まさか、ここまで与野党歩み寄れないなんて想定外
だったと見る向きも多いようだ。」

M「まあギリギリまで揉めることは多くの市場関係者も想定はしていたんだが、確
かに政府機関閉鎖に追い込まれるとは・・・。」

T「しかも、それだけでは済まなくなっている。期限が迫ってきている債務上限問
題もここに来て意識されてきた。」

M「そうだな。どちらかと言えばそっちの方が重要だ。既に野党である共和党は、
予算問題と債務上限問題を抱きかかえて、与党である民主党に交渉しようとしてい
る。」

T「まあ、確かにここまで長引くと、例え予算案だけ解決しても、すぐに債務上限
問題が意識されてくる。」

M「逆はあるかもな。債務上限問題だけ先に合意し、上限引き上げておいて、予算
案で揉め続けると・・。」

T「それならとりあえず最悪の事態、つまり米国が債務不履行に陥ることは避けら
れる。」

M「ただ政府機関閉鎖は続くことになり、米国経済には徐々に悪影響が広がってく
るだろう。米国だけの問題ではない。既に外交問題にも悪影響が出てきている。」

T「だよな。オバマ大統領はAPEC首脳会議欠席を決めたし、議長を務める予定だっ
たTPP会合も欠席することになった。」

M「ああ。政府機関閉鎖がまだまだ長引くようだと、もっと色々な面で悪影響が出
てくるだろう。それにより米国に対する信任が著しく損なわれる事に繋がるだろう
な。」

T「だよな。ただ昨晩の米国市場は比較的にしっかりとしていた。予算案問題など
与野党協議に特に進展は見られていないが、週明けまで進展するのではという期
待もあったようだ。」

M「まあ、週末だけに買い戻しの動きもあるんだろう。それに昨晩、ベイナー下院
議長が米国をデフォルトさせるわけにはいかないと改めて表明した。これで過度な
懸念が後退したという面もあるかもな。」

T「ただ週明けになっても進展見られないようだと、再度懸念強まりそうだな。」

M「だろうな。それで真っ先に影響を受けるのが日本市場だからな。」

T「短期的な影響で済めば、まだ良いが、今回の米国政局不安によって米国経済が
減速していくようだと、日本への影響も大きくなる。」

M「ああ。今週発表されたISM非製造業景況指数は、ややショッキングといえる落ち
込みだった。ADP雇用統計も弱い数字となったし、政府発表の雇用統計は延期された
が、米国経済もなんか雲行き怪しくなってきている。」

T「政府機関閉鎖が長引くようだと、更に米国経済に水を差すことになり、日本経
済にも影響が出てくる恐れもあるだろう。」

M「今週、安倍首相は来年4月からの消費増税を正式に決定し表明した。それによる
景気落ち込みを和らげるため経済対策も打ち出すが、米国経済減速してくるようだ
と非常に懸念だ。」

T「だよな。消費税を増税するのも17年ぶり、米政府機関閉鎖も17年ぶり、なんか
大きなターニングポイントのようにも思えてくる。」

M「ターニングポイントになるかどうかは、政治次第だろう。日本も米国も・・・
。日本はしっかりとした経済対策を打ち出せるかどうか、米国は早急に政府機関を
再開し、債務上限問題を解決するか・・。」

T「つまり、日本も米国も正念場と言うことだろうな。」

M「そうだな。来週はとにかく米国の政局不安が後退するかどうかが注目される。」

T「来週になっても政府機関再開出来ず、債務上限問題も進まないようだと、かな
りヤバイ。」

M「債務上限問題の期限が17日と財務長官が明言しているが、実際、債務不履行
なるまでは、まだ日柄がある。ただ当然だが遅れれば遅れるほど、市場ではリスク
回避の動きが強まってしまう。」

T「日本は来週SQ週か・・・。なんか荒れそうな感じだけに、警戒したい。」

M「まあ大人しく推移する事はなさそうだな。結局は米国の予算案と債務上限問題
の行方次第と言えそうだが、どうせ荒れるなら上方向にと思っている向きは多い。」

T「とりあえず与野党で歩み寄りが見られるだけで、一旦は派手に戻しそうだ。」

M「来週末にはどういう状況になっているのか注目だな。」

T「ああ。期待したいモンだ。」