◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/10/19(土)発行

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「今週もしっかりとした展開だった。」

M「まあ、上値は重かったといえるが、先週大きく戻してきたからな。」

T「懸念視されていた米国のデフォルト懸念が無くなり、ようやく政府機関閉鎖も
解除された。」

M「そうだな。まあ、解っていたとはいえ、とりあえず一安心だな。」

T「先週後半辺りから、与野党で歩み寄りが見られてきて、進展してきただけに、
株価も解決を睨んで巻き戻しの動きが続いていた。それだけに与野党合意で出尽く
し的な動きも見られたんだが、その割には強かったといえる。」

M「ああ。米国市場が強い動きとなっていたからな。S&P500指数やナスダック指数
なんて共に年初来高値を更新だ。」

T「今回の財政問題で売られた分を全て取り戻し更に上げているという格好だ。」

M「そうだな。米国の財政問題がひとまず片付いたということで、市場の関心が企
業決算へとシフトしており、好決算も目立っている。」

T「昨晩の米国市場は企業の好決算が相場を押し上げた。グーグルが好決算をうけ
13.8%も爆上げしており、節目の1000ドル突破している。当然上場来高値だ。」

M「他にもGEやモルガンSなども決算発表受け買われており、投資家心理のプラスに
なっている。」

T「ただ全ての企業が好決算と言うわけでもない。先日発表されたIBMやゴールドマ
ンは決算失望で売られていた。」

M「しかし全体的にいえば、好決算の企業の方が断然多くなっている。既に決算発
表した企業でアナリスト予想を上回ったのは7割にも及ぶ。」

T「なるほど。となれば、来週も続々と主力企業の決算発表が相次ぐことから、相
場の押し上げ要因になるかもな。」

M「そうだな。それに何よりも米国には超金融緩和という強力な下支え要因もある
。つい先月までは量的緩和縮小が懸念されていたものの、今回の財政問題を巡るド
タバタ劇で、その懸念が完全に払拭されてしまった。」

T「そのようだな。今回のドタバタ劇で一部の政府機関が閉鎖され、米国経済には
間違いなく悪影響を与えたが、そのお陰で量的緩和縮小時期が大きく後退したと言
う見方に繋がっているからな。」

M「ああ。9月のFOMC量的緩和縮小に踏み切ると言う見方が大勢を占めていたんだ
が、実際には見送られた。それでも年内中に量的緩和縮小するという見方が大半だ
った。」

T「10月のFOMC量的緩和縮小に踏み切るって見方は少なかったが、12月のFOMC
踏み切ると言う見方が多かったからな。」

M「しかし、今回のドタバタにより、来年3月までは量的緩和縮小は無いと言う見方
が多くなっている。中には来年の夏くらいになるのではと言う見方まで出てきてい
る。」

T「それまでは毎月、今まで通りFRBは米国長期債などの買取を続けるって事だな。
つまり市中にマネーがバラまかれ続ける・・・。」

M「ああ。過剰流動性相場の復活だ。5月にバーナンキFRB議長が量的緩和縮小を匂
わす発言をしてきてから、投機筋などは量的緩和縮小を睨んで動いていた向きが多
い。」

T「しかし量的緩和縮小が当面先になったと見れば、再び過剰流動性相場を想定し
て動いてくると言うことか・・・。」

M「そう言う投機筋が増えてきても不思議はないだろう。年内中に縮小開始と言う
ことでは、日柄もないことから大きな動きの変化はないが、来年4月以降となれば話
も変わる。」

T「確かに・・・。そう考えると米国株は今後も強い展開続ける期待がある訳か。」

M「ああ。ただ来年には再び政局不安で波乱となる場面が出てくる恐れはあるけど
な。今回の財政問題与野党合意した暫定案だと、年明けには再びそれが警戒され
てくる。」

T「だろうな。暫定予算は1/15までだし、国債発行できるのは2/7までだ。当然その
時にはれば、再び与野党で揉めることは目に見えている。」

M「ただ、揉めれば揉めるほど、米国の量的緩和縮小は先延ばしになりやすい。そ
んな状況では金融緩和縮小なんて出来ないだろうからな。」

T「でも、揉めれば揉めるほど相場は波乱になりやすい。」

M「ただその波乱はある意味チャンスだろ。今回だってそうだった。投機筋にして
みれば、相場が大きく動くことはチャンスに繋がる。まして、その動きがある程度
解っているなら尚更だ。」

T「なるほど。確かにそうだな。」

M「しかし次回は米国債の格下げには注意が必要だろうな。今回、格付け機関大手
のフィッチが、米国債の見通しをクレジットウォッチに指定し、格下げの警告して
いる。」

T「次回も債務上限問題で揉めるようだと、格下げに踏み切る恐れがあるわけだな
。」

M「ああ。そうなると、ギリギリでデフォルト回避されても、更に波乱を巻き起こ
す恐れがある。2年前のように・・・。」

T「でも、格下げされて更に波乱になっても、それもまた一時的な問題だろ。」

M「恐らくな。格下げっていっても最上位から1段階下げるだけだろうし、それで米
国債を売りに動く向きは限定的だろう。他の大手格付け機関も追随するとやばいこ
とになるが・・。」

T「でもその可能性はほとんど無いだろ。」

M「ああ。S&Pは既に2年前に格下げしているし、現在見通しは安定的を維持してい
る。ムーディーズに関しては最上位格付けで見通しは安定的だ。しかもムーディー
ズは先日、向こう2年間はトリプルAから引き下げない見通しであることを明らかに
している。」

T「なるほど。ということは来年に再び財政問題で相場が波乱になっても、フィッ
チが格下げするかどうかで、相場の波乱の谷は深くなる恐れはあるが、最終的には
戻せる可能性が高いって訳だな。」

M「ああ。そう言った反乱が、量的緩和縮小を更に遅らせる。結果、過剰流動性
場の延長という形になるからな。」

T「日本市場も米国に追随して貰いたいモンだ。負けじと強力な金融緩和で・・。」

M「そうだな。とりあえず来週もしっかりとした展開続けられるか注目したい。」

T「ああ。期待したいモンだ。」