◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/11/16(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週はえらい強い1週間となったな。」

M「ああ。先週末には日経平均14000円割れも想定せざるを得ない状況だったが、
今週に入ってガラッと流れたが変わっている。」

T「SQを境に流れが変わることは良くあるが、こうもあからさまに変わるとは・・。」

M「そうだな。今週だけで日経平均は1079円も上昇した。上昇率で言えば、7.6%の
上昇だ。週間ベースでの上昇率は今年最大となった。」

T「TOPIXも大きく上昇したが、上昇率は5.3%にとどまっており、日経平均との乖
離が大きくなっている。」

M「日経平均TOPIXで割ったNT倍率は12.2倍まで上昇している。これは5月以来の
高水準だ。」

T「らしいな。5月の時はその後、日経平均が下落してNT倍率も低下していった。」

M「ああ。その前は4月にも、同レベルまでNT倍率が上昇したことがあるが、その
時はTOPIX日経平均以上に上げてきて、NT倍率は低下してきた。」

T「今回はどっちになるんだろうな。このまま更にNT倍率が上昇していくことは想
定しにくい。」

M「ああ。日経平均が下落するか、TOPIX日経平均に追いついてくるのか・・・。」

T「いずれにしろ日経平均の上昇も一服感出やすいと言うことだろう。」

M「だろうな。ザラバ中で言えば、5/23にNT倍率が12.4倍まで上昇した局面があっ
た。知っての通り、5/23は大暴落した日だ。」

T「更にNT倍率が上昇するようなことがあれば、反動的な下落も警戒する必要があ
りそうだな。」

M「ああ。今週の上昇は明らかに先物主導だ。手口を見ると最近は大人しかった手
口が大暴れしている。」

T「クレディスイスだな。ヘッジファンド御用達と言われる手口で、投機筋を多く
顧客に持つ。」

M「今回もヘッジファンドの仕業だろう。今週の日中だけで日経先物ラージを
15000枚近くも買い越している。13、14日のナイトセッションでも大量に買い越し
ており、クレディスイスは既に2万枚以上も買い持ちしている状況だ。」

T「TOPIX先物も買いまくっているんだろ。」

M「そうだな。今週だけで7000枚以上の買い越しだ。ただTOPIX先物に関しては、
もともと大量に売り持ちしていた事から、クレディスイス全体で言えば買い戻しと
言うことになる。」

T「ただクレディスイスの顧客は当然複数だろうから、売り持ちしていた顧客がい
て、その他の顧客が今週大量にTOPIX先物を買ってきたと言う可能性もあるわけだ
な。」

M「まあ、そうだな。いずれにしろ異常な買い方であり、その買い手は恐らくヘッ
ジファンドだけに警戒されるところだな。」

T「結局、仕掛け的な買いの可能性があるってわけか・・。」

M「ああ。間違いなく仕掛けだろう。今月5日から空売り規制が緩和されたが、そ
れ以来、日々の空売り比率が急上昇していた。つまり規制緩和になって、空売り
てくる向きが非常に増えたと言うことだ。」

T「それを意図的に踏み上げようとした先物買い仕掛けということもあるかもな。」

M「そうだな。買い仕掛けて成功する条件が結構揃っていた可能性もある。今週は
次期FRB議長に指名されているイエレン氏の公聴会が予定されていた事も、追い風
になることは想定できるだろう。」

T「まあ、どうせ金融緩和に積極的なハト派的な発言することは市場関係者の多く
が思っていた事だ。」

M「ああ。それに加えて米国市場の堅調さだ。派手さはないが、非常に強い展開を
続けており、先週まで日本株は蚊帳の外って感じだった。」

T「つまり日本株の出遅れ感が出ていた状況だな。」

M「ただ多くの投資家がそれを感じても、やはり積極的には買いにくい状況だった
と言えるだろう。特段、日本株を買う新たな材料があるわけでもないし、買い向か
うきっかけが無い状況だった。」

T「確かに・・・。」

M「それだけに動かず様子見していたり、もっと下がるのを待ってから買いに行こ
うと思っていた向きも多いかも知れない。」

T「そうだな。つまり買いのタイミングを探っていた向きも多かった状況だな。」

M「そんな状況の中、突如ヘッジファンドが仕掛けてきた訳だ。」

T「まあ、米国の量的緩和政策が長期化する可能性が出て来たことから、過剰流動
性相場を期待して海外勢が買いに来たという事らしいが・・。」

M「理由なんて後から何とでも付けられる。大袈裟な話、買い材料も売り材料もあ
るんだからな。買われれば、買い材料がクローズアップされるし、売られれば売り
材料がクローズアップされるだけだ。」

T「結局は需給と言う訳か・・。」

M「ああ。短期的な動きは需給が理由であることが多い。今回の急上昇は間違いな
ヘッジファンドが大量に先物を買い上がってきたことが要因だ。」

T「そのヘッジファンドが動いていなければ、恐らくこんな状況にはなっていない
と言うことだな。」

M「なっていないだろう。米国市場がしっかりだけに、日本株もある程度は戻して
いたとは思われるが、ここまで上昇していたとは到底思えない。」

T「為替もここまで円安に進行していなかったかも知れない。」

M「ああ。株が上げれば、それに伴って円も売られる。ヘッジファンドには株を買
ったら、円を売って買わせヘッジする向きも少なくないからな。」

T「つまり株価がここまで上げた事で、為替も円安へと振れてきたって事だな。」

M「ただ強引に買い上がるヘッジファンドが出て来たことで、買いのタイミングを
探っていた投資家達が動かざるを得なくなっている。」

T「確かに・・・。」

M「きっかけは、ヘッジファンドによる仕掛けだが、それによって実需の買いが強
まってくる可能性が出て来たわけだ。」

T「その動きが強まれば、例え今回仕掛けてきたヘッジファンド手仕舞いに動い
ても、強い相場が続いていくと言う可能性もあるわけだな。」

M「ああ。投機筋主導の上げから、実需筋主導の上げに転じられるかが、今後の焦
点になっていくだろう。」

T「米国市場もしっかりした展開続けているし、日本株もこれを機に上昇基調続け
ていって欲しいモンだな。」

M「そうだな。期待したいモンだ。」