◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/12/07(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は調整色見せた週だった。週間ベースでは4週間ぶりの下落となった。」

M「そうだな。まあ急ピッチに上昇してきただけに、ある意味良い一服になったと
言えそうだけどな。」

T「ああ。今週は日本だけでなく米国や欧州市場も調整気味となっている。米ダウ
は木曜日まで5日続落だからな。」

M「下落してきた要因として色々と言われているが、結局はヘッジファンドの手仕
舞いの動きだろう。週末に雇用統計を控えていたことや、ボルカールールへの警戒
感が強まったことがヘッジファンド手仕舞いに動かせた要因だろう。」

T「今週米国で発表された経済指標にはえらい強いモノが目立っており、早期テー
パリングへの警戒が強まっていたからな。週末の雇用統計も強ければ、最悪12月の
FOMCでテーパリングに踏み切るんじゃないかという懸念も言われ始めていた。」

M「ああ。またボルカールールへの警戒が強まったのは、3日にWSJが報じたためだ
。いつ決まるかも解らなかった状態ながら、12/10に最終案をまとめ承認すると報じ
られた。」

T「ボルカールールってリーマンショックをうけ、今後そのような事が起きないよ
う作られた法案だろ。銀行による自己勘定での投機的取引を禁止するなどが盛り込
まれているルールだな。」

M「そうだ。このルールは金融機関からの反対も多く、未だにまとまっておらず、
結構曖昧にされてきた。結局、廃案になるのではとの見方すら出ていたからな。」

T「でも今週突如、最終案がまとめ承認されるような事が報じられたわけだ。」

M「ああ。具体的な内容が果たしてどういったものに、なるのか不透明ながら結構
厳しい内容になるのではという警戒も強い。」

T「厳しいボルカールールになれば、ヘッジファンドへ流れる資金も大きく減るこ
とが想定されるわけか・・・。」

M「恐らくな。それだけに、その報道が一部のヘッジファンド手仕舞いに動かせ
た可能性がある。またそれに加えて、米テーパリングへの警戒も高まっていたし、
良い利食いのタイミングになったと言う感じだろう。」

T「でも、このボルカールール、来週10日に承認される見込みなんだろ。」

M「ああ。でも実際に実施されるのは、まだ結構先だ。再来年以降となる可能性も
ある。もちろん、その辺も含めてどういった内容になるのか、10日行われる会合で
まとめられる見込みだ。」

T「波乱要因にならなければ良いのだが・・・。」

M「そうだな。」

T「ところで注目された昨晩発表の米雇用統計はえらい強い数字となった。」

M「ああ。非農業部門雇用者数は前月比20万3000人増となり、市場予測を上回った
。失業率は市場予測より改善し7.0%となった。」

T「こりゃ早期テーパリングへの警戒強まっても不思議がない数字だな。」

M「労働参加率も改善しており、その割には失業率が改善しているからな。内容的
にもかなり良い雇用統計だったといえる。」

T「米長期金利も上昇したし、消費者マインドを示す経済指標のミシガン大学消費
者信頼感指数もえらい強い数字だった。」

M「でも米国市場は景気回復への期待から大きく上昇している。」

T「テーパリングへの警戒はどうしちゃったんだ??」

M「確かにもっとテーパリングへの警戒強まって、逆に米株売られても不思議はな
かったと言えるだろう。でも実際はそうなっていない。まあ事前に警戒感から売ら
れてきたと言うこともあるんだろうな。」

T「つまり悪材料出尽くしか・・。」

M「まあ悪材料とは言えないけどな。米景気は良くなっているんだし・・。ただ量
的緩和政策長期化で過剰流動性相場がまだまだ続くと期待した向きにしてみれば、
悪材料といえるのかもな。」

T「でも出尽くしでもないよな。まだFOMCが残っている。」

M「というか、この強い雇用統計を受けても、依然として次回のFOMCでテーパリン
グに踏み切ると見ている向きは少数派だ。それだけに言うほど市場も警戒していな
いとも言えるけどな。」

T「なるほど。来週、FRB幹部などによる要人発言は注目されそうだ。」

M「そうだな。12月のFOMCでテーパリングへ踏み切るという見方少ないとしても、
懸念が完全に払拭された訳じゃない。昨晩の米国株は好感された動きとなったが、
来週改めてテーパリングへの警戒が強まる懸念は拭えない。」

T「だろうな。もし12月に本当にテーパリングに踏み切ったらどうなるんだ?事前
に多少なりとも警戒高まることが想定されるだけに、悪材料出尽くしになるんだろ
うか・・。」

M「それまで、どの程度警戒され、株などがどの程度売られるかにもよるだろう。
基本的には出尽くしにはなりにくいと思うぞ。何だかんだ言っても12月FOMCでテー
パリングに踏み切ると思っている市場関係者は少ないんだからな。」

T「だよな。出来ればこのまま何事もなく年末を迎えたいモノだが・・。」

M「まあ日経先物もナイトセッションで随分と上昇して引けているし、取りあえず
週明けは大きく上昇し始まりそうだ。再び高値目指す展開になれば良いけどな。」

T「そうだな。とにかく来週、改めてテーパリングへの警戒強まるかが注目だな。
あとボルカールールの行方も見極めたい。」

M「日本では来週はメジャーSQもあるからな。イタズラしてくる投機筋が出てこな
ければ良いけどな。まあどういう展開になるのか注目しておきたい。」

T「ああ。期待したいモンだ。」