◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/01/11(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「年明け最初の1週間となる今週の相場は不安定な展開となった。」

M「ああ。日経平均大発会から大幅安となってしまい波乱の幕開けとなった。週
間ベースで見ても、今年最初の1週間は日経平均下落し終えている。」

T「TOPIXも小幅ながらも週間ベースでは下落した。年明け早々の動きが今年1年間
の相場の行方を左右するという見方もあるだけに幸先悪いが、内容的には懸念する
ほどでもなさそうだな。」

M「まあ、そうだな。個別株にはしっかりと買われている銘柄も結構多いし、主力
系株にも日経平均に逆行して買われていた銘柄も見られている。」

T「それに中小型株は比較的に強かったといえ、個人投資家による買いも結構入っ
ている様子だ。」

M「ああ。小型株指数は今週プラスで終えているし、東証2部指数、ジャスダック
平均も堅調だった。マザーズ指数は小幅ながらも今週上げている。」

T「それに海外勢の年金資金なども主力系株の一角にしっかりと入っていたようだ
。」

M「そうだな。毎年年明けになると、年金資金は動きやすくなり買いから入る事が
多い。そう言った買いが今年もしっかりと入っていたと言えるだろう。」

T「でも日経平均的には先物手仕舞い売りが出ていたようで、下落してしまった
という感じだな。」

M「ああ。昨年末へ向け、先物主導で日経平均は上げてきた面も強く、大納会まで
9連騰だったからな。」

T「先物を買ってきたのはヘッジファンドなど投機筋であり、一部の投機筋が年明
けから手仕舞いに動いてきて来たようだ。」

M「年末までは日経平均だけがやたらと強く、いびつな相場形成となっていたとい
えるが、今週はかなり是正されてきたと言えるだろう。」

T「ある意味、正常な相場になってきたと言うわけだな。そう考えれば今週の下落
もさほど気にする必要もなさそうだ。」

M「ああ。中長期の海外勢が買いに動いている訳だし、それだけまだまだ海外勢は
日本株への期待を持っている訳だからな。」

T「ヘッジファンドなどの投機筋の一部が手仕舞いに動いてきたのは、やはり米国
市場の影響もありそうだ。米国株も年明け早々下落しており、今週は軟調気味だっ
た。」

M「米国も昨年は強い展開で、12月相場も強く年末へ向け、ダウ、S&P500指数は史
上最高値を更新し続けた。それだけに年明けは手仕舞い売りから入った向き多かっ
たようだ。」

T「米長期金利は年末には3%台まで乗せていたし、今週末には雇用統計発表も控え
ていたこともあり、年明けから取りあえず手仕舞いしてきた向きも多いんだろう。」

M「まあ米国にしても手仕舞いしているは短期資金が中心だろう。」

T「だろうな。下げたと言っても、派手に下落したわけでもない。年末へ向け上げ
た分を考えれば、今年から下げた分なんて大した事無い。」

M「ああ。ただ昨日発表された米雇用統計にはヒヤッとしたけどな。」

T「だよな。雇用者数は7万4000人増と目を疑うような数字が出てきたからな。」

M「市場予測は約20万人増だ。20万人を上回る予想をしていたエコノミストも少な
くない。」

T「しかも失業率が6.7%と前回7.0%から大幅に改善している。市場予測は7.0%だっ
た。」

M「労働参加率が低下しており、それが失業率低下に繋がったといえ、良くない失
業率低下だ。」

T「この発表をうけ、為替はドル売り一色となりドル円円高進行し、日経先物
ナイトセッションで派手に売られた。」

M「でも米国株は波乱という状況にはなっておらず、プラスで始まっていたからな
。寄り後は売られたものの、下値も限定的で売り一巡後は下げ渋り、引けにかけて
は買われて終えている。」

T「ああ。ダウは小幅にマイナスで引けたものの、ナスダック指数、S&P500指数は
小幅高で引けた。」

M「雇用統計の弱さは、一部地域の寒波による悪天候が大きく影響していると言う
見方だ。その影響で雇用統計数の伸びを最大で10万人押し下げたと言う見方もある
。」

T「なるほど。それだけに過度に懸念することもなく、あくまでも特殊要因による
落ち込みで、一時的な悪化と言う見方だな。」

M「ああ。11月分の雇用者数は大幅に上方修正されているし、米国の雇用情勢は引
き続き改善へ向かっていると言えるだろう。少なくとも、雇用情勢の流れが大きく
変わったとは今回の雇用統計では言えない。」

T「でも、寒波による悪天候が影響しているって、エコノミストは誰一人それを想
定していなかったんだろ。」

M「だろうな。予想平均が約20万人増っていうんだから。寒波による悪天候が影響
しているならば、来月発表される1月雇用統計も当然その影響が出てくるよな。」

T「だよな。となれば、次回発表の雇用統計も参考にはならないってことになる。」

M「ああ。弱い数字でも寒波による悪天候が影響していると受け止められるだろう
からな。」

T「そうなると、正確な雇用情勢を把握するのは暫く難しいと言うことにもなる。」

M「そんな状況で、FRBはどういう政策を次回のFOMCで打ち出すのか見物だな。市場
では次回のFOMCでも100億ドルの緩和縮小に踏み切るという見方が多い。」

T「そうだな。あとは今後発表される別の経済指標も参考にされるかもな。」

M「いずれにしろ今回の雇用統計をうけ次回のFOMCへ向け色々と思惑が交錯しそう
だ。」

T「確かに・・・。先行きに不透明感が強まった面は多少あるからな。幾ら特殊要
因により一時的な雇用落ち込みだとはいえ。」

M「そうだな。この雇用統計をうけ米株は底堅かったが、ドルは売られており、ド
ル円は1ドル104円辺りで終えている。雇用統計発表前には105円台乗せていたからな
。」

T「でも、このまま円高へ行くとは思えないけどな。」

M「確かにそうだ。米国が再び金融緩和拡大に逆戻りしてくるとは思えないし、縮
小傾向には変わりはない。それだけにドル売りも限定的だろう。」

T「現状投機筋が結構円売りポジション抱えているだけに、雇用統計をうけ手仕舞
いに動いた向きも多いんだろう。」

M「だろうな。まあ、来週も不安定な相場展開はなりそうだが、今週同様に個別株
には強い買いが継続する期待はありそうだ。」

T「そうだな。今回の米雇用統計が、中長期資金の投資判断を大きく変えるには至
らないだろうからな。」

M「ああ。期待したいモンだ。」