◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/01/18(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も不安定な相場展開となった。連休明けにはいきなり派手に下落し、日経
平均は節目の15500円も割り込んだからな。」

M「ああ。連休中の米国市場が派手に下落し、為替も円高へと大きく進行した。先
週末の米雇用統計が驚くほど弱い数字になったことや、本格化する企業決算への警
戒感も意識された。」

T「そうだな。先週末の米国株は弱い雇用統計を受けても大して下げなかったんだ
が、週明けの月曜日に派手に下げてしまった。」

M「ゴールドマンが米株に対して弱気な見解を示したことも大きく影響している。
S&P500種のバリュエーションについて、ほぼあらゆる基準から見て非常に高いと指
摘した。」

T「全く余計な見解示したモンだよ。そんなこと言われれば、高値圏にある米株は
手仕舞いに動く向き増えるのは当然だ。」

M「一転してリスクオフの動きとなったからな。その流れは日本市場でも見られ、
寄り後も派手に売り込まれ、その日の日経平均は500円近い下落となった。」

T「一気に先行き不安が強まったものの、翌日には派手に反発した。」

M「ああ。火曜日の米国株があっさりと反発したからな。米小売売上高が良かった
ことや、JPモルガンなどの企業決算も良く、更に今週決算発表予定だったインテル
が格上げされた。」

T「それらにより、過度な不安感が一気に後退したようだ。」

M「木曜日には日経平均も16000円に迫る場面もあったんだが、その日は結局売られ
、昨日も日経平均下落し中途半端な状況で今週を終えた。」

T「週間ベースでは2週連続で下落だな。日経平均TOPIXも・・・。」

M「ああ。ただTOPIXの下落は小幅にとどまっており、年末の水準からは大して下げ
ていない。」

T「そうだな。日経平均だけが弱いという印象だ。東証2部指数やマザーズ指数、日
ジャスダック平均は年明け以降しっかり上昇している。つまり中小型株は総じて
しっかりと言っても良い状況だ。」

M「ああ。日経平均寄与度の大きな銘柄に売られている銘柄が目立っている。市場
では一部のヘッジファンドが、それら銘柄の手仕舞いに動いているという見方だ。」

T「そのようだな。昨年末まで、日経先物と、寄与度が大きなファストリなどの個
別株を一緒に買い上がっていたヘッジファンドも居るようで、その手仕舞いが年明
け以降続いているとの話だ。」

M「昨日発表された先週の投資主体別売買動向では、海外投資家が11週ぶりに売り
越している。」

T「そうだな。特に先物の売越額が大きくなっており、先物買っていたヘッジファ
ンドがやはり手仕舞いに来ていることが明白だ。」

M「現物株の売越額は言うほど多くはないことから、恐らく買い手も居るんだろう
。中長期の海外投資家には、年明け以降日本株を買いに来ている向きも多い。ただ
、それ以上にヘッジファンドなどの投機筋が売っており上値を抑えている格好だ。」

T「個人投資家は大幅な買い越しとなっている。やはりNISA口座による買いや、昨
年までの節税売りの買い直し的な動きが出ているようだ。」

M「昨年、個人投資家は売りまくっていたからな。待機資金と言われるMRFの昨年末
残高は11兆円以上もある。11月末から比較しても1兆円以上増加した。」

T「それだけ個人投資家は12月も日本株を売っていたと言うことだな。」

M「ああ。今後はその待機資金が市場に入ってくる事が想定される。全部は戻って
こないだろうけど、結構な額が入ってくるのは間違いないだろう。」

T「だろうな。それだけに個人投資家による買いはまだまだ継続する期待はありそ
うだ。」

M「昨日、設定された投信は、かなりの資金を集めたようだし、今後も投信経由で
個人投資家の資金が市場に戻ってくる期待は強い。」

T「ああ。それが日本株を支えるという期待もありそうだ。ただ個人投資家の買い
だけでは、なかなか上値を追う展開にはなりにくいだろうな。」

M「まあ、新興市場など中小型株などは個人投資家の買いだけでも上げていくこと
は可能だが、やはり主力株や大型株は限定的だろう。でも海外勢が皆売っている訳
でもないからな。」

T「確かに足の長い資金、いわゆる中長期資金は買っているようだし、あくまでも
投機的なヘッジファンド手仕舞いに動いている格好だ。」

M「ただ、まだ結構な買いポジション抱えているヘッジファンドも居るようだし、
それを全て手仕舞いに来るようだと、非常に懸念だ。」

T「現状では、あくまでも一部のヘッジファンドによる手仕舞いという感じだが、
確かに多くのヘッジファンド手仕舞いに動くようだとやっかいだな。」

M「やはり米国株の動向が大きな鍵となりそうだ。米国株弱くなるようならば、手
仕舞いに動く投機筋が増えてきて、それで連鎖的に手仕舞いに動く向きが増えてし
まう。」

T「来週は米企業の決算発表が更に増えてくる。」

M「恐らく内容的にはまちまちになりそうだ。昨晩もそうだったが、良い決算発表
する企業もあれば、期待に届かない決算発表する企業もある。」

T「そうだな。昨日はモルガンSやアメリカンエキスプレスの決算は良かったが、イ
ンテル、GEの決算は良くなく売られている。来週も、まちまちになりやすいと言う
ことか・・。」

M「ああ。それだけに地合的には方向感は出にくいかもな。個別に買われたり売ら
れたりする流れが中心になりそうだ。」

T「となると日本株も来週は方向感出にくい展開になりそうだな。」

M「日本でも企業決算発表が始まるし、業績観測報道も増えてくる。それだけに、
決算絡みで個別物色の展開になるんじゃないのか。」

T「だろうな。好決算銘柄は買われ、そうじゃない決算銘柄は売られるって訳だな
。ただ日本の場合、好決算の方が多くなるという期待もあるだろ。」

M「そうだが、好決算期待が強い銘柄は既に結構買われており、出尽くしという恐
れもあり得るだろう。」

T「出尽くし的な動きが強まるようだと、投資家心理的に積極的には買いにくくな
るよな。」

M「ああ。好決算で改めて中長期資金が買い向かってくれば面白いんだが・・・。」

T「とにかく来週の展開が注目だな。日米市場共に・・・。」

M「そうだな。期待したいモンだ。」