◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/04/12(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は波乱的な展開となった。先週しっかりだっただけに期待もされたんだが
・・。」

M「結局、3月とまるで同じような展開となってしまった。月初は買われ、買い一巡
後は、買われた以上に売られてしまう。」

T「ああ。正確には日銀金融政策決定会合まで期待から買われるも、会合後は失望
的に売られるという展開だ。」

M「今週行われた日銀金融政策決定会合では、想定通りの金融政策は現状維持だっ
たが、注目された黒田日銀総裁の会見が失望されてしまった。」

T「そうだな。早期の追加緩和への期待が市場は強いだけに、それを匂わす発言で
も出てくるかと期待したいんだが・・・。」

M「3月の会合後の会見で話した内容と、ほぼ同じであり、改めて現状では追加緩和
が必要だと思っていないと明言した。」

T「がっかりだよな。そう思っていても、上手く濁らすとか、そういう発言も出来
たはずだ。」

M「確かに・・・。もっとマーケットに優しい発言をして欲しかった。」

T「日銀短観で今回初めて調査された企業の物価見通しに関しても、えらい前向き
な捉え方をしていたのは驚いた。」

M「ああ。企業調査で1年後の物価見通しは平均で1.5%程度だったが、日銀が目標と
している2%には届かないと言う結果だった。それだけに市場も追加緩和への期待が
事前に高まってきた面もあるだろう。」

T「そうだな。それだけに会合の記者会見で、黒田日銀総裁がそのことに関してど
う発言するのか注目されていたからな。」

M「黒田日銀総裁はそれに関して、企業の見通しは、市場関係者やエコノミスト
見方より高い物価見通しになっていると発言した。」

T「つまり前向き受け止めたってわけだな。」

M「ああ。今後、足下の見通しより物価上昇率は高まっていくとの見解を示してお
り、目標達成へ自信が伺える。」

T「消費増税の落ち込みに関しても、夏以降は改善していくと強気な見通しを示し
ている。」

M「これらの発言聞く限り、当面追加緩和はないなと受け止められてしまう。中に
は、追加緩和なんてもうしないんじゃないかと言う見方も出てきている位だ。」

T「今回からライブで会見が報じられるようになったが、それがまた逆効果になっ
ている面もあるようだな。」

M「ああ。今まではダイジェストや、報道の文章でしか伝えられなかったが、今回
から多くの市場関係者が全部見ることが出来た。それにより、黒田日銀総裁の表情
や、答え方など細かい面が伝わるようになった。」

T「黒田日銀総裁は随分と景気や物価上昇に自信を示しており、緊張感も乏しかっ
た印象だ。笑顔を見せる場面も結構あったからな。」

M「それにより、早期追加緩和なんて期待できないと受け止めた市場関係者は今ま
で以上に多かったと言えるだろう。前回と言っている内容は殆ど同じだが。」

T「それが、その後の株価下落と円高に繋がっていると言える。」

M「そうだな。まあ、タイミング悪いことに、それに加えて米国株の大幅安も日本
株売りに拍車をかけてしまったが・・。」

T「確かに米国株も心配だな。調整色濃厚となっており、昨日も大きく売られてし
まった。」

M「朝方発表されたJPモルガンの決算が市場予測下回り、金融株への売りに繋がっ
ている。またそれにより、更に企業決算への警戒が強まった感じだ。」

T「米企業決算発表は来週から更に本格化するからな。」

M「ああ。それに引き続きモメンタム株と言われるグロース株などが売られており
、ナスダック指数は節目の4000ポイントを割り込んで引けた。これは2月以来の事だ
。」

T「企業決算発表が本格化することから、業績では説明できないような水準まで買
われてきた銘柄にはヘッジファンド手仕舞い売りが出ているようだ。」

M「そのようだな。逆に業績の割に割安感あるような銘柄に見直し買いが入ってい
る。」

T「つまりグロース株からバリュー株へと資金がシフトしてきている格好なのかも
な。」

M「それだけリスクが取りにくくなっている証拠ともいえる。やはり地合悪いとき
はバリュー株の方が売られにくいし、売られても比較的に底堅い。それにいずれは
戻すという期待がある。」

T「ただグロース株は、業績では説明できないほど買われている銘柄も多く、地合
悪化で大きく崩れやすい。しかも、地合が再び良くなっても株価がもとに戻せるか
は不透明だ。」

M「ああ。今の米国はそう言う状況になってきていると言えるのかもな。」

T「そうだな。」

M「ただ、結局のところ、単純にヘッジファンドが5月の決算期を前に手仕舞いに動
いているってことだろうけど・・。」

T「確かに5月決算期というヘッジファンドは非常に多い。それが結構前倒し的に出
てきているという訳か・・。」

M「それに来週末からイースター休暇入りという影響もあるだろう。」

T「復活祭か・・。去年は3月末だったな。」

M「ああ。今年はヘッジファンドの5月決算期に近いことで、例年以上にヘッジファ
ンドの手仕舞い売りが強まった可能性もある。」

T「まあ、根本的にはやはり、米国量的緩和縮小が影響しているんだろうけどな。


M「そうだな。早くも量的緩和政策終了後の金融引き締めも意識され始めているか
らな。」

T「まあ、今週のFOMC議事録で、金融引き締めはまだ当面先だと言う見方が強まっ
たものの、量的緩和政策終了は今年秋だと言う見方には変わりないからな。」

M「来週もまだ手仕舞い売りは続く恐れはあり、日本株への影響も警戒される。」

T「そうだな。」

M「ただ来週は日本株は下げ渋りも見せてくるだろう。これ以上の株価下落を政府
も容認出来ないだろうし・・。」

T「株安は何だかんだ言っても、景気に悪影響に繋がるからな。まして消費増税
景気落ち込みやすい状況だけに・・。」

M「景気だけでなく物価上昇率にも影響が出てくることになる。それだけに更に株
安続くようなら、何らかのアクションが出てくるという可能性もあるだろう。」

T「まあ、期待したいモンだが・・。」

M「取りあえず来週はリバウンド局面もありそうだが、それでどこまで戻せるかだ
な。期待したいモンだ。」