◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/05/03(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は日経平均、揉み合いだったといえる。

M「そうだな。週明けは外部要因で派手に下げたものの、その後は戻す動きとなっ
ている。」

T「ただゴールデンウィーク中ともいえ、参加者乏しく閑散相場だった。」

M「ある意味、閑散に売りなしというような相場だったな。売り込む動き乏しく、
下げないから売り方の買い戻して、戻したという印象だ。」

T「注目された30日の日銀会合も無事通過した。想定通りの結果だったが、問題は
それにより仕掛け的な動きが出るかどうかだったからな。」

M「ああ。目立った動きは見られなかった。それによりも今週はダウがついに年初
来高値となる史上最高値を更新してきた。これが今週の日本株にとっても大きい。」

T「そうだな。4ヶ月ぶりの更新で、投資家心理改善に繋がり、日本株にも追い風に
なったといえる。」

M「日本株は、このまま戻り相場になっていけば良いのだが、まだまだ安心できる
状況じゃない。」

T「確かに・・・。企業決算は連休明けも続々と出てくるし、積極的には買いにく
い展開が続く可能性はありそうだ。」

M「ああ。それだけに引き続き、外部要因頼みとなりそうだな。」

T「注目の米雇用統計が昨晩発表された。事前に期待度が高まっており、ハードル
はかなり上がっていたんだが、それでも想定外の強さとなったな。」

M「ああ。非農業者部門雇用者数が市場予測21万人程度だったものの、出された数
字は28万8000人増となった。」

T「もともとブレの大きな指標だが、こうも大きくブレるとインパクトも強い。そ
れに失業率がえらい低下しており、更に驚きを与えた。」

M「そうだな。前回の6.7%から一気に0.4%も減り、6.3%となった。これは5年半ぶり
の低水準だ。それに2月、3月分の雇用者数がそれぞれ上方修正された。」

T「2月、3月、4月と雇用者数増減は20万人を越えることになった。3ヶ月連続で20
万人増を越えるのは、えらい久しぶりのことだ。」

M「ああ。ただ内容はまだまだ楽観視できる状態ではない。雇用者数増えている割
に労働参加率が前回より低下し、昨年12月以来の低水準となっている。」

T「それが失業率の低下に繋がっている面もあるようだな。」

M「ああ。ようは職探しを諦めてしまった人が多く、労働人口が減少しており、そ
れが失業率の低下に繋がっている。」

T「あまり良くなく低下だな。」

M「それに賃金があまり上がっていないのも気掛かりだ。」

T「でも米景気は着実に拡大しているとは言えるだろ。」

M「そうだな。1-3月には寒波による影響があったとはいえ、米景気落ち込みは一時
的になる期待はあるだろう。雇用は着実に増えているし、基本的には昨日の雇用統
計は好感できる。」

T「数字の良さほどは楽観視は出来ないが、取りあえずは好感できる雇用統計だっ
たと言うことだな。」

M「ああ。ただ市場の反応は限定的だったな。発表直後は日経先物やドルが吹き上
がったものの、一時的だった。」

T「そうだな。やはり表面的な数字が強すぎるという警戒もあった感じだ。つまり
金融引き締めへの意識が強まるのではという懸念だ。」

M「ただ米長期金利の上昇は限定的だった。金融引き締めが意識されれば、もっと
上昇しても不思議はない。それに最終的には米長期金利は昨晩下落して終わってい
るからな。」

T「ああ。この動きを見る限り、さほど金融引き締めへの意識は高まっていない感
じだ。」

M「米国株は朝方こそ雇用統計好感して買われていたが上値も限定的だった。やは
り雇用統計は内容的に楽観は出来ないという見方も強いし、それに高値圏というこ
とも上値追いに慎重になっている。」

T「何よりもウクライナ情勢問題も影響しているだろう。」

M「そうだな。昨日はウクライナ情勢が一段と緊迫化しており、週末要因も手伝っ
て米国株は結局下落し終えている。」

T「ウクライナでは、親ロシア派の武装集団と、ウクライナ軍の衝突が激しさを増
している。それによる死者も増えてきた。」

M「ああ。昨日の米国株はそれが重しとなった面が強いだろうな。週末だし、週明
けまで事態が更に悪化している懸念が意識されたんだろう。」

T「これでロシア軍が介入してきたりすると、更に大変なことになる。」

M「ウクライナは今月25日に大統領選を控えている。それを巡って混乱は更に悪化
する恐れもあり警戒だな。」

T「そうだな。取りあえず週末更に事態が悪化しなければ、週明けの米国市場は改
めて雇用統計を好感という動きになるかも知れない。」

M「そうなればまだ良いが、大きく続落するようなことになるとやっかいだ。」

T「確かに・・・。昨日の雇用統計で、買われていかないとなると、確かにやっか
いだな。昨日の下落はまだ許容できるが。」

M「ああ。強い雇用統計をうけ、米国株が再び強さを取り戻してくるのかが重要だ。」

T「米株は高値圏といっても、ナスダック指数は高値から結構下げている格好だ。
それにモメンタム株には依然として調整色強めている銘柄も少なくない。」

M「まあ、ナスダック指数やモメンタム株は、先行して強く上げていたと言うこと
もあるからな。ある意味、米ダウが主要3指数の中では一番出遅れていた。」

T「確かにダウはつい先日、昨年末の高値をようやく超えたからな。S&P500指数や
ナスダック指数はもっと早く昨年末の水準を超えているが・・・。」

M「ただナスダック指数は現状は昨年末水準を下回っている状況だ。これを機に、
ナスダック指数が再び強さ取り戻してくれば良いのだが、逆にダウ高値更新により
達成感強まり、全体的に調整してくるような動きになるとやっかいだ。」

T「そう言う意味でも週明けの米国市場は注目だな。」

M「ああ。期待したいモンだ。」