◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/05/10(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は連休明けとなり3営業日しかなかったが、先週末比では随分と下げてしま
った。」

M「まあ、下げたのは連休明けの7日だけだが・・・。日本が連休中の米国市場軟調
気味だったからな。」

T「そうだな。今月は1日に派手に上昇しただけに期待もされたものの、そんな上昇
あっさりと吐き出してしまった。やはり、まだまだ買い意欲が強まっていない様子
だ。」

M「商いも依然として低調だし、確かに積極的に買おうという向きが乏しい印象だ
。米国の経済指標は悪くはないんだが、米国株もいまいち上値の重さが続いている
。」

T「でも、ダウは史上最高値更新するなど、日本株と比べれば全然強い。」

M「ただ米国株でもネット株などいわゆるモメンタム株には依然として弱い銘柄も
目立っている。まあ、昨日は反発も見られていたが・・・。」

T「確かに米国株でも総じて強いと言うわけではない。強い銘柄弱い銘柄と別れて
おり、それが投資家心理がいまいち強気になれない要因だろう。」

M「そうだな。それだけに日本株を積極的に買おうとする海外勢も乏しいと言うこ
となんだろうな。米国株がもっと強くならないと、日本株に海外勢の買いが回って
こない感じだ。」

T「企業決算が相次いで発表されているが、想定はしていたものの、やはり今期見
通しは保守的な企業が目立つ。」

M「本当に保守的なのか、それとも実際今期は厳しくなるのか、判断難しい状況だ
ともいえる。それだけに、取りあえず4-6月期の決算を確認するまでは動きにくいと
いう声も聞かれた。」

T「4-6月期は消費増税の影響もあり、落ち込みが警戒されている面もあるからな。
言うほど落ち込まなければ見直されて行きそうだが・・・。」

M「ただ米国経済などは4-6月期は堅調が想定されている。それで日本企業も国内の
落ち込みを補えれば良いのだが・・・。」

T「そうだな。それが確認できれば、日本株の見直し買いが強まってくる期待もあ
りそうだ。」

M「ただ、それが確認できるまでは、まだ日柄がある。約3ヶ月後だろ。まあ、大体
1ヶ月前辺りには、ある程度4-6月期の業績も見えてくるだけに、あと2ヶ月くらいか
・・。」

T「来月末辺りまで、今のような方向感乏しい展開が続く恐れもありそうだ。」

M「期待されるとすれば、来月明らかになる予定の成長戦略だが、目新しい内容に
なるのかどうか・・・。」

T「そうだな。それにより海外勢の日本株買いが強まるかは微妙にも思える。」

M「かなり大胆に踏み込んだ内容にしないと、改めて好感する動きには確かになら
ない可能性はあるだろうな。」

T「あと期待されるとすれば、日銀による追加緩和だが、最近の黒田日銀総裁の発
言を聞く限り、早期の追加緩和期待はかなり乏しい印象だ。」

M「既に市場はそう感じているだろう。」

T「ああ。だから期待もしないだろうし、積極的にも買いにくい。」

M「ただ株価が下げていくようならば、日銀も考えざるを得なくなる可能性がある
。政府が煽りそうだし、実際に追加緩和やらずとも、黒田日銀総裁ハト派寄りに
変わってくるという期待はある。」

T「催促相場のように、もっと株価が下落しないと日銀も動かないと言うことか・
・・。」

M「そうかもな。ただ、そうだからといって安易に売り込むのもリスキーだろうな
。米国株が本格的に調整してくれば別だが、そうでないなら、突如日本株が息を吹
き返すという展開もあり得る。」

T「でも、その為にはきっかけが必要だろ。日本株を買う材料が・・。」

M「そんなモンは後から付いてくるモンだ。例えばヘッジファンド辺りが突如先物
主導でも良いから、買い仕掛け的な動きをしてくれば、それを機に見直し買いが強
まる期待もあるだろう。」

T「そうなると売り方の買い戻しも巻き込みそうだな。」

M「ああ。空売り比率は依然として高水準な状態が続いている。それだけに空売り
ポジション、いわゆるショートポジションは積み上がってきていると言える。」

T「何かのきっかけで上昇していくことになれば、買い戻しを余儀なくされ、それ
が更なる買いエネルギーに繋がると言うことだな。」

M「昨年の11月に突如動意付いて来たときのような展開が、再びいきなり起こって
も不思議ではない。」

T「昨年11月の時は、英大手のヘッジファンドが日経先物を大量に買い始めたこと
が、きっかけと言われている。そう言う向きが再び現れてくれば、確かに面白くな
りそうだ。」

M「ああ。そもそも今の日本株が依然として割高という状況でもないわけだ。もっ
と上昇しても説明は付くんだ。それだけに上げてくれば見直し買いが強まってきて
も不思議はない。」

T「結局、日本株を見直すきっかけになるのは、企業業績やら政策やらと言うこと
ではなく、単純に株価の上昇なのかも知れないな。」

M「ああ。上昇してくれば持たざるリスクも意識されるし、買い意欲が自然と沸い
て来るモンだ。株価の上昇自体が一番のきっかけになるんだ。」

T「それだけに、そのきっかけを作る投資家でも投機家でも出てくれば良いけどな
。」

M「投機筋にしても今、売り仕掛けするより、買い仕掛けする方が面白そうな状況
だけどな。」

T「確かに・・・。まあヘッジファンドは今月は中間決算期と言うところも多いだ
けに、動きにくい面もあるかも知れないが、超短期勝負で動いてくる向きが出てく
れば面白い。」

M「それはあまり関係ないだろう。昨年11月だってヘッジファンドは本決算期とい
う所も多かったんだ。」

T「確かにそうだな。取りあえず来週、どういう相場展開を見せるのか注目だな。
期待したいモンだ。」