◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/05/31(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週もしっかりとした展開だったといえる。」

M「ああ。先週から流れが変わり戻してくる展開となっていたが、今週もその流れ
は継続しており、単なるリバウンドとは言えなくなっている。」

T「そうだな。相場付きが変わったといえ、先行き期待も強まってきた。」

M「懸念されたウクライナ大統領選も無事通過し、その後も大した混乱もない。ま
ウクライナ内部では依然として親ロシア派武装勢力が揉めているものの限定的だ
。」

T「もはやウクライナを口にする市場関係者もあまりいなくなってきたし、このま
ま懸念は消えていけばいいけどな。」

M「そうだな。ロシアも大人しくなってきたし問題ないだろう。」

T「欧米市場が今週も堅調だったことも日本株に追い風となっている。S&P500指数
は史上最高値を更新したし、ダウも昨晩最高値更新だ。」

M「ああ。米国株の重しとなっていたネット株などのモメンタム株の売りが既に出
尽くしたかのように、戻り基調となってきたことも大きいだろう。」

T「そうだな。日本株は3月頃からはどちらと言えば、米国のモメンタム株の動向に
影響を受けていたかのような相場展開だったからな。」

M「ああ。それが切り返してきたことにより、日本株も切り返しやすくなったとい
えるかもな。特に新興市場の上昇には目を見張るモノがある。」

T「確かに・・。一部の新興銘柄をみると一時の新興バブルを彷彿させるような動
きともいえる。」

M「マザーズ指数は9連騰しており勢いも付いてきている格好だ。商いも膨らんでき
ているし悪くない動きだ。」

T「何よりも海外勢が新興市場株を買ってきていると言うのが良いよな。先週の投
資主体別売買動向見ると、マザーズ市場に関しては海外勢は5週ぶりの買い越しとな
っている。」

M「そうだな。一方の個人投資家は先週今年度初の売り越しだった。それまで個人
投資家はマザーズ市場では買い越しを10週程度続けていたんだが、その間株価は下
落基調だった。」

T「ああ。それがようやく戻り基調になってきたことで、個人投資家は戻り売りや
利食い売りに転じてきたんだろう。」

M「買い続けてきて下がり続けてきたマザーズ銘柄で、個人投資家がようやく日の
目を見ることになるかもな。」

T「恐らく今週も海外勢は買い越しで個人投資家は売り越しだろうな。」

M「来週以降、もし相場が下げてきたとしても、個人投資家押し目買い意欲は恐
らくかなり強いモノになりそうだ。」

T「だろうな。先週や今週、利食いや戻り売りした向きが下げてきたところでは、
また買い向かうだろうからな。」

M「新興市場が強くなれば、個人投資家の心理が良くなり、それが東証1部へも波及
し、全体的に地合が良くなってくると言う期待もある。」

T「新興市場物色が、東証1部の小型株物色に波及して来るという期待もあり、それ
が徐々に主力株にも見直し買いが強まってくることに繋がる。」

M「問題はやはり海外勢の動向だろう。幾ら個人投資家の心理が良くなっても、海
外勢が売り姿勢なら、再び心理悪化していってしまう。やはり海外勢には逆らえな
い。」

T「海外勢がしっかり買い越しを続けてくるかどうかだな。海外勢は買い戻しが中
心だと言う見方もあり、そうそう続かないとの声も少なくない。」

M「ああ。それだけに来週の動向が注目されるだろう。単なる買い戻しなら、そろ
そろ尽きる。つまり株価の上昇も止まることになる。」

T「来週も強い展開続けられれば、単なる買い戻しだけでなく、見直し買いも入っ
てきたと言えるかも知れないからな。」

M「商いが徐々に増えてくれば尚更だ。」

T「そうだな。ただ来週は米国で経済指標も多く、週末には雇用統計を控えている
。それに欧州では注目のECB理事会が行われる。」

M「いずれも相場の流れを変える可能性があるイベントだな。特に今回のECB理事会
は追加緩和が想定されているからな。」

T「前回の会合で、ドラギECB総裁が追加緩和を示唆したことで、為替市場ではユー
ロ売りが継続している。それだけに今回の会合でユーロの動きが大きく変化する可
能性もあるからな。」

M「ああ。ここ1ヶ月、為替市場ではユーロが主役だったといえ、ドル円相場はある
意味、膠着相場だったと言える。日本株上昇しても為替が付いてこれない動きとな
っていた。」

T「ここから更に日本株上げて行くには、はやり円安という手助けも必要だとの見
方も多い。ECB理事会通過で、ドル円相場が膠着相場から抜け出せれば良いけどな。


M「まあ、円高方向へ抜け出されても困るけどな。」

T「今は、世界的に低金利状態となっており、米長期金利も下落基調だ。それが円
の下げ渋りに繋がっている面もある。更に米長期金利低下してしまえば、金利差縮
小で円高要因となってしまう。」

M「そうだな。来週のECB理事会、そして米雇用統計により、その流れにも変化が出
てくる可能性があるだろう。世界的な低金利の流れに拍車をかけるのか、それとも
逆流していくのか非常に重要だ。」

T「ああ。日本株に良い方向に変わってくれば良いけどな。期待したいモンだ。」