◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/10/18(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「日経平均は今週も波乱的な展開となった。」

M「ああ。下落が今週も止まらず4週連続の下落となった。米国株や欧州株も下げ止
まらず、米ダウは木曜日まで6日続落だ。」

T「欧州景気の減速懸念が強まっており、それに拍車をかけるようにエボラ問題だ
。」

M「そうだな。今週は米国で2人目となる2次感染者が確認されたことでエボラ感染
の拡大懸念が意識された。」

T「エボラ関連株は米国でも日本でも暴騰する場面見せていたからな。ただ、市場
全体にはリスク回避の大きな要因となった。」

M「昨日はスペインで4人の感染の疑いが報じられていた。その内の1人には3次感染
の疑いがあり、もし感染していれば西アフリカ以外では初めてとなる。」

T「ただ結局、その4人は陰性だった。」

M「ああ。陽線なら再びエボラショックとなっても不思議がなかったが、陰性との
ことで昨晩の欧米市場ではエボラ懸念は後退していた。」

T「エボラ懸念などで昨日の日本株も弱く、ほぼ直近の安値圏で今週を終えている
。」

M「一昨晩のナイトセッションでは日経先物14400円割れまであったが、日中では
14500円は割り込んでいない。ただ昨日の引けが弱かっただけに懸念されたが、週明
けは何とか反発しそうだな。」

T「ああ。欧米株は昨晩派手に上昇している。」

M「欧州では朝方にクーレECB理事が、資産購入に言及した。これが思惑を呼び、買
い戻しの動きや押し目買いに繋がった。」

T「いよいよ株安を阻止しに来た感じだな。欧米もこれ以上の株安は当然容認でき
ないだろうし、色々と口先介入も増えてきそうだ。」

M「ああ。それに昨日発表された米企業の決算が良かったことも安心感に繋がって
いる。昨日は世界最大のコングロマリットであるGEが好決算発表した。」

T「グローバル企業だけにGEの好決算により、世界景気減速懸念が和らいだ感じだ
な。」

M「ああ。それに米経済指標も良かったと言える。米9月住宅着工や米10月ミシガン
大学消費者信頼感指数はいずれも市場予測を上回った。」

T「これらが欧州市場にも好影響となり、ドイツ、イタリア市場は主要指数が3%超
の大幅高となった。フランス、オランダも3%近く上昇している。」

M「欧州株の大幅上昇は米国市場にも安心感に繋がり、米ダウは一時300ドル超の上
昇となる場面も見られた。」

T「ようやく底打ち感出てきそうだな。」

M「そうだな。まだ不安定な動きは続きそうだが、峠は越した可能性はありそうだ
。怖いのはエボラの新たな感染だけどな。」

T「ああ。ただ2次感染止まりであれば、更に感染者が米国などで出ても、それほど
懸念視されないと言う可能性もあるだろう。」

M「確かにそうだ。もちろん2次感染者でも新たに出てくれば、その時は嫌気される
が、一時的となる期待はある。」

T「エボラ問題は、徐々に落ち着いていけば良いけどな。」

M「そうだな。ファンド勢などによる換金売りもピークは越えた可能性あるからな。
大きく下落してきたWTI原油先物は今週1バレル80ドルを割り込む場面も見られた。」

T「投機筋は原油先物でかなり痛手を受けているようであり、それが株式市場など
の換金売りに繋がっていた面もあるからな。」

M「ああ。ただ今週原油先物は投げ売り的な動きとなっており、ある意味セリング
クライマックス的な動きを見せた。その後は下げ渋っており、ヘッジファンドなど
の投機筋による投げも一巡した可能性がある。」

T「ただ昨日の日本株の弱さ見ると、まだ海外勢の売りが出ている印象だ。トヨタ
など自動車などえらい弱い動きだ。」

M「そうだな。ただ変化も見られる。昨日の日本市場ではディフェンシブといえる
医薬品や食料品株の弱さが目立っていた。それに今まで底堅さ見せていたオリエン
タルランドや良品計画の下落も目立った。」

T「オリエンタルランドなんて珍しく大きく下げている。これほどの下落は当分
無かった銘柄だ。」

M「ああ。ある意味、こういった銘柄にも売りが出てきたということは、いよいよ
売りも終焉に近いことを意味している可能性がある。」

T「確かにそうだな。世界景気に影響受けやすい銘柄は先に売られやすく、ディフ
ェンシブ性がある銘柄は最後まで抱えている可能性は確かにある。それらも売られ
てきたと言うことは確かに終焉も近いと言えるかもな。」

M「ある意味、昨日の欧米株が大きく反発したのも、そう言った換金売りが一巡し
たことが背景にあるとも言えるだろう。」

T「まあ、換金売り強まっているときは好材料が出ても反応は限定的となりやすく
、結局売られるってことは多々あるからな。」

M「素直に好材料に反応して上げたと言うことは、それだけ売り圧力も乏しくなっ
てきている証拠だ。」

T「シカゴ日経先物はドル建ては14905円で、円建てでも14880円で引けている。週
明けは爆上げスタートが想定されるが、問題は買い一巡後だよな。」

M「値を保てるのか、上げ幅縮小するのか注目だな。」

T「当然戻り売りも出るだろうし、今週の下落で発生した追い証絡みの売りも出る
恐れはある。でも、買い手も来週は増えてくると期待したいモンだ。」

M「今朝の日経新聞では公的年金を運用するGPIFネタが報じられている。国内株式
の投資比率を現状の12%から20%台半ばまで引き上げる方向で調整に入ったと・・。」

T「20%台半ばって・・。最初は18~20%に引き上げることが言われており、その後、
20%超となって、今度は20%台半ばかよ・・・。」

M「ここに来て放り込んできたな。8月に一時波乱相場となった時もGPIFなどの材料
が放り込まれ切り返す要因となった。」

T「政府も株安はこのまま容認出来ないと言うことだろうな。明らかに株価対策の
ために意図的に放り込んできた印象だ。」

M「当然そうだろう。もしかしたらリークするタイミングを計っていた可能性すら
あるだろう。欧米株が大きく反発し、底打ち感見せたところで放り込んできた可能
性もある。」

T「そうだな。せっかくの材料だけに、投資家心理最悪の時に放り込んでも無駄撃
ちになる恐れもあるからな。」

M「ああ。これを受け週明け海外勢の動向が注目だな。」

T「来週は大幅反発に期待したいモンだ。」