◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2015/03/21(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も日本市場は堅調だった。」

M「ああ。先週末に日経平均は19000円台乗せてきたが、今週は一度も19000円割り込むこともなく、逆に19500円台まで乗せて来た。」

T「日経平均2万円という節目がいよいよという水準まで迫ってきたな。」

M「そうだな。本当に年度末までに2万円達成もあり得るという水準まで来たといえ
る。もちろん、年度末まで2万円ということ自体に意味は無いが、年度末は節目の時
期だし、2万円も節目だからな。」

T「ああ。その節目に到達することにより投資家心理的な影響はあるだろう。ただ
そこで天井になってしまうのでは良くないが・・・。」

M「当然、達成感は警戒されるだろうな。そこまでの到達ピッチが早ければ早いほ
ど・・。」

T「だよな。でも日経平均2万円というのは確かに節目であり、15年ぶりの高値水準
となるのだが、あの頃の日経平均と今の日経平均は構成銘柄が大きく違うため、正
直別モンだけどな。」

M「そうだな。15年前の日経平均にはソフトバンクも入ってなければファーストリ
テイリングも入っていない。確かに全くの別物だ。」

T「それだけに、過去と比べても意味はないが・・・。」

M「ただ日経平均が2万円達成することにより、マスコミは大々的に取り上げるだろ
う。普段株式ニュースなど取り上げないようなニュース番組や報道番組でも取り上
げるに違いない。」

T「まあ、それはそれで話題性があるからな。15年ぶりの2万円って・・。」

M「雑誌などでも取り上げるところも増えるだろう。それにより株をやらない人達
にも、否応なくその話題が入ってくることになる。」

T「ああ。そうなると株式投資をやる人が増えてくる期待もあるわけだな。」

M「その通りだ。また過去に株式投資をやっていたが損してやめていた向きも非常
に多い。そう言う人達が再び市場に戻ってくるという効果も期待できる。」

T「確かにそうだな。マスコミなどでは株で儲けた人達が取り上げられたりもする
だろうし、株式投資をしていない人達に刺激を与えるのは確かだ。」

M「ああ。今株式投資をやらなければ損だなんて意識になる人が増えるようだと、
貯蓄から投資へという流れが強まってくる期待もある。」

T「そう言う人達が市場に増えてくれば、当然日本株には追い風になりそうだな。」

M「ああ。2万円到達で一時的に達成感が見られたとしても、その後そう言う資金が
市場に入ってきて、株高要因になっていく期待はあるだろう。そう考えれば2万円到
達で天井と言うことにはなりにくいだろうけどな。」

T「まあ、いずれにしろ日経平均は15年ぶりの高値水準だが、TOPIXはまだまだ出遅れている。ある意味、TOPIXの方が市場の実態を示していると言えるわけだし・・・。」

M「ああ。TOPIXは2007年の高値1800ポイント台までも、まだまだ遠い水準だ。ただ
企業業績は過去最高益を叩き出す企業も非常に多く、日本株はまだまだ上値余地はあると言えるだろう。」

T「そう考えれば、今からでも十分妙味はあると言うことになるわけだな。」

M「現在投資をしていない向きや、日本株をまだ買っていない海外勢が、そう言っ
た目線で買いに来てくれると面白い。」

T「史上最高値水準となっている米国株やドイツ株、英国株などと比べまだまだ日
本株は出遅れているからな。」

M「出遅れていた大きな理由がやはり上場企業経営陣の投資家に対する姿勢だろう
。最近はROEを意識する上場企業が非常に増えてきている。」

T「そうだな。ROEとは株主資本利益率で、株主資本でどれだけの利益を生み出して
いるのかを示す指標だな。」

M「ああ。ROEとはReturn on Equityの略だ。株主資本とは投資家が出資した資金と
、その企業が今まで事業で上げた利益を蓄積してきた資金の合計だ。」

T「つまり稼いで蓄積した資金、つまり内部留保が多い企業は当然株主資本が増え
ることになる。株主資本が大きくなれば、今まで以上の利益を上げていかないとROE
はどんどん下がってくることになる。」

M「ROEとは当期純利益÷株主資本で求められるからな。純利益が毎年変わらない場合、株主資本が大きくなればなるほど、ROEは低くなる。」

T「つまり毎年同じ利益を上げていても、それを蓄積していたのでは内部留保が毎
年増え、株主資本が大きくなり、ROEが下がっていく。」

M「ROEを高めるには、如何に利益を増やすかだが、それに加えて稼いだ資金を如何に新たな利益に結びつけるかによる。」

T「ROEを高める手っ取り早い方法として株主資本を減らす、つまり内部留保を減ら
すって方法がある。」

M「ああ。利益はなかなか短期間では大きく増やすのは難しいため、株主資本を減
らしてきている日本企業が増えている。取りあえずROEを高めるために・・。」

T「それが株式還元策に繋がっているということだな。」

M「ああ。内部留保の資金で自己株取得をしたり、配当増やしたりしているんだ。


T「そういった上場企業の意識の高まりが、投資家に好感されてきていると言うこ
とだな。」

M「そうだな。ある意味、ROEというのは投資家のためにどれだけ企業が頑張ってい
るのか、成果を出しているのかという指標だといえる。それだけに海外投資家は非
常にそのROEを意識する。」

T「日本株が今まで出遅れていたのは、ROEへの企業経営者の意識が乏しかったと言うことだな。」

M「そう言う見方が多い。まだまだ日本企業は他の先進国の企業と比べROEが低い。
日本市場の平均ROEは欧米にはほど遠い。ただここに来て日本の上場企業はこぞってROEを高めようとしてきている。」

T「将来的に欧米に追いつくような状況になると仮定すれば、日本株へ投資する妙
味は欧米より大きいとも言えるよな。」

M「その通りだ。そう言った見方が海外投資家にもっと広がれば、日本株の出遅れ
が是正されていく期待があるだろう。」

T「なるほど。昨日の米国株はしっかり上昇し、ナスダック指数は3/2以来となる50
00ポイント台に乗せてきた。二度と越えられないと言われていたITバブル時に付け
ていた史上最高値が再び射程圏になっている。」

M「ああ。日本株の史上最高値は日経平均TOPIXも80年代後半のバブル期に付けており、現状ではとても届く水準ではないが、いずれ越えていくことを期待したいモ
ンだ。」

T「そうだな。企業の株主への意識改革でまだまだ日本株が飛躍していくことを期
待したいモンだ。」

M「取りあえず来週もしっかりとした相場展開続くのか注目だな。」

T「ああ。期待したい。」