◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2015/05/09(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は2営業日しかなかったが、先週末比では下落した。」

M「ああ。連休明けは波乱含みの動きとなったものの、昨日はしっかりと反発した
ため市場も落ち着いた印象だ。」

T「そうだな。一昨日の夜間取引では日経先物19040円まで下落する場面もあった。」

M「19000円割れるんじゃないかという様な雰囲気だった。ただその後、売り込まれ
ていたドイツなどの国債や株が切り返す動きとなり、米株高も手伝ってプラスに戻
している。」

T「取りあえず夜間取引とはいえ19000円付近まで下落したことでアク抜け的な動き
になった面もあるかもな。ある意味、達成感みたいな・・。」

M「どうだろうな。結局は外部要因で動いている事だし、たまたま日経先物その水
準まで売られたときに外部懸念が後退したという印象だ。」

T「いずれにしろ株売り国債売りユーロ買い戻しという逆流状況は一服した。これ
でリスクオフの動きが終われば良いけどな。」

M「そうだな。4月上旬まで強かったドイツ株が4月上旬に天井を付け調整してきた
が、既に1ヶ月経つんだよな。そう考えれば確かに底打ち感が出てきても不思議はな
いかも知れない。」

T「ああ。ここから1~2ヶ月かけて高値付近まで戻していくという展開になっても
不思議はない。」

M「まあ、欧州株売りに一服感が出てくる期待は確かにあるが、ただまだギリシャ
問題があるからな。」

T「そうだな。来週にはギリシャ支援を協議する財務相会合もあるし、12日にはIMF
への支払いもある。」

M「無事払えればひとまず安心感に繋がるが、もし払えないようなことになれば、
波乱となる懸念も否めない。」

T「ただ今の状況でギリシャ懸念が大きく後退してくれれば、更に投資家心理は良
くなり買い安心感に繋がりそうだ。」

M「まあ、米国での注目されたイベントである雇用統計を無事通過できたからな。」

T「ああ。せっかく落ち込んでいた投資家心理がそれにより改善してきたんだ。こ
こでギリシャ問題で水を差されたくないよな。」

M「昨日発表された米雇用統計は非農業部門雇用者数が+22.3万人となり、ほぼ市場予測通りとなった。」

T「ああ。失業率は5.4%で市場予測に一致した。」

M「前回の雇用統計の雇用者数は想定を大きく下回る数字で悪かっただけに過度な景気減速懸念が後退した格好だ。」

T「前回分は今回下方修正されており、更に低下し8万5000人となっている。ただ
今回分が再び20万人越えとなり回復したことで、結局前回の悪化は天候など特殊要
因が影響した可能性がありそうだ。」

M「ああ。それで景気減速懸念後退に繋がったんだろう。それに強すぎない数字だ
ったことも良かったといえる。市場予測を大きく上回るような強い数字となれば、
逆に早期利上げ懸念に繋がった恐れもあるからな。」

T「まさに市場にとってちょうど良い数字が出たって事か・・・。」

M「ああ。過度な景気減速懸念が後退し、且つ早期利上げ懸念にも繋がらない結果
になったといえるかもな。」

T「それをうけ昨日の米国株は爆上げしている。ダウは再び節目の18000ドル台まで
戻しているし、ナスダック指数も5000ポイント台回復した。史上最高値奪取も再び
意識される水準になってきたといえるだろう。」

M「そうだな。米国株はドイツや日本株と比べれば今年出遅れているからな。ここ
に来て米国株が強くなってくれば、日本株などにも追い風となる。」

T「ああ。そうなっていくような展開に期待したいモンだ。」

M「ただ先日にはイエレンFRB議長が米国株に割高感があるような見解示しており、
果たして上値を更に買い上がっていく向きがどれだけ居るかどうか・・・。」

T「確かに・・・。上値では手仕舞い売りも出やすくなる恐れもあるかもな。しか
しイエレンFRB議長は何でそんなことを言ったんだろうな。」

M「実際にそういう意味で言ったんでは無いだろうけど、市場がそう受け止めるこ
とはある程度は想定できたはずだ。それでもあえて、そういった言い方をしたのは
、やはり牽制的な面もあるんだろう。」

T「過度な株高に対する牽制か・・・。」

M「ああ。それに加えて、利上げへのショックを和らげるため布石を打ってきたと
いう可能性もある。」

T「でも6月利上げの可能性はかなり乏しいだろ。」

M「そうだな。6月は無いだろうな。ただ9月の利上げの可能性は大いにある。まだ
先だが、今頃から市場に9月利上げを織り込ませていこうとしているのかも知れない
。」

T「なるほど。今くらいから徐々に利上げを認識させ、出来るだけ利上げショック
を和らげようとしていると言うことか。」

M「ああ。市場に9月利上げ説が全くないような状況で、突如そのような可能性を示
せば市場はショックで波乱となる。そうならないように、9月利上げ説を消させぬよ
う、釘を刺してきたと言うことだ。」

T「まあ市場では年内の利上げはないのではなんて見方も増えてきていたからな。」

M「ああ。そういった過度な楽観論を消したかったんじゃないのか。もちろんイエ
レンFRB議長の中で既に9月に利上げと言うことを決めている訳ではないだろうけど
、その可能性も考慮して市場に釘刺してきたと言うことだろう。」

T「確かにそうかもな。徐々に市場に利上げに対しての免疫を付けていけば、実際
に利上げする際にショックとならない期待もある。」

M「逆にアク抜けとなる可能性すらあるだろう。利上げまで利上げを織り込んでし
まえば・・・。」

T「まあ、利上げする事が、必ずしも株価下落に繋がることではないからな。」

M「もちろんそうだ。裏を返せば利上げできるほど、米国経済が良くなっていると
いうことだ。」

T「過去には利上げ続けている状況で株価も上昇続けた事もあるからな。利上げイ
コール株価上昇できないという事ではない。」

M「まあ取りあえず来週米国株の強さが戻ってくるのか見物だな。」

T「そうだな。それに欧州でのギリシャ問題の行方も注目だ。無事通過できれば良
いけどな。期待したいモンだ。」