◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2015/05/30(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も日本市場はしっかりの展開だった。日経平均は記録的な連勝となってお
り、今週も下げ無しだ。」

M「ああ。日経平均11連騰か・・・。1988年2月の連騰記録13以来の事だな。約27年
ぶりとなる。」

T「東証1部の時価総額は過去最高値だったバブル期を越えてきた。」

M「それに為替だ。今週日本株が強かった要因にやはり円安進行が上げられる。
アベノミクス始まって以来の円安水準となっており、ドルは対円で上離れた格好
だ。」

T「かなり急ピッチだったよな。先週末の1ドル121円台から124円台までだからな。


M「まあブレイクした格好だけに、ドル売りのストップロスもかなり発生し円安に
拍車をかけたんだろう。仕掛け的にブレイクされた面もありそうだが・・・。」

T「いずれにしろ急速な円安をうけ、海外勢による日本株買いにも拍車がかかった
ようだな。」

M「ああ。今期保守的な業績予想を出している企業も多いが、円安更に進んだこと
で、更に保守的になってしまった感じだからな。つまり上ブレ余地が広がった。」

T「それにより日本株を見直すきっかけとなった面もあるんだろう。もちろん、円
安が全ての企業の業績を押し上げるわけでもないけどな。」

M「逆に重しとなる企業だってある。ただやはり円安となれば日本株買いという印
象も強く、そういうポジション取る投機筋も多いからな。」

T「円売りに日本株買いポジションだな。」

M「ただ現状の動き見ると単に海外の投機筋だけによる買いとも言えないだろう。
当然投機筋による影響は大きい。ただそれ以外にも、例えば中長期的な海外資金も入ってきていると言えるだろうな。」

T「だろうな。商いも増えているし乗り遅れまいと買いに動いた海外投資家も多そ
うだ。」

M「一方で今週は欧米株が軟調気味だった。まあそんな状況でも日本株上げている
んだから尚更強いと言える。」

T「米国株は先週末のイエレンFRB議長発言を受け再び利上げが意識されている事が重しとなっているようだな。」

M「だろうな。まあ早期利上げ懸念強まったわけではないんだが、年内利上げ発言
をうけ、改めて利上げに対する警戒感が意識された面があるだろう。」

T「それに夏8月後半に毎年行われるジャクソンホールでの経済シンポジウムにイエ
レンFRB議長は欠席する事を明らかにしている。」

M「ああ。このシンポジウムでFRB議長など中銀総裁が講演を行うのが恒例ともなっ
ており、過去には何度かこの講演で金融政策に関する重要な発言をFRB議長がしている。それだけに注目度が非常に高い講演だ。」

T「それなのに欠席って・・・。」

M「明確な理由は明らかにしていない。それだけに市場では憶測が飛び交っている
。9月利上げする予定だけに、その準備で忙しいためとか、9月利上げ前に公の前で
発言すると市場が勝手に色々と推測し混乱を与えるためとか・・。」

T「いずれにしろ9月利上げ濃厚になったと見る向きが多い感じだな。」

M「ああ。今後出される米経済指標がそれなりに減速せず順調ならば、9月利上げ濃厚と言えるかも知れない。」

T「それを市場が意識してきたという訳か・・・。それが今週ドル買い円売りに繋
がった要因の一つなのかもな。」

M「当然大きな要因の一つだろう。ただ単純にドル買いによる円安とは言えない。
円売りによる円安とも言える動きだけに、米利上げ懸念だけが円安要因ではない。」

T「となると日銀追加緩和期待もあるということか。」

M「あるだろうな。秋には追加緩和という見方が非常に多い。あとは需給的な要因
も強いだろう。」

T「そういや投機筋が円売りポジション急速に積み上げているな。」

M「ああ。投機筋による円売りポジションは最近まで大きく減っていた。逆にいえ
ば、それだけ円売りポジションを再び積み上げる余力があるというわけだ。」

T「なるほど。」

M「あとはやはり公的年金などの海外投資増加による円売りドル買い要因もあるだ
ろう。」

T「いずれにしろ円売りドル買いの需給は旺盛だという訳か・・・。」

M「ただギリシャ債務問題はやはり懸念だな。昨晩の欧米市場でもそれが嫌気され
売られている。ドイツDAX指数なんて2%以上の下落だ。」

T「IMFのラガルド専務理事がギリシャのユーロ離脱に言及したようだな。」

M「ただそれに関しては報道ミスのようで、訂正されている。いずれにしろ、それ
だけ市場はギリシャ問題へ警戒を高めているといえるだろう。」

T「ギリシャ問題に関しては報道が錯綜しており、来週も色々な報道で振り回さそ
うだ。」

M「そうだな。更にギリシャ懸念が強まれば、日本株にもさすがに影響が出てきそ
うだが、逆にそれを望んでいる向きも多いようだ。」

T「相場を冷やすという意味でか・・・。」

M「ああ。あまり勢い付きすぎると反動は必ず来るからな。今週中国株が暴落した
ように・・・。」

T「そうだな。上海市場はかなり過熱して上昇続けていたからな。日本株と違い一
日の上げ幅がかなり大きかった。」

M「木曜日には上海総合指数が6.5%も下げており、昨日も一時4%下げる場面も見ら
れている。こうなると中国株は暫く調整はやむを得ないだろう。」

T「幸いなのが、中国株の大幅安に日本株がさほど影響を受けなかったことだ。ま
あ影響は見られたが軽微だった。」

M「それだけ投資家心理が良いということだろう。」

T「そうだな。取りあえず来週ギリシャ問題がどうなるのか注目だな。来週末には
IMFへの支払期日が到来するだけに、それまでに支援まとまれば良いのだが・・・。


M「厳しいかも知れないが、来週の展開を見守りたい。」

T「ああ。期待したいモンだ。」