◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2015/07/18(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は日本市場しっかりと反発する展開で、日経平均5連騰だ。」

M「ああ。今週は下げ無しだな。しかも先週派手に下げた分を、全て取り戻してし
まった。」

T「先週はギリシャ懸念に加え、中国懸念まで強まって派手に売られ日経平均は場
中19000円に迫る場面もあったからな。」

M「えらい波乱な展開だったが、今週はうって変わって終始堅調な1週間だったとい
える。」

T「ようやくギリシャ問題が進展し、支援再開で合意に至った。ギリシャの国民投
票後は、ギリシャのチプラス首相がかなり譲歩する格好となった。まるで別人のよ
うだ。」

M「ああ。国民投票やるまでは、譲歩する姿勢は見せておらず強行的な行動や言動
を見せていたが、国民投票で反対多数という結果が出ると、何故か態度を一変させ
た。」

T「欧州連合が以前要求した内容に非常に近い改革案を提示してきたからな。」

M「結局、国民投票でチプラス首相の地位を強固にしただけという印象だ。それだ
け国民の支持を得ていると言うことを証明した国民投票だといえる。」

T「でも国民が納得しないだろう。多数がノーに投票したのに、結局欧州連合の要
求する緊縮策を受け入れるんだからな。」

M「確かにそうだな。国民投票でチプラス首相の高支持は確認できたが、結局は緊
縮受け入れるんだから、支持率も低下してしまうだろうしな。」

T「結果的に支持率下がるなら、何故、最初から欧州連合の要求する緊縮策を受け
入れなかったのか・・・。国民投票などやらずに・・。」

M「だよな。反緊縮派として政権獲っただけにギリギリまで欧州連合の要求は飲め
ないという面もあるのかもな。」

T「単純に与党内を整理したかったんじゃないのか・・。」

M「いずれにしろ政治的な面が非常に強いと言うことだ。そんなことにギリシャ
民や株式市場など世界のマーケットが振り回されたことになる。」

T「ただ結局、いずれまたギリシャ懸念が出てくる可能性は高そうだな。」

M「そうだな。ただひとまず今回は凌いだといえ、暫くは落ち着くだろう。」

T「もう一つの懸念だった中国問題も、ひとまず株安は止まった格好で過度な懸念
は後退している。」

M「ああ。中国株安の影響が実経済に悪影響が出てくるとすれば、それが明らかに
なるのに時間がかかる。それだけに、これで中国懸念はなくなったとは言えないけ
どな。」

T「そうだな。株安にしても完全に底打ちしたとも言えないだろうしな。まだ売買
停止中の銘柄も多いし・・・。」

M「ただ中国当局は本気で株安を止めに動いているだけに、短期的に底割れして更
に大きく下げていく懸念は乏しいだろう。ただ中長期的に下げていくという恐れは
否めない。」

T「確かに・・・。中国景気減速続けば中長期的な株安への恐れも当然出てくるか
らな。」

M「あとは中国政府が政策などで景気減速を食い止められるかどうかだろう。今週
は4-6月期GDPが発表されたが、1-3月期と変わらずの前年同期比+7.0%だった。」

T「市場予測は上回ったものの、政策期待は後退してしまった。」

M「そうだな。逆に弱い数字が出た方が、政策期待強まったんだけどな。ただこの
数字自体を疑う向きは非常に多い。」

T「だろうな。他の経済指標などからも、4-6月期の+7%はあり得ないとの専門家の
見方もある。」

M「日本も中国経済の影響は大きく受けるからな。中国で事業展開している日本企
業も多いし、それに訪日中国人の急増で恩恵を受けているからな。」

T「取りあえず中国株安の影響は見られていない。まあすぐには影響でないだろう
けどな。」

M「ああ。既に夏休みなどの日本への旅行などは予約済みだろうし、影響出てくる
とすれば、夏以降だろう。」

T「だろうな。秋の大型連休である国慶節には、影響出てくるかもな。今回の株安
の悪影響が出てくるならその時期だろう。」

M「とにかく、今回のギリシャと中国懸念はひとまず落ち着いてくると見て良いか
もな。夏の間は・・・。」

T「ああ。これからは企業決算発表が相次いで出てくる為、市場の関心はそっちへ
と移っていきそうだ。」

M「既に米国では決算発表シーズンが本格化しているが、結構良いスタートを切っ
ているといえるだろう。」

T「そうだな。好決算も目立っており、米国株高に繋がっている。ナスダック指数
なんて史上最高値を更新しているからな。」

M「日本の企業決算で好調さが確認されれば、再び強い動きになっていくという期
待はあるが、既にある程度は期待されているだけに、期待以上の好決算相次ぐかは疑問もある。」

T「確かに・・・。」

M「それだけに決算悪くなくても、株価が高値圏なら出尽くし的に売られてしまう
という銘柄も多くなる恐れはあるだろう。」

T「そうかもな。夏休みシーズンだけに手仕舞いして夏休み入りするという向きも
多くなるかも。」

M「ただ外部懸念が後退したことから、慌てて売り急ぐ必要もないだろうし、夏休
み前に手仕舞いすることもないと考える向きも多いかもな。」

T「そうなればいいけどな。取りあえず来週から始まる企業決算、それをうけどう
いう株価動向になるのか注目だな。期待したいモンだ。」