◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2015/08/22(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は波乱相場となってしまった。週末にかけ売られる展開で、日経平均は節
目の2万円も大きく割り込んで今週を終えた。」

M「ああ。特段大きな悪材料やショックがあったわけではない。ただここに来て中
国経済減速懸念が本格的に強まってきたということだろう。」

T「それが本気で意識されてきたような感じだな。それ自体は以前から警戒されて
おり、言われてきたことだが、やはり何処かで大丈夫だという意識も強かったよう
に思える。」

M「そうだな。中国経済減速は一時的且つ限定的だとの期待も確かに強かったとい
える。」

T「ただ今週は本格的にヤバイんじゃないかという見方に変わってきた感じだ。」

M「ああ。原油相場が止まらず6年5月ぶりの安値更新し続けている。」

T「背景には中国など世界経済減速により原油需要が減っている事が要因だと見ら
れている。」

M「昨日発表された中国経済指標も悪かったし、思った以上に中国経済減速は大き
いのではとの見方も強まっている。」

T「減速は短期的で限定的という見方は今週大きく後退した印象だな。」

M「そうだな。中国株安も再び目立ってきており、下抜け警戒感も意識されてきた
中国当局の株価対策で先月上旬に底を打ち下げ止まりも見られたんだが、ここに
来て再び7月安値を伺う動きとなっている。」

T「株価対策を帳消しにした格好だな。中国当局はかなりの資金を市場に突っ込ん
だようであり、下抜けするとヤバイだろう。」

M「ああ。日本円で100兆円程度突っ込んでいるのではとの憶測もあるからな。」

T「更なる株価対策への期待も大きく後退しているし、歯止めが利かなくなってい
るといえる。来週も中国株の動向はかなり意識されそうだ。」

M「中国発、世界同時株安という流れが鮮明になっているが、依然として今年大き
く上昇している日本株手仕舞い売りも出やすいとの警戒もある。」

T「だろうな。今年だけでもそうだが、アベノミクス始まってから言えば、まだ日
経平均は2倍以上になっている状況だ。」

M「ああ。今回の世界経済減速懸念により長期投資家まで保有株を売ってくるので
はとの警戒もある。」

T「そのようだな。米国は利上げを控えているし、世界のマーケットは大きな変化
を迎えているのは確かだ。その後の動きが読みにくいだけに、手仕舞いしてくると
いう動きはある意味自然だ。」

M「そうだな。日本株アベノミクス相場で調整を交えながらも上昇相場を続けて
きた。ただ、その長期上昇相場も終焉を迎えるのではとの声も挙がっている。」

T「アベノミクス相場終了か・・・。」

M「ああ。安倍政権の支持率も落ちてきているし、4-6月GDPはマイナス成長だ。思
うように物価や賃金も上がっていかない。」

T「それにGPIFによる株価支え効果も薄れてきている印象だ。一部では既にGPIFの
買い余力は殆どないのではとの見方すらある。」

M「まあ日本にはGPIF以外にもクジラといえる買い手は居るんだが、やはりGPIFが
もっとも大きなクジラだからな。」

T「そうだな。共済やゆうちょ銀行やかんぽ生命など、買い手はまだ多そうだが、
やはりGPIFの動きが止まってしまうと心細くなる。」

M「ただ、GPIFはさんざん買い増してきて、株価が今後大きく下落していったらど
うするんだろうな。年金資金大きく目減りしてしまうのではないか非常に懸念だ。」

T「だよな。将来的に年金支給額が減ってくれば、当然日本経済には悪影響となる
わけだし・・・。」

M「そう考えれば、ここで長期的な株価上昇を止めるわけにはいかない。今後は消
増税も控えているし・・・。」

T「だからといって打つ手は限られているだろう。」

M「まあ日銀による追加緩和だろうな。ただ効果は薄れてくる恐れもあるだけに、
やはり安易に乱発は出来ない。」

T「それにやはり中国経済の強さは必要となるだろう。日本株が更に上げていくた
めには・・・。」

M「そうだろうな。中国経済減速していけば外需企業だけでなく、インバウンド減
速により内需企業にも悪影響となる。今やインバウンド効果で業績大きく押し上げ
ている内需企業も少なくない。」

T「ああ。しかもそういう銘柄は株価も大きく上げてきている。既に今後のインバ
ウンド効果をも織り込まれて買われている銘柄も少なくなく、インバウンド効果剥
落となれば株価下落は避けられない。」

M「こりゃアベノミクスも正念場だな。」

T「そうだな。いずれにしろ、中国市場など海外市場がまずは落ち着きを取り戻さ
ないと・・・。」

M「昨日の米国市場でも落ち着き取り戻せず、逆にリスクオフの流れが強まってい
る。ダウは530ドル超も下落し4年ぶりの下げ幅を記録した。」

T「ダウは連日で年初来安値を更新し、S&P500指数もついに年初来安値更新してい
る。」

M「ナスダック指数はまだ年初来安値までは下げていないが、昨日の下落で今年マ
イナスに転じている。昨年末の水準を割り込んできたからな。」

T「こりゃ9月利上げも難しくなってきたと言えるかもな。為替市場では対円対ユー
ロでドルが売られており、利上げ後退を睨んでいるような動きにも見える。」

M「まあ、円やユーロは依然として投機筋売り越しとなっていることから、その巻
き戻しで円やユーロが買われ相対的にドルが売られているという動きなんだろう。」

T「いずれにしろ為替相場でもリスクオフの動きだという訳か・・。」

M「ああ。ただこのような状況で米国が利上げに踏み切るのは難しいだろうな。結
局は見送られそうにも思えるが・・・。」

T「そうだな。いずれにしろ早いところ世界のマーケットが落ち着いて欲しいモン
だ。シカゴ日経先物は19000円も割り込んで返ってきており、週明けの日本株も波乱
スタートは避けられない。寄り後しっかり下げ止まれるか注目だな。」

M「ああ。日経平均19000円どころには200日移動平均線も走っており、まずは下げ
渋る見られる場面だろう。ただあっさり割り込んでしまうようだと非常に懸念だ。」

T「下げ止まっても戻り限定的だと数日後には割り込んでいくと言う懸念もある。
それだけに先月見せたような急反発に期待したいモンだ。」

M「そうだな。ただ今回は7月に見せた急反発というのは期待薄だけどな。とにかく
週明けの引けがどういう位置になるのか注目したい。」

T「ああ。期待したいモンだ。」