◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2015/10/10(土)発行

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================

T「今週はしっかりと上昇した。日経平均は25日線も回復し、18000円台まで戻して
きている。」

M「ああ。25日線越えは8月中旬から相場が大きく崩れてきて初めてのことだ。これ
でようやく、落ち着きを取り戻した格好だろう。」

T「そうだな。全体的なボラティリティも小さくなってきている。徐々に正常化し
てきている感じだな。」

M「ボラティリティ落ち着いてくれば、市場参加者も増えてくる。それにより見直
し買いも入りやすくなる。」

T「まさに今週はそういった相場が見られた印象だな。今まで売り込まれていた資
源関連株などに見直し買いが入ってきている。」

M「ああ。鉱業、鉄鋼、非鉄、それに商社、海運など資源関連株が大きく買われて
おり、パルプ紙や機械、工作機械なども買われた。」

T「ただ一方で、小売や食料品、医薬品に売られている銘柄が目立っていた。」

M「いわゆるリターンリバーサル的な動きだろう。資源関連株には海外勢のヘッジ
ファンドなどによる空売りも結構入っていたといえ、その巻き戻しが行っている。」

T「それらの買い戻しが上昇に繋がっているというわけだな。」

M「ああ。もちろん買い戻しだけでなく、見直し買いも入ってきているだろうけど
。」

T「今まで比較的に買われていた小売や食料品、医薬品などには逆に手仕舞い売り
が強まったと言うことだな。」

M「そうだな。先週末に発表された米雇用統計があまりに酷く、こりゃ年内利上げ
も無いんじゃないかという見方に繋がり、シナリオを書き直す必要が出てきたとい
える。」

T「だよな。今までは年内利上げはほぼ確実と見られていたからな。そういうシナ
リオでポジション取っていた向きも多いだろう。」

M「ただそのシナリオが変わってきたため、今までのポジションをクローズしたり
修正したりする必要が出てきたと言うことだ。」

T「それにより原油などの商品相場の流れも変え、それが更にシナリオを書き直す
理由にも繋がっているのかもな。」

M「ああ。今週は米国でFOMC議事録も公表されたが、それがハト派的な内容だっただけに、利上げは結構先になるとの見方が確信的になってきたという印象だな。」

T「FOMC議事録は前回FOMCの詳細だが、FRBハト派姿勢を裏付けた格好になったようだ。」

M「まあ年内利上げの可能性は完全に消えたわけではないけどな。」

T「ただ取りあえずは早期利上げにより、ドル高に繋がり、商品市場や新興国から
資金流出し、新興国経済が一段と悪化という恐れはひとまず後退した。」

M「ああ。それにより大規模なポジション調整が起こっている格好だが、そのポジ
ション調整が一巡した後はどうなるのか微妙だ。」

T「だよな。このまま世界経済が回復へと向かっていけば良いが、そう簡単にはい
かないだろう。」

M「それに、仮にそうなっていけば再び米利上げの可能性が高まってくる。」

T「今週は戻り基調になったものの、来週以降も続いていくかは不透明かもな。」

M「来週は米国で企業決算発表が本格化する。既に発表されたアルコアは市場予測を下回り、昨日派手に売られていた。」

T「米企業決算はあまり良くないとの見方が多いが、既に株価にはある程度織り込
まれているはずだ。ただ直近戻してきているだけに、逆に決算発表で改めて売られ
るという恐れもある。」

M「ああ。つまり企業決算が今の戻り相場に水を差してしまう恐れもあると言うこ
とだ。」

T「幸いにも昨晩の米国市場では、アルコア株の急落が投資家心理を冷やすことに
は繋がらなかった。」

M「ああ。日本市場でも同様だ。ファストリが決算発表で昨日は派手に下落した。
それでも投資家心理にはさほど悪影響となっていない。」

T「ただ決算発表で売られる銘柄が増えるようだと、投資家心理にも悪影響が出て
くる恐れは当然あるからな。」

M「ああ。それだけに、来週は注目だろう。決算が想定より悪くないと言うことが
解れば戻り基調に拍車がかかるという期待もあるからな。」

T「日本市場はやはり来週は米国企業の決算を睨みながらの動きになりそうだ。」

M「まずは13日のインテルが注目される。半導体関連株には大きく影響を与える事
も多いからな。日本市場も影響を受けやすい。」

T「そうだな。来週もしっかりとした展開期待したいモンだ。」