◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2015/10/31(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は揉み合い相場だった。」

M「そうだな。日経平均19000円付近での揉み合いだ。週末に日銀金融政策決定会合も控えていたこともあり、動きにくかった面もあるんだろう。」

T「ああ。米国ではFOMCがあったしな。」

M「ただ米国株は今週も強かった。注目されたFOMCでは、声明文に次回会合での利上げの有無を協議することが、わざわざ記載された事で、年内利上げの可能性が示された。」

T「ああ。年内の利上げも難しいとの見方で、超低金利政策の長期化期待で米国株
は戻してきた面もあるからな。この声明文をうけ、ヒヤッとする動きを見せたが
・・・。」

M「そうだな。改めて年内利上げの可能性が示されたんだ。今までの上昇の反動で
派手に売られても不思議はなかった。実際、声明文公表後は派手に売られた。」

T「でも、売り一巡後は切り返し、結局その日はダウなど主要3指数はほぼ高値引け
だ。」

M「色々な理由が言われているが、結局のところ投資家心理が良いって事なんだろ
う。最近までの戻り相場で、投資家心理がかなり良くなってきており、買い気も旺
盛だと言うことだ。」

T「確かにそうだな。以前ほど、中国などの新興国景気減速懸念が強くなっておら
ず落ち着いていると言うこともあるし、欧州では追加緩和期待が強い状況だし・・。」

M「ああ。米国から見た外部要因も、8~9月の時に比べてかなり改善しているから
な。」

T「早期利上げ懸念も、今や、それだけ米景気はしっかりしている証拠だという捉
え方をする向きも多いと言うことだ。」

M「ただ経済指標見ると、決して米景気強いとは言い難いけどな。減速感は否めな
い。果たしてこのような状況で本当に利上げできるのか疑問もあるけどな。」

T「まあ、利上げ見送られれば、それはそれで好感されるような気もするけどな。」

M「いずれにしろ米国株は12月のFOMCまで不安定な動きになるかもな。利上げの思惑が交錯して・・・。」

T「それまでにも利上げの有無に影響を与えそうな経済指標発表も多いし、講演な
ど要人が発言する機会も多い。それらによって思惑が交錯しそうだ。」

M「日本の日銀金融政策決定会合後の動きも不思議な動きだった。昨日行われた会合では日銀は現状維持を決定した。追加緩和期待は後退していたとは言え、取りあえず売られても不思議はない状況だったと言える。」

T「ああ。実際に発表直後には売られたんだが、下値も限定的となっており、すぐ
に切り返して踏み上げ的に上げていったからな。」

M「日経新聞電子版で政府が補正予算3兆円超と報じられたことが買い戻しのきっかけとなったと見られている。」

T「だろうな。補正予算はもともと期待はされていたことで金額的にもビックリす
る大きさでもない。3兆円では逆に想定より小さい。」

M「ただ3兆円超としていることや、必要ならば金額の上積みを検討するとも書かれ
ている。何よりも報じられたタイミングがサプライズを演出したと言えるだろう。」

T「なるほどね。まさに狙ったかのようなタイミングだったからな。」

M「更に後場寄り直後から主力株の一角には結構な強い買いが入っていた。それが
下値を支えた面もある。押し目買いを狙っていた個人投資家だとの見方もあるが、
公的年金資金が入っていた可能性も高い。」

T「いずれにしろ日銀現状維持でも、思ったほど下げないことで、下げを期待して
ショートポジション取っていた短期資金が買い戻しを余儀なくされたと言うことだ
ろうな。」

M「ああ。日経平均は一時19200円台まで上昇したからな。ただ買い戻しが終わって
しまうと、引けにかけては垂れ気味となっている。」

T「更に夜間取引では日経先物反動的に売られて、19000円もあっさりと割り込んで
いる。」

M「さすがに夜間取引の先物には公的買いも入らないと言うわけだ。」

T「とにかく日銀会合は現状維持でも無事通過できたと言うことは、やはり大きい
かもな。」

M「そうだな。追加緩和の可能性が無くなったわけではなく、切り札は残されてい
る状況だ。今回はそれを使わずに温存できたんだ。イザって時は切り札が出てくる
と考えれば売りにくいよな。」

T「ああ。そう考えれば、あまり弱気になる必要はなさそうだ。」

M「来週には郵政グループ3社の上場も控えている。証券業界では一大イベントだ。
無事に上場できれば、つまり公募割れせずしっかり買われて上場できれば、個人投
資家の資金の回転も利くし市場には好影響となる。」

T「そうだな。地合も悪くなくお膳立ては出来ている。是非好スタートを期待した
い。」

M「ああ。それによって来週の相場が決まると言っても過言でもないだろう。期待
したいモンだ。」