◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2016/02/06(土)発行

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「今週はあっさりと下落してしまった。日銀効果も月曜日までで、その後は4連敗
だ。」

M「ああ。日経平均TOPIXは先週末の日銀会合前の水準より下落してきており、再び下値を試すような展開となっている。」

T「為替も同様だ。せっかく日銀のサプライズにより円安へと大きく戻したものの
、その動きも続かなかった。」

M「今週は米国で弱い経済指標や、ハト派的な要人発言により3月の米利上げは難しいとの見方が一気に強まったからな。」

T「それによりドルが売られて相対的に円が買われ円高へと戻してきている。」

M「利上げ先送り期待やドル安が支えとなり米国株はしっかりだったものの、日本
株は米株上げても円高で売られる日もあり、弱さが目立っていた。」

T「個別にはマイナス金利導入により銀行など金融株に派手に売り込まれる銘柄が
目立っており、ある意味マイナス金利導入決める前より投資家心理は悪化している
印象だ。」

M「そうだな。マイナス金利導入により早くも銀行は定期預金などの金利を引き下
げてきており、今後は保険料が値上げされる可能性も高まっている。」

T「まあ住宅ローンの金利なども下がるだろうけど、現状の結果だけを見れば、マ
イナス金利導入は国民によってマイナス面の方が多いように思える。」

M「確かにそんな感じだ。これでまだ株価が大きく上がってくれるなら良いが、下
落してきているからな。」

T「こうなると次に日銀が動くとき、一体何をすれば良いのか・・。更に利下げし
マイナス金利幅拡大しても、恐らく好感されないように思える。」

M「確かに・・・。銀行など金融株が更に売られてしまうだけに思える。」

T「だよな。となればやはり国債買入額増額やETF買入増額しかないだろうな。」

M「ただ国債買入増やすのは難しくなっている面あるだろう。マイナス金利導入で
銀行も国債買入増やしているし、日銀への売却を拒む銀行も増えてくる事が想定さ
れる。」

T「だよな。ならETF買入増額か・・。」

M「それをやるにしろ、かなり増やさないとインパクトは乏しいだろうな。そうな
ると市場への日銀関与が大きくなり、将来的な反動が怖すぎる。」

T「ああ。それに幾らETF買入増額したとしても、それで相場を完全に支えられるわ
けはなく、長期的な株価下落という展開になってしまえば、日銀の含み損はどんど
ん膨らむことになる。」

M「何か泥沼化してきそうだな。」

T「確かに・・。やはり日銀が何かして円高株安を止めるには、外部要因の手助け
も必要だという訳か。」

M「そうかもな。世界景気減速懸念が意識されている状況では、金融政策ではリス
クオフの動きを完全に食い止めるのは難しいのかも知れない。」

T「せめて世界的に協調的に行わないと・・。日本と欧州は金融緩和方向だが、米
国は引き締め方向に向かっているわけだからな。」

M「そうだな。米国はここに来て更なる引き締め懸念は後退しているが、緩和方向
に逆戻りするような状況ではない。」

T「昨日発表された米雇用統計は雇用者数は市場予測下回ったものの、失業率は低下し賃金も上昇した。悪い内容じゃない。」

M「ああ。1月は天候要因もあり雇用者数伸びが衰えたとの見方も多く、3月の利上
げを見送る理由にはなりにくい。」

T「これによりドル売りは一服となったが、米国株が派手に下げてしまった。」

M「他の経済指標は悪いため、3月利上げは見送られそうだが、まだ不透明だとの見方にも繋がっている。」

T「円高一服も米株安でシカゴ日経先物は大きく売られている。結局、日本株は悪
いトコ取りのように思える。」

M「確かにそうだな。米株上げても円高なら売られるわけだし、円高ならずとも米
株安で売られる。」

T「せめて円安と大きく進行していれば、また別なんだろうけど・・。」

M「ただ米株が派手に下げれば、リスクオフの動きから円は買われやすくなるから
な。なかなか円安にはなりにくいんだろう。」

T「こりゃ来週も波乱含みか・・。」

M「そういった警戒は強いだろうな。ただ来週は中国市場が春節で1週間休場となる
。それにより中国リスクは意識されにくい。」

T「ただ株価を押し上げる理由にはならないからな。」

M「そうだな。やはり来週の注目はイエレンFRB議長の議会証言だろうな。今は米国
の金融政策が不透明な事が重しとなっている面があるだけに、議会証言で不透明さ
が消えればリスクオフの動きも和らぐかも知れない。」

T「明言は避けられそうだが、市場に安心感を与えて欲しいモンだな。」

M「ああ。期待したいモンだ。」