◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2016/02/13(土)発行

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「今週も日本市場は波乱となった。」

M「ああ。まあ日本市場だけじゃないが、日本市場が一番波乱だったといえるかも
な。」

T「日経平均月曜日には17000円で引けていたんだぞ。それが火曜日以降の3営業日で15000円割り込むなんて、希に見る波乱状態だ。」

M「そうだな。SQ週だったとはいえ、これほど波乱となるSQ週も珍しい。」

T「まあ、SQ週だから売り込まれたというわけではないが、SQ週だっただけに波乱
度が増しているのは確かだろう。」

M「そうだな。想定以上に下げてくれば、オプション絡みでヘッジ的な先物売りが
出やすいからな。下げに拍車をかける面も当然ある。」

T「それに今週は銀行株がまだ止まらず投資家心理を一段と悪化させていた。銀行
株は日銀がマイナス金利導入してから殆ど毎日のように下げている。」

M「ああ。銀行株が売られているのはマイナス金利導入のデメリット面に加え、欧
州金融機関への信用不安も加わってきたからな。」

T「そうだな。タイミング悪いことに今月に入ってから欧州金融株の財務不安が強
まった。きっかけは先月末に発表されたドイツ銀行の決算だが・・。」

M「その後に発表されたクレディスイスソシエテジェネラルの決算も良くなく、
金融不安に拍車がかかった。」

T「リーマンショックの様な状況に発展していくのではという警戒も意識されてき
た印象だ。」

M「まあ、リーマンショックの事はまだ市場関係者の多くが記憶に残っており、や
はりその時の下落が衝撃的だったからな。」

T「今月に入ってからの売られ方見ると、本当に欧州金融機関が破綻してリーマン
ショックのようになるかのような売られ方だ。」

M「明らかに過度な警戒なんだが、リーマンショックの記憶があるだけに、楽観視
も出来ないということなんだろう。」

T「そうだな。ただ昨晩はドイツ銀行が財務懸念を払拭させるため、債券の一部を
買い戻す事を発表した。」

M「ああ。これで本当に財務不安が払拭されるかは微妙だが、取りあえず過度な懸
念は後退しそうだ。」

T「これをうけ昨晩のドイツ銀行株は爆上げしており、他の金融株も軒並み上昇し
た。米国株でも金融株中心に買い戻され、ダウなど大幅高で引けている。」

M「ようやく週明けは反発しそうだな。日本の金融株も・・。それに日経平均など
全体的にも反発が期待される。」

T「ただ底打ちということには当然ならないんだろうな。あくまでもリバウンドと
いう反発だろうな。」

M「まあこれだけ急ピッチに売られてきたんだ。リバウンドは当然あるが、そう簡
単には回復はできない。上値には戻り売り圧力も強いし、信用の追い証絡みの売り
も来週は出てくることが想定される。」

T「かなりの重病といえる相場状況になってしまっただけに、回復には時間が必要
だからな。」

M「ただ下値をこれ以上、割り込まないと日柄経って解ってくれば安心感は強まる
だろう。」

T「そうだな。まずはリバウンド後の動きだな。そこで底堅さ見せられるのか、改
めて下値試すような動きになるのか・・。」

M「日本株の場合、金融不安が後退したとしても為替の問題があるからな。今週、
為替も大きく動いており急速に円高へと進行した。」

T「その円高も今週の波乱相場の立役者となっている。水曜日から木曜日大きく円
買われドルが売られた。」

M「きっかけはイエレンFRB議長の議会証言だが、ここまでドルが売られるような発
言をしたわけでも無いんだけどな。」

T「そうだな。ある意味、アク抜け的にドルが買い戻されても不思議はなかった。」

M「ただ改めてドル売り円買いの動きとなっている。特に木曜日は円高が加速した
。その日は日本市場は祝日で休場だっただけに、薄商い状態だった。それだけに値
動きも大きくなった面もある。」

T「市場では投機筋がその薄商いを狙って仕掛けてきたとの見方が多い。」

M「だろうな。投機筋は最近、円買いポジションを積み上げている。日銀のマイナ
金利導入で一旦は手仕舞いに動いたようだが、それも一時的で再び円買いポジション積み上げている。」

T「昨年までは投機筋の円先物のポジションは、円売り越し状態がずっと続いてい
たからな。」

M「ああ。今年に入ってから買い越しに転じており徐々に積み上げてきている。」

T「どこまで積み上げてくるのか注目されるが、木曜日に1ドル110円台まで突っ込
んだ後は、徐々に落ち着いてきている。昨日の米国時間では113円台まで戻している。」

M「木曜日の円買い仕掛けで、アク抜けとなってくれれば良いのだが・・。」

T「そうだな。投機筋が円買いポジションの手仕舞いに動いてきたなら良いけどな
。」

M「更に円買いポジション積み上げようとしている投機筋多いようだと、再度円高
へ向かう恐れもありそうだ。」

T「たださすがに派手にやりすぎだろう。昨日は黒田日銀総裁が安倍首相と会談し
ており、投機筋も動きにくいと思うのだが・・。」

M「まあ、そうだな。再度円高向かうようだと何らかのアクションを起こす可能性
はあるかもな。そういった警戒も当然なるだけに、投機筋も動きにくくなっている
可能性はある。」

T「もっと威嚇して欲しいところだ。日銀や政府には・・。」

M「ただ為替の場合は相対的なもんだからな。やはり米国や欧州との協調が必要だ
ろう。それだけに月末予定されているG20は非常に注目される。」

T「投機筋もG20には警戒強めるだろうからな。ただ逆にいえば、G20まではやりた
い放題という恐れもあるかも。」

M「それまでは、やはり牽制しておく必要があるだろう。口先介入するなりと何ら
かのアクション起こして、時間稼ぎするしかない。」

T「期待したいモンだな。取りあえず来週は落ち着いた相場を期待したいモンだ。
まあ、そう簡単には落ち着かないかも知れないが・・。」

M「そうだな。ボラティリティ大きい状況だけに、その勢いで大きく戻して欲しい
モンだけどな。」

T「ああ。期待したいモンだ。」