◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2016/02/20(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は大幅に反発した。3週間ぶりの上昇だ。」

M「とは言っても強かったのは月曜日だけだろう。その月曜日に上昇した分さえキ
ープできず今週を終えている。」

T「まあ、そうだな。火曜日以降は基本的に日経平均16000円挟んだ攻防だったから
な。」

M「週末には16000円割れで引けている。月曜日の終値は16000円台だったからな。」

T「でもようやく反転したことで市場には安心感も出てきたと言えるだろう。」

M「どうだろうな。先週まで異常と言えるような下落を見せたんだ。この程度のリ
バウンドは自然の流れだろう。」

T「確かにそうかもな。先週下落した分の半分程度戻したに過ぎない訳だし
・・・。」

M「ああ。米国株もドイツ株も先週下げた分は今週取り戻している。日本だけ明ら
かに戻りが鈍い。というか先週の下落が日本は米国やドイツ株と比べ大きかったと
も言えるけどな。」

T「確かにそうだな。日本の弱さが見られるのはやはり為替か・・。」

M「だろうな。ドル円相場では円の戻りが鈍く過ぎる。節目の1ドル115円近くまで
戻す場面もあったんだが、結局それを越えることは出来なかった。」

T「その水準は黒田抵抗ラインといわれている水準だ。それを一気に割り込んでし
まってから、今度は逆にそれが上値抵抗ラインとして意識されている感じだな。」

M「ああ。1ドル115円を割り込む水準を想定為替にしている輸出企業は殆どいない
。殆どの輸出企業が想定為替水準より円高状態になり、収益を圧迫することになる。」

T「まあ、今期分はある程度は為替予約などで対処しているとは思うが、やはり来
期の事考えると厳しい水準だよな。」

M「そうだな。こうなると来期の想定為替は大幅に円高修正するしかない。そうな
れば、増益予想出すのはかなり厳しいだろうな。」

T「ああ。世界景気減速などを考慮すれば、企業によっては大幅減益となる恐れも
ある。」

M「今の日本株の重さはそういった懸念があることが大きく影響している。もう来
期業績を見据えて投資する時期だしな。」

T「でも為替がこのまま円高水準をキープするとは限らない。今期中にある程度、
円安へと戻していければ来期企業業績への過度な懸念が後退する。」

M「ただ防衛ラインといわれていた1ドル115円を越えて円高に進んでも、何の対策
も打ち出されていない。口先介入も出てこない状況だ。」

T「まあ介入の警戒は出ているのは確かだが、足下徐々に再び円高に進行してきて
いるからな。」

M「再度1ドル110円台狙ってきている投機筋もいるような感じだ。シカゴ投機筋の
円買いポジションは更に積み上がってきている。」

T「つまり投機筋は円高方向に賭けているということか。」

M「ああ。更に円高へ行くと睨んで円買いポジション積み上げているんだろう。タ
ーゲットは1ドル110円なんかじゃなく、100円程度まで睨んでいるのではとの声も聞
かれる。」

T「その程度までの円高見込んでいないと、これほど強気に円買いポジション積み
上げられないということだな。」

M「ただ為替は相対的なモノだし、金融政策である程度操作できる相場だ。そう単
純に円高進行していくかは解らない。」

T「まあ、円を買い向かっている投機筋は日銀は追加緩和できないと見ているのか
もな。逆に米国は追加利上げ出来ないと見ているんだろう。」

M「もしくは日銀が追加緩和しても、影響は限定的と睨んでいる可能性もある。追
加緩和で円安へ振れるなら、更に円買いポジション積み上げる絶好のチャンスだ位
に思っているのかも知れない。」

T「完全にナメられているな。」

M「だろうな。それだけに何らかの強い牽制は必要だと思うのだが・・。」

T「そうだな。昨日も円高へ更に進行しており、シカゴ日経先物は大きく下落して
いる。米国株も軟調だったが、ダウなど小幅安程度だし、ナスダック指数はプラス
で引けている。」

M「それでも円高が重しとなり、日経先物は弱い状況だ。」

T「来週も為替動向が大きな鍵となりそうだ。更に円高へ向かうのか、円安へと戻
せるのか・・。」

M「来週末にはG20が控えているからな。投機筋もあまり強引なことはしにくいだろ
う。」

T「そう期待したいところだな。」

M「まずは週明け、日本株安く始まっても下げ渋り見せられるか注目したい。」

T「そうだな。今週は公的年金と思われる買いが結構観測されていた。その買いが
来週も続けば良いのだが・・・。」

M「まあ、期待したいモンだ。」