◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2016/03/19(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も日経平均は週間ベースで下落となった。」

M「ああ。今週は日銀金融政策決定会合に米FOMCと重要なイベントがあったが、い
ずれもほぼ想定通りの結果だったと言えるだろう。」

T「そうだな。日銀は現状維持で、米FOMCでは利上げ見送りが決定された。」

M「ほぼ想定通りだったものの日本株は買われる動きにならなかった。」

T「ああ。日銀会合結果発表後は売られる動きになっている。一部では追加緩和を
期待した向きも居たような動きだ。」

M[まあ、それを機に仕掛け的に売ってきた短期筋がいたという感じだろう。」

T「そうかもな。米FOMCでは、追加利上げが見送られ、金利見通しが引き下げられ
た。」

M「FOMCメンバーによる金利見通しは年内利上げ4回から2回に変わった。まあ、こ
れも想定通りだ。市場では既に年内利上げできても2回までだろうとの見方になって
いたからな。」

T「ああ。それだけにサプライズはないものの、米国市場にとっては安心感に繋が
ったようだ。」

M「だろうな。FOMC声明後には米国株しっかりと買われる動きになっているしな。」

T「次回の利上げ時期は不透明だが、早くても6月との見方が多く、下手すれば年
後半になるとの見方も少なくない。」

M「ああ。2回の利上げすら難しいとの見方に市場はなってきていると言えるだろう
。」

T「ただFOMCでは、米景気減速への懸念は示されておらず、米国経済は緩やかながらしっかり拡大しているとの認識が示されている。これも安心感に繋がったと言え
るだろうな。」

M「そうだな。中国など世界情勢へのリスクが利上げ見送りの理由になっている格
好であり、期待通りの内容だったといえる。」

T「それをうけ米国株は出尽くしとならずしっかりと買われているところが強い。」

M「ダウ、S&P500指数は今年の高値更新してきているからな。」

T「それに比べて日本と来たら・・。今年の高値など遙かに上だ。」

M「仕方ないだろうな。為替がこれほど円高に振れてきているんだから。」

T「そうだな。FOMC後にはアク抜け的にドル買い戻しの動きも想定されたんだが、
そうならずに改めてドル売りの流れとなっている。」

M「ああ。シカゴ投機筋は既に過去最高レベルまで円先物の買いポジション積み上
げていただけに、FOMC後には出尽くし的にドル買い戻しの動きになっても不思議は
なかった。」

T「しかし実際は更にドル売り円買いに自信を強めたかのように、ドル安進行して
いる。ドル円は今週1ドル110円台まで円高が進んだ。」

M「円は対ドルで、2月に付けていた今年の最高値を更新したからな。」

T「これじゃ日本株上げられないよな。逆に言えば、円高進んでいる割には日本株
は下げ渋っているとも言える。」

M「確かにそうだな。まあ米国株がしっかりということが支えになっているんだろ
うけど、米国株高の要因の一つにドル安ということもあるからな。」

T「米国の輸出企業にしてみればドル安は追い風だろう。今までドル高に収益圧迫
されてきた米企業も少なくない。」

M「それだけに、今後円安へと方向か転換していくならば、日本株には追い風とな
るも、米国株には逆風になりかねない。」

T「米国株がそれで軟調になるならば、それはまた日本株の重しとなる。そう考え
ると、結局日本株は上げきれないようにも思えてくるよな。」

M「そうだな。上げたとしても限定的になる懸念は否めない。」

T「ただここに来て消費増税延期という可能性も高まってきたし、検討されている
緊急経済対策への期待も出て来る可能性もある。」

M「そうだな。時期的にも年度末へ向け需給は良くなってくる。それで何処まで上
げられるのか注目だ。」

T「ああ。重しとなっているドル円にしても、1ドル110円台では何度も弾き返して
いる。それだけに、目先これ以上の円高は無いと見られれば、投機筋がドル買い戻
しに動き、短期的にも円安へと振れる期待もあるだろう。」

M「そうなればいいが・・。そうなるきっかけ作るためにも、ここいらで円高牽制
でもして欲しい場面だな。」

T「まあG20で通貨安競争回避を確認しただけに、あからさまなことは出来ないだろ
うけど・・・。」

M「そうなんだよな。その辺が頭の痛いところだな。」

T「取りあえず来週、日本株はしっかりと反発していけるのか注目だな。期待した
いモンだ。」