◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2016/06/18(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は波乱の週となった。日経平均は16000円どころか、15500円も割り込む場
面も見られ、今週だけで1000円超下落したことになる。」

M「そうだな。先週末は日経平均16600円台で終えていたからな。」

T「新興市場も崩壊的に今週は下落しており、一気に投資家心理が悪化した印象だ
。」

M「ああ。その主な要因が英国のEU離脱問題だ。以前から警戒はされていたが、今
週一気に警戒感が高まった。」

T「今まではテールリスクと見られていた英EU離脱問題、いわゆるブレグジット
かなり可能性が出てきたためだ。」

M「世論調査で離脱支持が残留支持を大きく引き離し、更に英ブックメーカーのオ
ッズも急速に差を縮めてきた。」

T「ブックメーカーのオッズでは、まだ残留有利という状況だが、以前から比べれ
ばかなり接近してきていた。」

M「それにより、テールリスクなんかじゃなく、十分可能性があるリスクがだとい
う見方に繋がったと言えるだろう。」

T「ああ。世界的にリスクオフの動きが強まり、株安に債券高で金利安に拍車がか
かった。為替市場ではリスク回避の円買いの動きが強まり、大きく円高進行してい
る。」

M「更に今週は米国のFOMCと日銀の金融政策が行われたが、米FOMCでは利上げ見送られ、次回の会合での利上げは示唆されなかった。日銀は追加緩和を見送った。」

T「まあいずれも想定通りだったといえるが、それらで株安と円高が一段と進行し
ている。」

M「ああ。投資家心理良ければアク抜けにもなったのかも知れないが、心理悪いだ
けに、改めて円高日本株売りに繋がっている。」

T「ドル円は節目の1ドル105円すら割り込み、103円台まで円高進行する場面もあっ
た。昨日は戻したものの、それでも105円台までも回復できず、104円台前半で今週
を終えている。」

M「投機筋による仕掛け的な円買い、日本株売りも出ているようだし、来週もまだ
波乱含みだろうな。」

T「ただ一昨日に英EU残留支持の女性議員が銃撃され殺害された事で、EU離脱への流れが一服した感がある。」

M「酷い話だが、残酷な事件をうけ、英国民は我に返った面もあるのかもな。この
事件をうけブックメーカーのオッズは再び残留の可能性が高まってきている。」

T「同情的にEU残留支持が増えてきたようだ。」

M「最終的には英国民はしっかりとした判断をすると思うけどな。」

T「もちろん英国にとって実際にはどちらが良いかは見方は分かれる。確かにハタ
から見れば、現状維持のままEU残留の方が良いように見えるのだが・・。」

M「英国民自身が決める問題だが、結局は現状維持を選ぶ人が多くなるんじゃない
のか。」

T「そう願いたいところだな。無事現状維持でEU残留が決まれば、世界的な株安も
巻き戻しが期待できるしな。」

M「ただ圧勝して残留という結果になれば、激しく好感されて大きく株高になるだ
ろう。でも僅差で残留となれば、それも限定的になる恐れはある。」

T「確かにそういった懸念はあるが、今週これだけ波乱となったんだ。僅差でも取
りあえず残留となれば、巻き戻しの動きから株高にはなるだろう。」

M「いずれにしろ来週もEU離脱問題を巡って思惑から不安定な展開になるだろうな
。この流れで一気に残留への可能性が高まっていけば、株価は戻り基調となりそう
だが・・・。」

T「ああ。ただ、まだまだ二転三転する恐れはあるからな。今後出される世論調査
なども注目される。」

M「英国の国民投票の結果が判明するのが日本時間で24日の日中のようだからな。
その日の日本市場がもっとも早く、更に大きく影響を受けることになる。」

T「ある意味、日本の投資家にとっては幸いだな。結果を見てから行動を起こせる
。」

M「そうだな。ただ僅差状態なら最終結果が判明するまで二転三転する恐れがある
。早ければ24日の前場中に大勢が判明すると見られている。」

T「でも僅差状態なら、午後にずれ込む恐れもあるわけだな。」

M「恐らく、それぞれの選挙区の開票結果が随時報じられてくると思うが、その度
に思惑的に相場が大きく動く可能性がありそうだ。」

T「だろうな。結果予測が二転三転するようだと振り回されるような相場になりそ
うだな。」

M「海外ヘッジファンドなど投機筋も多く日本市場に参加してくるだろう。かなり
ボラタイルな相場になるのは必至だ。」

T「とにかく来週良い形で終わってくれれば良いけどな。期待したいモンだ。」