◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2016/11/12(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週はある意味、大波乱となった1週間だった。」

M「ああ。今週の相場は米大統領選に尽きると言えるが、週明けからいきなり動き
があった。」

T「そうだな。クリントン氏のメール問題に関してFBIが再捜査していたが、それが
週明け早々に問題なしとの結論を発表した。」

M「びっくりだな。大統領選までは結論でないとの見方が多かっただけに、これだ
け早く捜査結果が出るとは・・。」

T「捜査関係者は24時間体制で頑張ったようだ。」

M「それにより不利に立たされていたクリントン氏には追い風となる格好となった
。」

T「ああ。それにより大統領選はクリントン氏で決まりだろうとの見方から米国株
日本株もしっかりした展開となっていたんだが・・・。」

M「迎えた米大統領選では、まさかまさかという感じでトランプ氏が票を伸ばし頑
張っており、それを睨んで9日の日本市場は大荒れだった。」

T「久々の大きなボラティリティ相場となった。」

M「フロリダなどキーとなる激戦州の開票がトランプ氏の優勢が伝わるたび、日本
株や為替市場は大きく動き、午後にはトランプ氏が勝利濃厚になってくると、日本
株とドルが激しく売られた。」

T「ドル円は朝方には1ドル105円台だったが、1ドル101円付近まで円高が進んだ。」

M「まあトランプ氏が勝利すれば、ドル円は1ドル100円割れになると予測していた
向きも多かったからな。」

T「日経平均前場17400円台まで上昇する場面あったにも関わらず、後場には
16100円付近まで下落した。」

M「一時1000円超の下げとなり、今年6月のブレグジットを問う英国民投票以来の下
げとなった。」

T「そうだな。結局トランプ氏が勝利となり、日経平均はこれから15000円目指すな
んて声も多く聞かれた。」

M「ところがその日の米国市場まさかの上昇となり市場関係者を驚かせた。」

T「ああ。トランプ氏勝利もビックリだが、それをうけて米国株が上昇するなんて
、殆ど予想していなかったシナリオだ。」

M「そうだな。中にはトランプ氏勝利すれば米株高と言っていた向きもいるようだ
が、多くの人は波乱必至と見ていたからな。」

T「選挙は水物だと改めて知らしめた格好だが、相場も同じだ。皆が考えているよ
うな展開にはならないということだ。」

M「ただトランプ氏勝利で、相場が波乱になったとしても、それは一時的と見てい
た向きは少なくない。波乱となって派手に売られれば買い場到来と・・。」

T「そうだな。まあ日本株で言えば、まさにそういう展開になったと言えるだろう
。」

M「ただ、まさか一日で全戻しやってのけるとは思えなかったけどな。」

T「だよな。こんな相場殆ど記憶にない。日経平均1000円程度下げて、翌日、それ
以上に上げるなんて・・・。」

M「まさにジェットコースターだな。」

T「米国株は先週までダウ7日続落、S&P500、ナスダック指数は9日続落という動き
となっていただけに、その反動もあったのかも知れない。」

M「そうだろうな。ようは大統領選通過で大きな不透明要因が一つ消えた事による
買い安心感だ。」

T「確かに誰が次期大統領になるかという不透明要因は消えたが、トランプ氏勝利
したことで、新たな不透明要因も出てきたとも言えるのだが・・。」

M「確かに。実際にどういう政策を行っていくのか、また出来るのかなどが不透明
であり、今後そういった懸念が意識されてくる恐れは否めない。」

T「ああ。ただ現状では取りあえず期待感の方が勝っている格好だ。」

M「そうだな。実際に出来るかどうかは別として、今までトランプ氏が公言してき
た大規模な減税やインフラ投資拡大への期待感が勝っている。」

T「それら政策により財政懸念も意識され、米国債が大きく売られた。それにより
長期金利が上昇し、金融株に追い風になっている。」

M「米長期金利上昇によって、日米金利差が広がり、ドル買い円売りの流れに繋が
っている。それによりドル円は1ドル105円に戻しただけでなく、更に円安が進行し
、一時1ドル107円近くまで円安が進んだ。」

T「それらは日本市場にも追い風となり、希に見る値幅の行って来いを演出した。」

M「トランプ氏が勝利したあと、彼の発言がまともだったことに安心感も出たよう
だ。今のところ今まで見られていた過激な発言はしてない。」

T「明らかに押さえているというか、注意して話している感じだ。」

M「ただ今後、そういった発言が再び出てくると言う懸念は付きまとう。」

T「そうだな。取りあえずは期待感から米国株はしっかりとした展開で、今週ダウ
は負け無しで5連騰している。それにより一気に史上最高値を更新した。」

M「ただITなどハイテク株は懸念だな。トランプ政権でハイテク企業には逆風にな
るとの見方も多い。」

T「そうだな。それにより軟調となっているネット株などIT株の一角も多い。」

M「今までの発言から予測されるトランプ氏の政策では、いわゆるオールドエコノ
ミーと呼ばれる企業には追い風となるが、ITなどのニューエコノミー企業には逆風
になると見られている。」

T「ああ。これを機に高PERまで買われているネット株などには株価崩壊するのでは
との懸念もあるようだ。」

M「そういった動きが強まり、投資家心理悪化に繋がれば、米国市場全体に悪影響
となる。」

T「ただ実際にトランプ氏がどういった政策を行っていくのかはまだ不透明だから
な。」

M「そうだな。それが本格的に意識されるのはまだこれからだ。取りあえず今は、
IT株から金融株やオールドエコノミー株に資金シフトする動きが出ているといえる
が、それが一巡すれば共に落ち着くだろう。」

T「ああ。取りあえず今はトランプリスクが改めて意識されないよう期待したいモ
ンだ。」

M「そうだな。その為にもトランプ節復活しないことに期待したいモンだ。」