恐怖政治の到来を予感? 近未来小説「1984年」が米で突如人気

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マイク・ペンス副大統領(左)とともに、ホワイトハウスに向かう途中、報道陣に手を振るドナルド・トランプ大統領=25日、米ワシントン(AP)
 監視国家の恐怖を描いた英作家、ジョージ・オーウェルの近未来小説「1984年」が米国で突如、人気になっている。25日時点の米インターネット通販大手アマゾン・コムでも、売れ筋ランキングで1位に。批判的なメディアなどを敵視するトランプ政権の発足が影響しているとみられる。
 米紙ニューヨーク・タイムズによると、トランプ大統領が就任した20日以降、「1984年」の売り上げは9500%増に。出版社は既に7万5千部を増刷したが、追加発注も検討しているという。
 「1984年」では、独裁国家が新しい言語「ニュー・スピーク」を強制して、歴史を改ざんし、国民の論理的な思考を封じる様子が描かれている。
 スパイサー米大統領報道官は、2009年のオバマ前大統領の就任式と比較して大幅に少なかったとみられるトランプ氏の就任式の人出が「過去最高」だったと主張。スパイサー氏は批判を受けたが、この主張を「オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)」と擁護したコンウェー大統領顧問の発言が、「1984年」の内容を想起させるとの指摘が相次いでいる。