◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2017.02.04

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週の日本市場は反落となった。依然として不安定な相場が続いている感じだ
。」

M「ああ。日経平均TOPIXは今週再び25日移動平均線割れとなってしまっており、
日経平均は節目の19000円も再度割り込んでいる。」

T「今週はトランプリスクが意識された格好だな。」

M「そうだな。トランプ新大統領は大統領令を連発しており、行動力を評価する一
方で、やり過ぎだとの懸念も意識されている。」

T「やはりテロ対策を強化する為に、入国審査厳格化の大統領令が批判を浴びてい
る。」

M「ああ。それにより米国に入国拒否される人が続出しており結構な問題になって
いるようだ。」

T「米国内でも批判多く、何よりも与党からの批判も相次いでいるようだな。」

M「だろうな。それにより今週は一気にトランプリスクが意識されてきた。」

T「それに今週はついにトランプ大統領が円安に言及してきている。」

M「ああ。今まで中国に対してのドル高懸念は口にしていたが、初めて日本を名指
しで批判してきている。」

T「米企業幹部との会合で、日本は何年も通貨安誘導政策を行ってきたとの発言を
しており、為替政策を批判してきた。」

M「それにより今週は円高が進行している。ドル円は再び1ドル112円台まで円高
進んだ。」

T「来週末には日米首脳会談を控えているだけに、そこでトランプ大統領が日本の
金融政策にも言及してくる恐れも出てきたといえる。」

M「それだけにドルは対円で買われにくくなっており、円高圧力が強まっている状
況だ。」

T「それにより今週の日本株にも重しとなっている格好だ。」

M「今週は日銀金融政策決定会合や、米FOMC、それに米経済指標が多かった。それ
らをうけても円安へとは行かなかったのは厳しい。」

T「そうだな。FOMCでは、次回会合での利上げが示唆される可能性もあったんだが
、市場が思っていた以上にハト派的な内容だった。」

M「まあハト派的というより前回とほぼ同じような内容だったといえ、まだ利上げ
時期を決めていない印象だ。」

T「今後の健在指標次第で判断するという感じかもな。」

M「金融政策に大きく影響を与える雇用統計が昨日発表されたが、雇用者数は市場
予測大きく上回ったものの、失業率が低下し、賃金の伸びが前月より鈍化した。」

T「前回の雇用統計では、賃金の伸びが加速しドルが買われた。今回の雇用統計で
も賃金が更に加速して伸びてくれば、早期利上げが必要との見方が多かった。」

M「ああ。それだけに今回伸び鈍化したことは早期利上げの可能性はやや低下した
格好だ。」

T「だろうな。この雇用統計をうけてドル円はドルが売られ円高へ進行している。」

M「ただ米国株には追い風になったようだ。雇用者数はしっかり増加する一方で、
早期利上げ懸念が和らいだんだからな。」

T「それに昨日は金融規制を見直す大統領令トランプ大統領が署名したことも大
きい。」

M「そうだな。トランプ大統領による政策で、結構期待されている政策の一つだ。」

T「大規模な減税に、インフラ投資、それに金融規制の見直し、これらがトランプ
ラリーの背景にあったからな。」

M「それにより昨日の米国市場では金融株が総じて買われて、指数を押し上げた。」

T「ダウは大きく上昇し2万ドルを回復した。今週はダウ、19800ドル台まで下落す
る場面あったが、週末にしっかり戻して今週を終えている。」

M「ナスダック指数は史上最高値を更新し引けている。米国株はトランプリスクが
重しとなっているものの、政策期待が支えになっている格好だな。」

T「ただ米国以外の国では、米国の政策期待よりやはりトランプリスクの方が意識
されやすい。」

M「まあトランプ大統領の政策はアメリカファーストという保護主義的な政策だか
らな。米国には追い風となるが、他の国には逆風となる事も多い。」

T「日本株はトランプリスクが重しとなっている格好だ。シカゴ日経先物は上昇し
ているものの、円高が重しとなって上値の重さも見られている。」

M「週明けは日経平均19000円回復しそうだが、それを維持できるのか微妙かもな。


T「維持できたとしても、更に上げていく展開は想定しにくいかもな。」

M「来週末には日米首脳会談があるわけだし、トランプリスクは引き続き意識され
やすいからな。」

T「ただ米国株が強く上げていけるならば、日本株にも追い風にはなるだろう。今
の状況はそれに期待するしかないのかもな。」

M「ああ。来週末どういう格好で終えているのか注目だな。」

T「そうだな。波乱無く来週末を迎えたいモンだ。期待したい。」