サイト休止で収入はいきなり3分の1に…「盗用なぜ」揺れる現場

サイト休止で収入はいきなり3分の1に…「盗用なぜ」揺れる現場


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DeNAのサイトで執筆していた女性=2月、北海道

 今回の不正記事問題をめぐっては、インターネットメディアの世界で働く人の生活にも影を落としている。「なぜ盗用のチェックを徹底しなかったのか」。子育ての傍らDeNAが運営するサイトで記事を執筆していた女性は、記事の発注ストップで収入が激減。「他にも苦労しているライターは多いと思う」と話す。

 アパレル業界で働いた経験があり、約3年前からDeNAのサイトでファッションや化粧品を紹介する記事を書き始めた。北海道内陸部の自宅で子供2人を育てながら、毎日1本の長文記事を執筆し、月約30万円の収入があった。

 ネット上の画像を無断使用していた時期もあったが、許可を得たサイトのものを使うようルール変更があり注意するようになった。担当者からは「記事の盗用はしないように」とくぎを刺されていたという。

 だが昨年末の問題発覚で、DeNAのサイトは一斉休止に追い込まれた。運営側からは「業務を打ち切る」とライター向けの連絡があっただけ。それまでの仕事は大半がDeNA絡みだったため、いきなり収入が3分の1になった。

 結局、13日に公表された第三者委員会の調査結果も知らされなかった。他社サイトの仕事で、執筆依頼がなくなったものもあり、業界全体への影響を肌で感じている。「新しい仕事を探すのは大変。DeNAは全てのサイトをきちんと管理してほしかった」