旧規格パスワード「小学生でも破れる」 無線LAN「ただ乗り」無

旧規格パスワード「小学生でも破れる」 無線LAN「ただ乗り」


 ケーブルを使わずインターネットに接続できる無線LANは、その利便性から急速に普及し、オフィスや家庭だけでなく、街中で使える環境整備が進んでいる。ただ、暗号化鍵(パスワード)の規格が古いと簡単にただ乗りされる恐れがあり、専門家は「小学生でも破れる」と注意を呼び掛けている。

 多くの企業や家庭ではパスワードを設定し、第三者の接続を制限している。今回の事件では、被告が近所の家が使う無線LANの接続に必要なパスワードを取得し、インターネットに不正アクセスを繰り返したと認定された。この家が使用していた暗号化方式は「WEP」と呼ばれる古い規格だった。

 情報セキュリティーが専門の森井昌克神戸大大学院教授は「WEPのパスワードを解読できるハッキングツールが広まっており、知識がなくてもただ乗りできる」と指摘。現在国内で市販されている無線LAN機器やパソコンなどは、そのほとんどがより安全性の高い「WPA」や「WPA2」の規格に対応しているが、よく分からないままWEPで使い続けている人が少なくないという。

 森井教授は「WPA2でも絶対に安全とは言えないが、説明書をよく読み、推測されにくいパスワードを設定すればセキュリティーは格段に強化できる」としている。