「旭日旗」処罰のAFC、「無知」を国際社会に示すことにならないか…

旭日旗」処罰のAFC、「無知」を国際社会に示すことにならないか…女性理事は「世界女王」答えられず

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バーレーンで開かれたAFC総会。役員改選などが行われ、理事の発言が波紋を広げている(ロイター)

 「女子サッカーの世界女王は……。韓国?それとも日本だっけ? あー米国」-。アジア・サッカー連盟(AFC)の役員改選で、国際サッカー連盟(FIFA)理事に就任したマハフザ・キロン氏(バングラデシュ)が、現在の世界女王である米国の名前をすぐに言えなかったことが波紋を広げている。
「とても残念」…米国代表選手も落胆の回答

 キロン氏は今月8日にバーレーンのマナマで開かれたAFCの年次総会で、元オーストラリア代表選手でAFC副会長だったモヤ・ドット氏らを破り、AFC選出のFIFA女性理事(1枠)に当選した。それを受け、英BBC放送がキロン氏にインタビュー。その中で、世界女王について尋ねた。キロン氏が正解である「米国」と答えることができたのは、「韓国」「日本」の名前を挙げた後の3カ国目だったという。

 現在の世界女王は2015年女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会で優勝した米国で、日本は準優勝、韓国は16強で敗退していた。最新のFIFAランキングでは、1位は16年のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得したドイツで、米国が2位。五輪出場を逃した日本は6位、韓国は17位となっている。

 BBC(電子版)は米国の代表選手として活躍したカーリー・ロイドの「とても残念」とのコメントも掲載してキロン氏の女子サッカーに対する知識不足を指摘した。
サッカー界の政治的なシステムが原因…「旭日旗」にも当てはまる?

 記事の中で、キロン氏に質問したBBCの記者は「職務に適当ではない人が莫大なパワーと影響力のあるポジションに就任することを可能にする、サッカー界の政治的なシステムが明らかになった」とまで断罪。その上で「FIFAの年次総会には大勢の男性(理事)も出席しているが、キロン氏と同じくらい(サッカーの基本知識について)無知だ」と記している。

 実は今回、この問題を取り上げたのは、4月25日に韓国・水原で行われたサッカーアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の水原-川崎戦で、川崎サポーターの男性2人組が旭日旗を掲げたことに対し、AFCが試合後に川崎側の観客席の出口をふさぐなどの騒動を引き起こした水原側ではなく、川崎を処罰する方針を発表したからである。

 「旭日旗は旧日本軍が軍旗として使っていたものだ。ナチス・ドイツを象徴するハーケンクロイツによくたとえられる」(韓国紙中央日報)などとする韓国側の主張を鵜呑みにして川崎側を処罰する方針を決めたのであれば、それは女子サッカーの世界女王を答えられなかったキロン氏と同じように、「無知」「非常識」を指摘されても仕方がないのではないか。

 キロン氏をインタビューしたBBCの記者は「ジャーナリストがFIFAのメンバーにインタビューする際には、キロン氏への世界女王の質問と同じような問いかけをいつも浴びせるようにすれば、その結果は興味深いものになるだろう」とあげつらっている。もちろん、サッカー界には経験も知識も豊富な尊敬すべき人物が何人もいる。AFCの中にも、きっといるだろう。

 そういう点で、もろ手を挙げてBBCの記者の意見に賛同するつもりはない。だが、韓国の「旭日旗=悪」の既成事実化に簡単にだまされてしまうようだと、AFCの常識も疑いたくなる。少なくとも、国際社会に対して赤っ恥をかくことになるのではないだろうか…。