「痴漢冤罪保険」申し込み10倍増 月590円

「痴漢冤罪保険」申し込み10倍増 月590円 スマホ「ヘルプコール」で弁護士がお助け

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いつ痴漢冤罪に巻き込まれないとも限らない(画像を一部加工しています)

 それでもボクはやってない-。「痴漢」に間違われたときに助けてくれる特典の付いた保険が注目されている。痴漢を疑われ、線路から逃走する事案が相次いだこともあって、ゴールデンウイーク前後で申込者が約10倍に急増したというのだ。(夕刊フジ)

 「痴漢冤罪(えんざい)ヘルプコール付き弁護士費用保険賠償責任保険」は、刑事事件を含まない事案や事故の当事者となった場合に弁護士や法律相談の費用、賠償金を負担するもので、法律相談では離婚、遺産相続、リストラ等の民事問題から、いじめやケンカ、子供のいたずらなど身近な事件まで対応している。

 保険料は月額590円(年額6400円)で契約期間は1年。被害者となった場合の弁護士費用などの保険金が最高300万円、法律相談など保険金を最高10万円、加害者となったときには個人賠償責任保険金を最高1000万円受け取ることができる。

 話題となっているのは「痴漢」の事案に対応するオマケが付いている点だ。「ヘルプコール」とは、自分が痴漢に間違われたときにスマホのボタンを押すと、提携している弁護士にメールが一斉送信され、対応可能な弁護士から返信が届き、指示を仰ぐことができるという仕組みだ。

 保険を扱うジャパン少額短期保険株式会社の杉本尚士社長は、「満員電車に乗る機会が多いところで、いつ自分が痴漢冤罪に遭うか分からない。そのリスクを保険会社が負うという意図をもって始めた」と話す。

 2015年9月のスタート以来、痴漢冤罪で保険が使われた事例もあった。大宮駅で痴漢に間違われた加入者が「ヘルプコール」を利用。通報後に2人の弁護士から連絡があり、逮捕されずに済んだという。

 女性が痴漢の被害にあった場合にも対応しているが、加入者の9割が男性で、首都圏や大阪、名古屋など、電車を利用する人が加入するケースが多い。「ゴールデンウイーク前までは1日あたり2、3件の申し込みがあったが、それ以降は1日20~30件と約10倍に増えた。現在も増え続けている」と杉本社長。

 本物の痴漢が悪用することはないのか。前出の杉本社長は「冤罪の場合、発生後48時間の弁護士相談料や接見費用を全額負担するが、事後的に故意だと発覚した場合は全額返金を要求することにしている。犯罪をする人を救う意図はない」と強調する。

 電車通勤時のリスクマネジメント費用と考えると、月額590円は高くないのかも。