米艦フィッツジェラルド、衝突前にコンテナ船がライトで警告
米艦フィッツジェラルド、衝突前にコンテナ船がライトで警告
[東京 26日 ロイター] - 伊豆半島沖で米海軍のイージス駆逐艦と衝突したコンテナ船の船長が、船主に提出した報告書の内容が明らかになった。コンテナ船は左舷にイージス艦を見つけ、ライトを点滅して注意喚起したものの、米艦は針路を維持。コンテナ船は右に回避しようとしたが、間に合わなかった。
報告書によると、フィリピン船籍のコンテナ船「ACXクリスタル」は時速18ノット(約33キロ)で東京湾へ向けて航行。17日午前1時15分、見張り2人が左舷40度の3カイリ(約5.6キロ)離れたところにイージス艦「フィッツジェラルド」がいるのを発見した。
その5分後、イージス艦が「突然」動き、そのままの針路では衝突しそうに見えたことから、コンテナ船は手動で操舵しながら、注意を引くためライトを点滅させた。米艦は針路を維持したままのように見えたという。コンテナ船は右へ一気に舵を切ったが、午前1時30分、両船は衝突した。
今回の衝突事故ではイージス艦の乗員7人が死亡。米海軍にとって、2000年にイエメンで起きたイージス艦爆破事件以来の惨劇となった。フィッツジェラルドの艦長は自室で負傷しており、衝突前に警報が鳴っていなかった可能性を示唆している。