◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2017.08.19

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「今週も日本株は下落となり、これで日経平均は5週連続の下落だ。TOPIXは2週
連続の下落となった。」

M「ああ。先週急浮上した北朝鮮リスクが、今週はひとまず落ち付いたんだけどな
。」

T「そうだな。」

M「北朝鮮問題は、米国の複数の要人から外交・経済的な解決を優先することが示
されたことで、軍事衝突への警戒が和らいだ。」

T「それに加えて北朝鮮側からは、グアム攻撃計画を中止することを決めたと報じ
られており、安心感に繋がった。」

M「まあ、これで北朝鮮リスクが消えたわけではなく、今後も再び再浮上してくる
恐れは当然あるものの、ひとまず懸念和らいだのは確かだろう。」

T「ただ来週には再度懸念視される恐れもあるとの見方も多い。」

M「そうだな。来週から米韓合同軍事演習が行われる。毎年行われている恒例行事
といえるが、それに対して北朝鮮は以前から牽制する姿勢を示しているからな。」

T「ああ。それに対抗する意味で、北朝鮮が何らかのアクションを起こすのではと
の懸念がある。」

M「昨年はこの軍事演習中に、北朝鮮はミサイル発射している。まあ攻撃したわけ
ではなく、あくまでも試射であり実験だけどな。」

T「今回もミサイルを実験的に発射する恐れはあるかもな。」

M「まあ、ミサイル発射実験では、さほど嫌気されない可能性もあるが・・。」

T「そうだな。それに今週、北朝鮮はグアム攻撃計画中止するなど、やや引いた姿
勢を示しているだけに、米韓合同軍事演習も静観するという可能性も十分あるだろ
う。」

M「いずれにしろ北朝鮮リスクは、このまま消え去ることはない。再度懸念視され
る場面は必ず来るだろうからな。油断せず、頭の片隅には入れておくべきだろう。」

T「ああ。今週はせっかく北朝鮮リスクが和らいだのに、代わりに浮上してきたの
がトランプリスクだ。それが北朝鮮リスクと入れ替え的に浮上してきたことが、今
週の主な下落要因だと言えるだろう。」

M「そうだな。それにより米国株が大きく下落し、リスクオフの動きが強まって、
為替市場では円高へ振れた。」

T「ああ。それにより今週末の日本株は大きく下落してしまった。」

M「北朝鮮リスクが落ち着き、全体的にリバウンドしたんだが、戻した分以上に週
末売られたからな。」

T「それだけに来週の懸念はやはりトランプリスクがこれ以上、強まらないかどう
かだろうな。」

M「そうだな。今週はトランプ大統領が人種差別を容認するような発言をしたこと
を機に、トランプリスクが高まってきている。」

T「ああ。米国の人種差別問題は非常に大きな問題で、さすがに今回はトランプ大
統領ヤバイのではとの見方が強まっている。」

M「そうだな。今回のことを機に、企業の経営者など幹部達が、大統領の助言役を
次々と辞任し離れていった。それにより2つの助言機関が解散に追い込まれた。」

T「人種差別を容認するような発言をしたトランプ大統領に付いていれば、自分や
その企業に大きなマイナスになるからな。」

M「ああ。それだけ米国での人種差別問題は大きなことなんだ。もうトランプ大統
領を擁護できないと見きる向きも多く出てくるのも無理はない。」

T「インフラ投資に関する諮問会議設立計画も撤回せざるを得ない状況となってお
り、トランプ大統領が掲げる政策への期待が一段と後退してしまった。」

M「既に政策期待は乏しくなっていたとはいえ、やはり政策の後押しがないと、米
国の先行き景気は不透明になってしまうからな。」

T「ああ。今は米景気も好調な状況だが、それを出来るだけ長く維持して行くには
、やはり政策の後押しが必要だろう。」

M「下手すりゃ、今回のことを機にトランプ下ろしが始まる恐れがある。既に弾劾
を求める声が一部の議員から出てきている。」

T「弾劾手続きに進となれば、それこそ議会はストップしてしまい何も決められな
くなる。」

M「ああ。米国は債務上限問題も控えており、9/5から再開される米議会でなかなか
債務上限引き上げが決められないと、10月にもデフォルト懸念が出てくることにな
る。」

T「このままトランプリスクが後退していけば良いが、トランプ下ろしの動きが強
まるようだと、一段とリスクオフが強まる恐れもありそうだ。」

M「昨日はトランプ大統領の側近であるバノン首席戦略官兼大統領上級顧問が更迭
されたことが明らかになり、米国市場では好感される場面も見られた。」

T「ああ。バノン氏は白人至上主義などを唱えるネット右翼を掲げるニュースサイ
トの元運営者であり、人種差別的な人物と見られている。」

M「ホワイトハウス内でも穏健派と結構衝突しており問題視されていたからな。」

T「ただバノン氏が辞めたからって、トランプ大統領の人種差別容認とも言える発
言が消えるわけではない。」

M「そうだな。ただ取りあえずトランプ政権から厄介者が居なくなったことで、落
ち着きを取り戻す期待はある。今週噂として浮上した、ゲーリーコーン国家経済会
議委員長の辞任も、これで後退する期待あるからな。」

T「ゲーリーコーン氏はある意味、経済政策の要とも見られている人物だけに、彼
が辞任するとなれば、完全に政策期待が消えて無くなる恐れもあった。」

M「ああ。まだどうなるか不透明だが、取りあえず来週トランプリスクはフェード
アウトしていけば良いけどな。」

T「そうだな。期待したいモンだ。」