慰安婦像「寄贈受ければ姉妹都市解消」、大阪市長 米SF市に対し

慰安婦像「寄贈受ければ姉妹都市解消」、大阪市長 米SF市に対し

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吉村洋文大阪市長 =25日、大阪市中央区(志儀駒貴撮影)
 
大阪市の吉村洋文市長は25日、姉妹都市の米サンフランシスコ市の公園で中国系民間団体が慰安婦像や碑文を設置したことに関し、「サ市が団体から慰安婦像の寄贈を受け入れることになれば、姉妹都市の関係を解消する」と述べた。市役所で報道陣の質問に答えた。
 サ市での慰安婦像の設置をめぐっては、韓国系団体なども協力する形で市内の公園の展示スペースに今月22日に設置された。像はいわゆる「少女像」とは違い、背中合わせに立った女性3人が手をつないでいるデザイン。一方、サ市が承認した像の内容を説明する碑文では慰安婦を「性奴隷」と明記するなど、日本政府の見解と異なる内容が含まれている。
 
展示スペースは今後、民間団体がサ市へ寄贈し、公有地になるとみられる。
 吉村氏は25日午前、松井一郎大阪府知事とともに8月に着任したハガティ米駐日大使と面会。会談の中で、松井氏はサ市の慰安婦像問題に不快感を示し、「慰安婦の問題は朝日新聞フェイクニュースで世界に間違った情報が流れたものだ」とハガティ氏に説明。「誤った情報で両国の関係がうまく進まなくなることを懸念している」と強調した。

 吉村氏も「サ市の意思としてパブリックスペースに(慰安婦像が)設置されることになれば、姉妹都市の関係を根本から考え直さないといけない」と述べ、ハガティ氏からもサ市へ働きかけてもらえるよう要請した。
 吉村氏は同日午後、市役所で記者団の取材に応じ、「平成27年に慰安婦問題に関する日韓合意がなされ、米も関与している。サ市が自治体として像の寄贈を受けるのであれば、姉妹都市の前提である信頼関係が崩れる」と述べた。

 すでに民間団体が像の除幕式を行っているうえ、サ市で「慰安婦の日」が制定されるなどしていることから、「危機感はワンランク上に上がっている」と語り、サ市が像の寄贈を受け入れることがあれば姉妹都市を解消する考えを示した。
 大阪市とサ市の姉妹都市提携は今年で60年目。節目を記念し、10月にはサ市のエドウィン・M・リー市長らが大阪市を訪問する予定となっている。