地域や学校ごとで内容に違いが見られる校則。その中に定められた項目が適切かどうかなどは、たびたび問題になってきた。
赤みがかった地毛の黒染めを学校から強要されたとして
宮城県立高校の元女子生徒が損害賠償を求めた訴訟では平成18年、
仙台地裁で、県側が「教育的配慮に欠けた」と謝罪し、和解した。
また、
兵庫県の小学生が、進学予定の中学校の「男子生徒は
丸刈り」という校則は違法とした訴訟では、
最高裁が8年、原告側の上告を棄却したが、校則について「守るべき一般的な心得を示すにとどまり、生徒に対する具体的な法的効果を生じるものではない」との判断を示した。
私学はもちろん、公立高校であっても校則は一律ではない。
大阪府教育庁の担当者は「校則の運用は各学校に委ねており、府
教育庁で指導や監督をしているわけではない」と話す。
今回の訴訟では、学校の生
徒手帳に「特異な髪形や染髪・脱色などは禁止する」との記載があり、学校はこれを“校則”として「黒髪が学校のルール」と女子生徒に伝えていたとみられる。この妥当性が裁判で判断されるかどうか注目される。
同志社大の大島佳代子教授(
憲法・教育法)は「生まれもった身体的特徴は
憲法上保障されている。集団生活には一定のルールが必要だとしても、学校側は生徒の髪をどうしても黒染めにさせなくてはならない理由を具体的に説明する必要がある」と話している。