未病(4)疾患の前兆か 「片頭痛」こめかみ冷やし暗室で安静に

未病(4)疾患の前兆か 「片頭痛」こめかみ冷やし暗室で安静に

 頭痛も病気になる一歩手前の「未病」の一つ。埼玉国際頭痛センターの坂井文彦センター長らの試算によると、日本人の15歳以上の男女の3人に1人に相当する3千万人超が「頭痛持ち」という。脳疾患の前兆の可能性もあるから楽観は禁物だ。主な原因と対処法を知っておきたい。

 頭の片側がズキズキと脈打つように痛む「片頭痛」は脳内物質のセロトニンが何らかのきっかけで増減することによって脳表面の血管が収縮・拡張し、周辺の神経が刺激されることで起こる。睡眠不足や女性ホルモン分泌量の変動が引き金になり、台風接近など気圧が変化したときにも起こりやすい。
 対処法は、こめかみを冷やすと同時に、強い光や大きな音が脳を刺激して痛みが増すのでカーテンなどで日光を遮り室内を暗くして安静に。耳栓も有効だ。チョコレートや赤ワインなど血管を拡張させる食べ物を控え、専用の鎮痛剤を医師に処方してもらおう。

 頭がキリキリと締め付けられように痛む「緊張型頭痛」は、頭を支える首や肩、背中の筋肉が緊張して血流が悪くなって起こる。パソコンやスマートフォンを長時間同じ姿勢で操作するなど、精神的な緊張が原因だ。
 こまめに休憩し体を軽く動かして筋肉をほぐしたり、ゆっくり入浴して背中を温めたりするのがよい。リラックス効果が得られるラベンダーの精油を植物油で希釈して首や肩をマッサージするのもいい。頭痛は大事に至る前のセルフケアが大切だ。(取材協力 養命酒製造