国連対日「報告」、人権を蹂躙する国に言われる筋合いはない 「慰安婦」めぐる捏造の撤回求めよ

国連対日「報告」、人権を蹂躙する国に言われる筋合いはない 「慰安婦」めぐる捏造の撤回求めよ

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セント・メリーズ公園展示スペースに設置された慰安婦像=9月22日、米カリフォルニア州サンフランシスコ(中村将撮影)

 国連人権理事会の対日作業部会の暫定報告書が、中国、韓国の不当な言い分を入れた、とんでもない内容になった。
 慰安婦問題をめぐり、日本政府への謝罪と補償を要求している。到底、受け入れられるものではない。厳しく撤回を迫る必要がある。
 採択された報告書には、日本の人権状況について200余の勧告が記された。
 とくに看過できないのは、慰安婦を「性奴隷」とするなど歴史を捏造(ねつぞう)し、いわれなき批判と要求を続けていることである。
 中国は「歴史を直視し、慰安婦に対して誠実に謝罪し、補償を行うべきだ」と書くことを求め、そのまま盛り込まれた。
 「『性奴隷』を含めた人道に対する罪」について、法的責任と誠実な対応を求めたのが北朝鮮だというから驚く。人権を蹂躙(じゅうりん)する国に言われる筋合いはない。
 韓国の「次世代に歴史的真実を伝える努力をすべきだ」との要求も盛り込まれた。伝えるべきは韓国である。慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を明記し、国際社会で非難しないと約束した日韓合意を無視している。
 審査の中で、韓国代表は日韓合意について「元慰安婦や民間団体などから容認できないとの意見が出ている」と指摘し、世論に基づいた判断だと強弁する。
 だが、元慰安婦の多くは合意に基づき、財団の支援事業を受け入れている。合意をほごにして内外の信用を損なうのは韓国だ。
 今後、日本政府はどの項目を受け入れるか表明する。菅義偉官房長官は暫定報告について、ごく一部の国や地域からの発言が基本的に掲載される傾向があるとして、中身を精査するという。

 不当な勧告を拒否するのは当然だが、早くから適宜、的確に反論しなければ、国連の名を冠して「性奴隷」の誤解を広めたクマラスワミ報告の二の舞いになる。
 米サンフランシスコ市に慰安婦像が設置され、市が寄贈を受け入れる「公共物化」の動きも止まらない。碑文は「性奴隷にされた数十万人の女性や少女の苦しみの証拠」などと記している。
 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」事業では、中国が申請した「南京虐殺文書」が登録され、撤回されていない。なぜ政府は毅然(きぜん)と事実を突き付けないのか。