ボストン・ダイナミクスのヒト型ロボットが、なんと「バク宙」するまでに進化した

ボストン・ダイナミクスのヒト型ロボットが、なんと「バク宙」するまでに進化した


 ソフトバンクが2017年6月に買収したボストン・ダイナミクスが、なんと「バク宙」するヒト型ロボットをつくりあげた。その進化は、歩いたり走ったりするにとどまらないのだ。論より証拠。記事中にある動画をご覧いただきたい。
http://www.sankei.com/images/news/171118/wir1711180001-p1.jpg
ソフトバンクが2017年6月に買収したボストン・ダイナミクスの人間型ロボット「Atlas(アトラス)」が、いまや「バク宙」をするまでに進化した。大事なことなのでもう一度言おう。バク宙するヒト型ロボットだ。
下の動画を見てほしい。ヒト型ロボット(ヒューマノイド)が、まさにバク宙をしている。さらにその前に、ロボットは台から台へと飛び移っている。まるで二足歩行ロボットはそうするのが当たり前であるかのように--。
はっきり言っておこう。 ヒューマノイドにこんな動きができるなんて考えられない。効率的な動きをする二足歩行ロボットをつくるのは非常に難しいのだ。ましてや宙返りだなんて。
四足歩行ロボットは、止まっているときも動いているときも、たやすくバランスをとって美しい動きをする。しかしアトラスのような二足歩行ロボットは、2本だけの脚で、かさばる上半身のバランスをとらなければならない。そう考えればロボット研究者は、動きを容易にマスターする非人間型ロボットの開発に時間をかけたほうがいいと言えるかもしれない。

しかし、現実にはアトラスや「Cassie(キャシー)」[日本語版記事](これは人間というより鳥のように歩く)のような、二足歩行ロボットが開発されている。わたしたちは人間に合うようにつくられた世界に住んでいる。だから人間のように歩くロボットを身の回りに置きたいような状況もあるだろう。
例えば、汚染された核施設を探索しなければならないときには、階段やはしごを上ってヴァルヴを回すようなロボットが欲しくなる。だからヒューマノイドの実現に向けた開発を進めるべきなのかもしれない。
その到達点があるとするなら、それがアトラスだ。何年も開発が進められるうちに、アトラスはバク宙ができるようになっただけでなく、より軽く、より機敏になり、顔から倒れることなどなくなった。倒れたとしても、いまでは自分で立ち上がることができるのだ。
だから将来、太った人間が行こうとしない場所にアトラスが行くようになることは、十分に予想できる。特にボストン・ダイナミクスが、使えるお金をふんだんに持っている日本の超巨大企業ソフトバンクに買収されたいま、そう考える理由は大いにある。
とはいえ、バク宙をするアトラスは最高峰の特別な存在である。ヒューマノイドは、やはりまだ苦労している。ひとつ苦手なのが、細かい動きをすること。これはヒューマノイドにとって、超えるのが難しい障害だ。よほど運がよくなければ、人間の手の動きを再現することは難しいだろう。
もうひとつの悪夢が、バランスをとらせたりするとすぐに尽きるバッテリーの寿命である。でも恐らく、ヒューマノイドはいつかわたしたちの生活に入り込んでくるだろう。少なくともオリンピックくらいには参加してくるに違いない。

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