NHK受信料「合憲」 滞納・未契約どうなる?

NHK受信料「合憲」 滞納・未契約どうなる?

 6日の最高裁判決がNHK受信料の支払いにどのような影響を与えるのかをまとめた。
 Q 受信料はいくらか。
 A 受信料は現在、口座引き落としで2カ月払いの場合、地上放送が月額1260円(税込み)、衛星放送を含むと月額2230円(同)。
 Q 未払い世帯数は。
 A NHKが受信契約の対象とする約4600万世帯のうち、未契約が約900万世帯、契約済みの滞納が約100万世帯いる。
 Q NHKの対応は。
 A NHKは当初、契約済みの滞納者への督促を裁判所に申し立てたり提訴したりしていたが、近年は契約を拒む未契約者も対象にしている。個人の未契約者に起こした訴訟は約280件に上る。
 Q 未契約者はどこまで遡って支払う義務があるのか。
 A 最高裁判決によると、NHKが未契約者に対して受信契約の締結を申し出ただけでは契約は成立せず、契約を求める裁判を起こして勝訴判決を確定させる必要がある。判決が確定すれば、未契約者にはテレビを設置した時点まで遡って支払い義務が生じる。
 Q 未契約者が「テレビを持っていない」と主張したら。
 A NHKが裁判などでテレビの設置の有無を立証するのは難しいとされる。
 Q 契約済みの滞納者は。
 A 滞納者が「時効」を主張した場合、NHKは「過去5年分」までしか徴収できない。民法消滅時効制度で、家賃など短期間に一定の金額を支払う債権の時効は5年と定めているためだ。ただ、NHKは滞納者に時効を通知する義務はなく、未払い分を全額請求するが、滞納者から時効の申し出があれば対応するとしている。
 Q 海外の公共放送の受信料制度は。
 A NHKと同じく受信料収入のみで運営しているBBCのある英国では、147ポンド(約2万2千円)で1年間有効の受信許可証がないとテレビを購入できない仕組み。徴収率は93%で、違反者には最高1千ポンド(約15万円)の罰金が科せられる。イタリアや韓国は公共放送の受信料は電気料金と一緒に徴収している。