中国メディア・今日頭条は28日、「ハリウッドよ、日本アニメの実写版はもう止めてくれ」とする記事を掲載した。

 記事は「ハリウッドは映画ファンの間で優れた商業映画作品の代名詞となっている。しかし、その対象が日本アニメとなると、観客たちは居ても立ってもいられなくなる」とした。そして、ハリウッドで起こっている日本アニメのリメイクブームが、近年欧米で起こっている日本文化ブームに関係していると指摘。「日本の文化コンテンツが持つ西洋市場での潜在力を、ハリウッドをはじめとする西洋の文化コンテンツメーカーは自ずと絶好の商機と捉えているのだが、残念ながら連戦連敗を喫している」とした。

 その理由について記事は「やはり、海外の作品を現地化する際に生じる負の影響だ。まず、リメイク版作品に常につきまとう『白人化(ホワイトウォッシング)』の問題がある」とし、今年3月に上映された「攻殻機動隊」のハリウッド実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」において、主役の草薙素子をそのままの設定でスカーレット・ヨハンソンに演じさせたことで、批判が巻き起こったという事例を紹介。「ハリウッドは、アジア系人物の役を白人にさせるぐらいでは作品の現地化はできないということを認識していないようだ。現地化を口実にしたホワイトウォッシングは、実際はオリジナルを最も傷つける行為なのだ」と断じた。

 また、今の日本文化が西洋の影響を深く受けているとはいえ、日本と西洋には依然として大きな文化的、習慣的な差があることを指摘。「実写版を作る際、両者の差異を適切に処理しなければ、見る者に違和感を覚えさせることになる」とした。その例として2009年に公開された「ドラゴンボール」実写版を挙げ、「酷評が噴出した理由はまさにハリウッドが文化的な差異を無視し、ストーリー設定について慎重な処理を行わなかったことに起因する」と論じている。

 記事は最後に「日本の物語を必ずしも日本人が作る必要はない。しかし、日本の文化的な設定を尊重せず、お金に物を言わせて乱暴に現地化してしまえば、必ずや失敗という結末を迎えることになるのだ」と締めくくった。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)