◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.02.10

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は大波乱となった。日経平均は先週末23000円台だったんだが、今週21000円近くまで突っ込む場面も見られている。」

M「びっくりだな。年初からの上昇をあっさりと吐き出し、昨年10月の水準まで戻してしまったんだから。」

T「やはり下げるときは速いな。今週はオプションSQ週だったが、プットオプションはえらい動きになっていた。」

M「1円だったプットオプションが日中一時100円になったりするものも見られていた。」

T「米国株が今週は更に大波乱となり、月曜日にはフラッシュ・クラッシュもあってダウは1600ドル近くも暴落する場面が見られた。」

M「その日は結局1175ドル安で引けているが、その翌日の日本株も大波乱となった。」

T「その後はリバウンド的な動きも見せたんだが、木曜日には再び米ダウが1000ドル超の下落となり、日経平均はリバウンド分吐き出した格好だ。」

M「ただ昨日の日本株は派手に下げている割には落ち着いていた。やはり火曜日に経験しているだけに、結構冷静だった投資家も多いようだ。」

T「でも、このまま落ち着いていくかは解らない。昨日の米国株は相変わらず不安定な動きだった。」

M「ああ。今回の正解同時株安の引き金となった米長期金利の上昇だが、依然として高水準で推移している。」

T「それだけに昨日の米国株はまだ落ち着かず、ダウなど株価指数は乱高下だ。」

M「ああ。上昇して始まったものの、午後にはダウ500ドル超の下落となる場面もあったからな。」

T「しかもその後切り返して終盤にはダウ500ドル超の上昇となる場面もあった。」

M「一日の値幅はダウ上下1000ドル超もあったことになる。」

T「結局330ドル高で引けているが、たまたま引けたときがプラスだったという感じだな。」

M「確かに・・・。あと30分時間合ったら、マイ転していたのかも知れない。そんな印象だ。」

T「こうジェットコースター的な動きになると参加者も減ってきて、尚更乱高下しやすくなってしまう。」

M「ああ。やはり資金の流れを大きく変えた根本的な要因である米長期金利が落ち着いてこないことには、米国株も安心して買えないという感じかもな。」

T「つまり米国債が落ち着いてくる必要があるわけだな。」

M「更に金利上昇してくるなら今の水準でも米国債買いにくいとの見方もあるからな。」

T「パニック的に米国債売りに繋がらなければ良いのだが・・・。」

M「米国は債務上限を来年まで引き上げることが昨日決まっており、更にトランプ政権は大規模なインフラ計画を実行する見込みだ。」

T「それに大型減税だろ。そりゃ米財政赤字拡大は避けられないといえ、米国債売りに繋がるのも仕方ないんだろう。」

M「ただ、そんなことは以前から警戒されていたことだからな。まあ今年に入ってから米国債売り圧力強まり、金利上場が急ピッチになってきたため警戒されてきたんだろうけど・・。」

T「それに米国債の下落が新たな売りを更に呼んでいるということもあるだろう。」

M「だろうな。更に下げそうなら売っておこうとする向きも出てくるだろう。」

T「量的緩和政策中はFRB米国債を買い支えていたんだが、既に買入は停止しており、逆にバランスシート縮小に踏み込んでいる状況だからな。」

M「それに米国債を大量に保有している中国が、米国債買入規模の縮小を検討しているという報道も先月には出ていた。」

T「中国は否定していたが、そういった懸念も意識されて米国債売りに繋がっている面もあるんだろう。」

M「米商品先物取引委員会が毎週発表している10年物国債先物ポジション動向を見ると、投機筋がここに来て急速に売りポジション積み上げている。」

T「そのようだな。10年物国債先物の投機筋売り越し枚数は1年ぶりの高水準となっており、やはり更に米国債下げると見ている投機筋多いと言うことなんだろう。」

M「それはつまり米長期金利の上昇はまだ続くと見ていると言うことだ。」

T「まあ投機筋はいずれは反対売買で買い戻すんだろうけど、そういった投機筋の動きも米国債の売り圧力になっている恐れもありそうだ。」

M「米長期金利は現在2.85%程度だが、これが2.9%台に乗せてくるだけでも、更に米国株には波乱要因となる恐れもある。」

T「だろうな。このまま米国債落ち着いてくれれば良いのだが・・・。」

M「まあ更に米国債下げるようなら、つまり米金利が上昇してくるならば、FRB要人が口先介入でもしてくるんじゃないのか。」

T「取りあえずFRB新議長であるパウエル氏は、28日に議会証言を行う予定だ。」

M「その前に何らかのアクション起こして欲しいモンだけどな。まだ難しいか・・。」

T「来週は米経済指標発表も多い。強い経済指標目立つようだと、それは金利上昇に繋がる恐れがあるだけに、来週もまだ波乱含みかもな。」

M「取りあえず週明けは米国株落ち着きを見せて欲しいモンだな。あっさり反落するようだと、連休明けの日本株も厳しくなるだろうから。」

T「来週はどういう1週間になるのか注目したい。少しは落ち着いていて欲しいモンだが・・・。期待したいモンだ。」