やまぬネットでの個人攻撃…韓国選手も標的「代表剥奪請願」に35万人、涙の謝罪会見

やまぬネットでの個人攻撃…韓国選手も標的「代表剥奪請願」に35万人、涙の謝罪会見


http://www.sankei.com/images/news/180221/pye1802210017-n1.jpg
スピードスケート女子チームパシュートに出場した、左からキム・ボルム、パク・ジウ、ノ・ソンヨン=19日、平昌(ロイター)

 【平昌=桜井紀雄】平昌五輪の出場選手に対するインターネット上での中傷が後を絶たない。韓国選手の失格でメダルを獲得したカナダ選手への過剰な攻撃をめぐって警察が捜査に乗り出したが、韓国選手まで標的となる騒動も起きた。
 韓国で人気のスピードスケート女子、キム・ボルム選手の会員制交流サイト(SNS)に中傷が殺到し、非公開となった。準決勝進出を逃した19日の団体追い抜きの試合後、仲間の遅れのせいにするような発言がきっかけだった。
 大統領府のホームページで国家代表資格の剥奪を求める請願に35万人以上が賛同を示した。ボルム選手は20日の記者会見で涙ながらに謝罪した。
 これに先立ち攻撃にさらされたのがカナダのショートトラック女子のキム・ブタン選手だ。13日の500メートル決勝で、ブタン選手を押したとして韓国の崔●(=王へんに民)禎(チェ・ミンジョン)選手が失格し、銅メダルを得ると、ブタン選手のSNSには「ブタンも崔選手を押した」「反則でメダルを取った。恥を知れ」との韓国語や英語の非難が殺到、コメントは1万件を超えた。
 「殺してやる」との殺害予告もあり、韓国警察が捜査に着手。カナダ当局も選手の保護に乗り出した。

 中国選手の失格の腹いせに「韓国がどれほど卑劣か分かった」「韓国は中国の属国だ」と韓国選手のSNSなどに中国語の中傷が相次いだケースもあった。
 ソチ五輪ショートトラック女子で転倒し、韓国選手を巻き添えにした英国選手が中傷のやり玉に挙げられるなど、過去の五輪でも韓国から特定選手へのネット攻撃は繰り返されてきた。ネット上では、選手個人への中傷の自制呼び掛けに反発する書き込みも見られた。韓国紙は「五輪開催国として国の品格を落とすほかない」と警告している。