ヘッドホンよりスゴい! 肩にのせるソニーのスピーカー「SRS-WS1」

ヘッドホンよりスゴい! 肩にのせるソニーのスピーカー「SRS-WS1」

ソニー「SRS-WS1」は、肩にのせることで手軽に臨場感あふれるサウンドが楽しめるウェアラブルスピーカーだ。
「SRS-WS1」は首にかけて使用。スピーカーが首回りに配置されていることで、小音量でも豊かな量感の音声が耳に届き、音に包まれるような今までにない視聴体験を実現しているという
「SRS-WS1」は、小型ながら専用フルレンジスピーカーユニットを左右に搭載。スピーカー開口部から放射状に効果的に音が広がるボディ構造とデジタル音声処理により、包み込まれるような音場が生成される。
価格.com最安価格は23,413円(2017年10月2日時点)。サイズは、約210(幅)×205(奥行)×75(高さ)mmで、重量は約335g
スピーカーには、直径30mmの小型フルレンジスピーカーユニットを使用。高音域の再生にすぐれた小口径振動板を搭載し、首回りに配置することで小型ながらもパワフルな視聴体験が可能だ
音を拡散させるスリット構造を採用。拡散する音の範囲が広いため、使う人の体格や装着時の姿勢によらず、ダイナミックな音声が楽しめる。スリット内の手前に見えるのがスピーカーだ。下部には小さな調音ダクトが開いている
本機の魅力のひとつは、左右それぞれのスピーカーに低音を増強する振動板「パッシブラジエーター」が搭載されていること。映画のアクションシーンやライブコンサート映像のドラムやベースといった低音域に連動して振動することで、臨場感を高めてくれる。振動の強さは、3段階(強・中・弱)で調節可能。

映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」を鑑賞して使い勝手をチェック!

まずは、本機のセッティングから。
セッティングは、付属の送信機とテレビを接続するだけで完了。簡単に使い始められるのがうれしい。
設置は、microUSBケーブルで電源とつないだ送信機(写真左)を、光デジタルケーブルでテレビと接続(写真右)するだけ。テレビのデジタル音声出力はPCMに設定する
あとは、充電した本機を肩にのせて電源をオンにすれば、数秒後には本機からテレビの音声が流れてくる。スピーカーと送信機間は、音が途切れにくく低遅延な無線伝送技術を採用。電波による妨害や干渉に強く、テレビから最大約30m離れても聴こえるそうだ。
のせるだけで充電できる専用充電台が付属。1回約3時間の充電で、最大約7時間の継続使用ができる
載せるだけで充電できる専用充電台が付属。1回約3時間の充電で、最大約7時間の継続使用ができる
それでは、本機を使った映画の鑑賞に移りたい。
肌に触れる本体内側には、汚れにくい加工を施したファブリック素材を採用
肌に触れる本体内側には、汚れにくい加工を施したファブリック素材を採用
写真のように肩にのせて使用するのだが、背中から肩、鎖骨のラインに沿ったアーチ形状と、内側に備わっているインナークッションにより、位置を調整することもなく難なくフィットした。最初は約335gという重さで多少“のせている感”は否めなかったが、映画を鑑賞しているうちに慣れていった。
ソファで横になるなど多少ラフな姿勢でも、本体さえずれなければ音がくぐもったり、偏ったりするわけではないので安心して視聴ができた。また、使用中は周囲の音も聞こえるのがうれしい。
本体左のスピーカーの内側には、音量調節ボタンを配置
本体左のスピーカーの内側には、音量調節ボタンを配置
右のスピーカーの内側には、電源ボタン(左)と振動調節ボタン(右)を搭載
右のスピーカーの内側には、電源ボタン(左)と振動調節ボタン(右)を搭載
鑑賞する映画には、「アベンジャーズ」シリーズに代表される「マーベル・シネマティック・ユニバース」の1作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」をチョイスした。
お尋ね者たちが成り行きでチームを結成し、銀河の危機を救うハメになる姿を描いたアクションアドベンチャーのシリーズ第2作。ド派手なアクションシーンはもちろん、映画全編をポップに彩る1970年代のロックの名曲たちが満載で、本機の視聴にはもってこい!
冒頭10分のオープニングシーンで度肝を抜かれた。
冒頭は、1977年にリリースされたエレクトリック・ライト・オーケストラの「ミスター・ブルー・スカイ」がBGMで流れる中、主人公一行が巨大なモンスターと激しく戦うシーンなのだが(このミスマッチがこれから始まる大冒険の期待感をめちゃくちゃあおってくれる)、音の響き方や反響のし方が、まさに映画館で鑑賞しているときのよう。モンスターのうなる声や、銃やミサイルの乱射音、そしてBGMが立体的かつ重層的に頭の周りを包み込んでいるイメージだ。そして、ミサイルの発射音や爆発音に連動して、パッシブラジエーターがズレや違和感なくガンガン震える。ヘッドホンのように密閉感もないので、まさに映画のワンシーンの中に実際にいるような臨場感。これはヘッドホンの比にならない。すごい……。
比較的静かなシーンでも、本機が生み出す臨場感は味わえた。
登場人物2人の会話シーンでは、セリフが耳元で聴こえ、まるで自分もその会話の輪に入っているような不思議な感覚。森のシーンでは、かすかな小鳥のさえずりや焚き火のなかで木がはじける音までしっかりと耳に入ってくる。また、クルマが画面右から左に走れば、駆動音も右から左に流れていくなど、立体感もハンパない。
オープニングの「ミスター・ブルー・スカイ」を含め、1970年代の名曲たちが劇中では流れるのだが、どれも楽器ひとつひとつの音がクリアでしっかりと聴こえるため、バンドが近くで演奏しているかのような臨場感が味わえた。
ちなみに振動の強さは、今回の映画の場合、劇中シーンとマッチしたのは「中」。「弱」だともの足りなく、「強」だと何でもないシーンでも振動が起きてしまうこともあった。

【まとめ】ライブコンサートビデオやVRゲームにもオススメ

本機は、映像の中に入り込んだような今までにない臨場感が楽しめる。パッシブラジエーターの振動も生かすとなると、映画の場合は特にアクション映画がオススメだ。
映画の劇中の微細な音がここまで聴こえるとしたら、本機はライブコンサートビデオにも最適だ。盛り上がる観客の音まではっきりと聞き取ることができ、まさにライブ感を体験できるだろう。
また、ゲームにもオススメ。たとえば、「PlayStation VR」とあわせて本機を使ったら、臨場感をより高めることができるはずだ。「PlayStation VR」と本機のセットなら、シネマティックモードで映画を見るのもよさそうだ。
なお、今回の視聴では、7~8年前に発売された旧型「ブラビア」を使用したが、問題なく対応した。たとえ光デジタル出力のないテレビでも、同梱のアナログ音声ケーブルを使うことはできる。また、PCやスマホでの利用にも対応する。