元女性トレーダー不当解雇認定、上司がPC無断利用して取引と主張

元女性トレーダー不当解雇認定、上司がPC無断利用して取引と主張

Hannah George
2018年3月30日 15:15 JST

不在時に自分のオンラインチャットのアカウントを上司が取引を行うために使い、その後解雇されたとして、不当解雇の認定と損害賠償を求めたロンドンの元女性トレーダーの訴えが認められた。
  ロンドンの雇用審判所は29日、アイガー・セキュリティーズによるエカテリーナ・コルシュノワ氏の不当解雇を認め、同氏の精神的苦痛に対し、5000ポンド(約75万円)と利子に相当する1498.08ポンドを支払うよう同社に命じた。席を外している間に自分のコンピューターが上司でマネジングディレクターのリチャード・アシュトン氏によって使われ、自分の名前で取引が行われていたと上司を批判した後、解雇されたとコルシュノワ氏は訴えていた。
  ジョージ・フォクスウェル審判官は、コルシュノワ氏が「違法な扱いによって他の人々の前で辱めを受けたと感じたことを示す証拠は、われわれが納得できるものだ」と述べ、同氏のコンピューターをアシュトン氏が使ったことが解雇の一つの要因だが、唯一の理由ではないと判断した。
  アイガー・セキュリティーズ側は、一定の精神的苦痛を与えたことは認めたものの、ささいなものだと主張。審判官はこれに対し、コルシュノワ氏の苦痛が解雇によって「増幅された」としたが、認定した損害は請求(1万6800ポンド)の約3分の1にとどまった。
  アイガー・セキュリティーズに対し、営業時間外にコメントを求める取材を試みたが連絡がついていない。アシュトン氏にもコメントを求める電子メールを送ったが、これまでのところ返答はない。