銀河の中心にブラックホール1万個存在か、研究
銀河の中心にブラックホール1万個存在か、研究
2018年4月5日 9:42 発信地:パリ/フランス
地球から約2万7000光年にある天の川銀河(銀河系)の中心(2016年3月31日提供)。(c)AFP PHOTO / NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)
【4月5日 AFP】太陽系を含む天の川銀河(銀河系、Milky Way)の中心のブラックホールを12個検出したとする天体物理学者チームの研究結果が4日、発表された。この結果に基づくと、銀河中心にはブラックホールが1万個存在する可能性があるという。
英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された論文によると、あらゆる大型銀河の中心には超大質量ブラックホールがあり、それが数多くのより小さなブラックホールに取り囲まれているとする説があり、今回の発見はこの長年支持されている説に初の証拠を提供するものになるという。
論文の共同執筆者で、米コロンビア大学(Columbia University)の天体物理学者のチャック・ヘイリー(Chuck Hailey)氏はAFPの取材に、銀河系の中心にあるブラックホール「射手座A*(Sagittarius A*)」を取り巻く「ブラックホールを12個観測した」と述べ、そして「だが、これは氷山の一角にすぎない」と語った。
ヘイリー氏と研究チームは今回、「見えない」天体のブラックホールを検出するために、伴星を持つブラックホールの連星系を探索した。このような連星系は、ブラックホールが近くを通過する恒星を捕捉し、重力的に結びついて形成される場合がある。
■「膨大な数のブラックホール」
「最終段階は理論によってもたらされる。理論では、孤立したブラックホールの中で最終的に(連星を形成するための)伴星を見つけるものは約20個に1個にすぎないと推測されている」と、ヘイリー氏は説明。「従って、推定値の500個を20倍すれば、(射手座A*の周囲に)孤立したブラックホールが約1万個存在することになる」と続けた。
銀河系内で、銀河中心から離れた場所にあるブラックホールはこれまでに60個特定されている。